2014年8月26日火曜日

アイス・バケツ・チャレンジのベイトソニアン的考察


  
  このムーブメントに対して「よい」「わるい」の評価をする気はないのですけれど、アイス・バケツ・チャレンジって、ベイトソンの定義したベイトソニアン・ダブル・バインドのフォーマットを取っているのですよねぇ。

 で、僕の期待するのは、禅の坊さんが誰かに指名された時に、この坊さんが、「お金を寄付する」「氷水をかぶる」のどちらもやらないで、かつ、ネットなどの視聴者を満足させる何かをやってくれることでしょうかねぇ?(笑)。

 


アイス・バケツ・チャレンジのベイトソニアン的考察

 いわゆるダブル・バインドにも、統合失調症の原因となりうるベイトソニアン・ダブル・バインドとそれを治すためのエリクソニアン・ダブル・バインドの2種類があるわけです・・・・


 それで、ベイトソンのほうのスキッツフェリニック・ダブル・バインドの定義を参照してみると、まさに、アイス・バケツ・チャレンジがこのパターンにハマっているというわけです。
 
1.ふたりあるいはそれ以上の人間がコミュニケーションのコンテクストに存在。

2.
犠牲者は、繰返される経験の中で、ダブル・バインド構造に対する構えが形 成される

3.
 
犠牲者に対して、第一次禁止の命令が行われる。

   
 a.
「これをすると、お前を罰する」 もしくは、
    b.
「これをしないと、お前を罰する」 という形式を取る。

4.
次に犠牲者に対して、より抽象的なレベルで第一次禁止の命令と衝突する第二次の禁止命令が行われる。これが第一次禁止の命令に対するメタ・メッセージとなる。

5.
犠牲者が関係の場から逃れるのを禁止する第三次の禁止命令が行われる。

6.
犠牲者は、ダブル・バインドの一部を知覚するとその任意の状況でパニックや憤激が引き起こされる



 で、アイス・バケツ・チャレンジの場合は、
  1. 前の人が挑戦者3人を指名する、少なくとも利害関係者は4名。
  2. 社会的な空気の中でなんとはなくの雰囲気が形成される
  3. 挑戦者に対して一次的な命令が行われる
    a.「水を被らなければ」→ 罰金でお前を罰する
    b 「氷水を被れば」→ 氷水でお前を罰する
  4. これをやることで難病の人に役に立てる
  5. 挑戦者はその場から逃れるのを禁止する第三次の命令が行われる
  6. 犠牲者は第三の選択肢を考えずについつい挑戦してしまう・・・・

 という具合。

 まぁ、昔から「不幸の手紙」みたいなものはあるわけですが、これにダブル・バインド的な要素を加えて、ネットの映像を通じて巧みに連鎖するように仕向けているというのがこれを考えた人の天才的なところなのでしょう。逆に言うと認知科学とか臨床心理とかを極めた人をチームに入れてビジネス・モデルを考えないと上手くいかない時代でもあるのでしょう。

 もちろん、私は、禅の坊さんではないけれど、もし、指名されたなら、ダブル・バインドを外す、何か第三の別の方法を考えてみると思いますけれどねぇ・・・・・(笑)。
(つづく)
文献

[1]http://users.cis.fiu.edu/~pasztora/pragm00/pragm-abstract.pdf


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