2014年7月14日月曜日

実験的教育に対するエリクソニアン・アプローチ(その2)



 ヒーローもののマンガやドラマではないけれど・・・・「ライダー・キーーーック」とか・・・・ヒーローが悪役に対して使う必殺技を自分で口に出しながら繰り出すというのがあります。もちろん、実際の格闘技の試合とかではこんなことをするわけはないのでしょうけれども。

 それで、必殺技を口に出すと、そこばかりに焦点があたってしまうわけなのですが、本当はその技が決まるまでのプロセスが重要なのだろうなぁと思うわけです。

 もちろん、本当の意味での必殺技は最初からその技を繰りだそうと思っているのではなくて、状況に応じて、ほとんど無意識に実行されることなのでしょうけどねぇ・・・・逆の言い方をすると相手や状況との相互作用の中で、仕掛りから完成までのプロセスの中で理解しないと何も分からないということになるでしょう。

 もちろん、これは心理療法やコーチングの状況などでも同じなのですが、必殺技を練習しても、それを使う状況になった時にほとんど無意識に実行されるようなレベルになってないと意味がない、ということでもあるのでしょう。 
 

ARE モデル

 「Ericksonian Approach to Experiential Education[1]というタイトルのエッセーの続きを書いておきましょう。

 心理療法家のミルトン・エリクソンはクライアントとの膨大なセッション記録や録音テープを残していますが、不思議と自分の心理療法を体系化しなかった人でもあるわけです。これを比喩で言うと、ショッカーの怪人と戦っている仮面ライダーが自分の必殺技に「ライダー キーーーック」みたいな言葉のラベルを貼って形式知化するようなことはしなったと考えても良いでしょう。

 従って、エリクソンの技法というのは、その弟子や研究者が、セッション記録や録音テープを聞いて、勝手に名付けられた必殺技みたいなものがひとり歩きしているような構図があるわけです。

 もちろん、物事を意識的に理解するのにこういうやり方が必ずしも悪いわけではないのだけれど、やはりこういった事情があることは頭の片隅においておきたいところではあるわけです。

 それで、今回のエッセー。

 で、ここではエリクソンの技法が 他の誰かによってARE モデルとして取り出されている構図が存在しています。

 このAREモデルについて書かれている記述を読んでみましょう。

  1. Absorb : 夢中にさせる:クライアントを物語、記憶、知覚、感覚、催眠現象もしくは経験などに夢中にさせる。
  2. Ratify : 承認する:クライアントがその出来事に夢中になれるように、そこでやっていることを承認する。
  3. Elicit : 引き出す:その課題や問題に向き合うことを可能にするための資源、資質、リースを引き出す。
 で、エリクソンの映像を見たり、セッション録を読むと、確かにエリクソンはクライアントとの対話の中で、これを繰り返し、繰り返し、地道に地道にやっていくという感じになっているのが分かってきます。だから、これを絶対的なフレームワークと考えるのではなく、エリクソンの技法を観察する時のひとつのメガネとして使ったり、実際にやってみる時に意識するのはありかなぁ、と考えています。

 それで、個人的に、このあたりはクリストファー・アレクサンダーの提唱しているパターン・ランゲージのようなものにまとめられると良いのでしょうけれど、心理療法家のミルトン・エリクソンのやっていることはクライアントの経験をコンテンツとして利用したプロセスモデルなので、このあたりは悩むところと言えば悩むところなのですよねぇ。
 
(つづく)
文献

[2]http://www.amazon.co.jp/dp/B0067ZWUZA/

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