2014年8月21日木曜日

メタファーがどのように戦争を正当化したのか?



  
  
 政治家は、自説を浸透させるために、何か訳の分からない「メタファー」を使いたがる生き物のようにも思ってきます。

 「消費税を上げると景気がよくなる!!」
 「反対するものは皆抵抗勢力と見なします!!」
 ・・・・・・・
 「日本列島は日本人だけのものではありません!!」

 などなど、
 
 で、普通に考えてみれば何かおかしいということに気がつくわけですが、こういったワンフレーズ・ポリティクスのような「メタファー」にのせられないことは大事ではないか?と思うわけです。

 


メタファーがどのように戦争を正当化したのか?

 小泉首相の時代、「ワンフレーズ・ポリティクス」などという言葉が叫ばれたわけですが、考えようによっては、これは認知言語学の定義するメタファーということが言えるでしょう。

 例えば、「反対するものは皆『抵抗勢力』とみなします」、みたいなフレーズ。ある意味、こういうフレーズは普段物事をよく考えていないおバカさんを熱狂させるにはよいのかもしれませんが、逆にいうと事実に目を向けるのではなく、何か実体のないものを想定してそれに向って突き進むような怖いところがあるようにも思ってきます。

 で、ネットに落ちていたカリフォルニア大学バークレー校で言語学を教えているジョージ・レイコフの「The Metaphors system used to justify war in the Gulf [1]というエッセーを読んでいたわけですが、これがまた意味深というわけです。

このエッセーは湾岸戦争が起きたことを題材にしています、タイトルどおりに、「湾岸戦争を正当化するために使われたメタファー」ということで、特に当時、ブッシュ大統領、ベイカー国務長官、シュワルツコフ司令官らがどのようなメタファーを使って湾岸戦争を正当化したのか?ということが綴れているのは面白いところだというわけです。

 もちろん、人が死ぬ戦争は良くないと思っていても、メタファーを使って、「効率」の問題に置き換えられてしまう。戦争をしたほうが得か損か? 
 あるいは、メタファーを使ってイデオロギーの問題に置き換えられてしまう。我々は正義を守るために戦争をしている!という具合。

 これが、起こっている事実とは別に言語を使ったメタファーでどのように正当化されるのか?を分析したのがこのエッセーだというわけです。

 で、最近だとこのエッセーが更新されてシリアについてどうなのか?というエッセーがハフィントン・ポストに公開されていますが、こちらもオバマ大統領が「Red Line 超えてはならない一線を超える」というメタファーを使ってシリアとの関係をどのようにリフレーミングしたのか?というエッセーになっています[2]

まぁ、そんなわけで政治家が語る、必ずしも事実に言及しているわけではない「メタファー」に注目しながらニュースを紐解くというのも面白いように思ってくるわけです。
 
 (つづく)
文献

[2]http://www.huffingtonpost.com/george-lakoff/obama-reframes-syria-meta_b_3879335.html


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