2014年7月15日火曜日

実験的教育に対するエリクソニアン・アプローチ(その3)



 よく研修で「Yes セット」を教えていたりするのですが、心理療法の場面と違って、営業研修みたいな場面では、これまた工夫が必要なように思えるのですよねぇ(笑)。
 
 

Yes セットの復習

 「Ericksonian Approach to Experiential Education[1]というタイトルのエッセーの続きを書いておきましょう。

 昨日は、「ARE モデル」について書いたわけですが、非常にシンプルですが、自分の経験や知覚に焦点を当てて資源・資質となる心身状態を引き出すという意味では非常に深いモデルのようにも思ってくるわけです。


  それで、クライアントさんに記憶や経験の中の何かに焦点をあてそこに熱中してもらおうと思う時、つまり、この「AREモデル」のAbsorb から出発するために、ここで紹介されている技法の一つが Yes セットです。

  もちろん、元々ミルトン・エリクソンの技法として Yes セット/No セット/リバースセットの3種類がありますが、ここでは Yes セットの説明をしておきましょう。このドキュメントではこの Yes セットは、1)誰にも否定が難しい事実 2)クライアントの可能性を示唆する、の2つからなると書かれています。
 
 もちろん、ここでは何か格好のよいことを言わなければならないというわけではありません。実際に英文を読むと

否定が難しい事実:
 あなたは息をしているところです。
 あなたは地面に立っているところです。
 というのはじめのとっかかりになり、次に、
可能性:
 あなたは周りの音を聴くことができます。
 あなたは呼吸の変化に気づいているのかもしれません。
 あたなは手が体に触れていることに気づいているかもしれません。
 というものです。

 で、ここでのポイントは相手の「考え」ではなく、相手を観察して、相手がそこに注意を向けると、そうかもしれないと思えることに注意を向けていることに注意が必要です。
 もちろん、これが白々しく聞こえないような状況設定をはじめに行うということが一番難しいのかもしれませんけれども・・・・・・

 なので、案外、営業トレーニングみたいなところで相手のことを考えずに「買わせる気マンマン」の「Yes セット」というのは上手くいかないような気もしているのですよねぇ。
 何れにしても、このあたりは現象学に関連しているような感じがして、マインドフルネスではないのですが、「今ココ」で起きている自分の五感の感覚に注意を当てるというのは案外重要なことだったりするように思うわけです。
(つづく)
文献

[1]http://files.eric.ed.gov/fulltext/ED377009.pdf

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