2014年10月3日金曜日

問題解決の道具箱:イッシューツリー(その7)


  
  一般的にビジネスで活用される問題解決って外的世界に実現される(無生物の)モノやサービスだけに焦点が当てられます。

 で、もちろん、モノやサービスをつくるのは人だったりするので、本当はそこにも焦点を当てなければなりません。でこれを上手くやらないとモノやサービスは出来たけれど、プロジェクトに関わった人の満足感は最低だった、とか、ほとほと疲れ果てた、となってくるわけですねぇ(笑)。

 で、普通の問題解決の手法に短期療法の手法をプラスすると、ゴールが実現された時の人の達成感を味わうとか、満足感を高めるとか内的世界への対応が可能になるように思うのですけれどねぇ。

 余談ですが、グレゴリー・ベイトソンじゃないけれど枯れ木に花を咲かせるというメタファーは、対象として、無生物ではなく生き物を扱っているので、対応方法を考えるとシステム論的には案外意味深のように思ってくるわけですねぇ。
 


問題解決をメタファーで考える

 昨日の続きを書いておきましょう。


ここまで左側の枯れ木の分析をしています。具体的には、
文脈、コンテクスト分析
利害関係者、ステークホルダー分析
問題分析/状況分析
です。




 で、次に行うのが、こんどは右側に目を移しての④目的分析、というわけです。

目的分析

 ここでは、前提として、「具体的にどうやれば出来るのか?」その方法やプロセスについては一端保留して考えていきましょう。

 それで、ロジックで言えば、チャールズ・サンダー・パースの「アブダクション」を使って、過去の枠組みの延長ではない理想型を考えるところから始めましょう。

 UFOに拉致された人の話ではないけれど(笑)、ドラえもんに拉致されてタイムマシンで未来のあるところに連れて行かれたら、具体的にどのようにやったのか?は記憶にないけれど、理想的な未来が実現してしまっていたところにたまたま着いてしまった、と想像してみるわけです。で、これは、ソリューション・フォーカスト・アプローチで言う「ミラクル・クエスチョン」と同じ要領で使うことになります。

 それでは、昨日の枯れ木の比喩を参考にしながら、理想型として、青々と繁る葉っぱに、綺麗な花がついている理想型をイメージしながら、結果→プロジェクトの目的→全体の目的、の「結ばれあうパターン」を考えてみましょう。

 もちろん、ここでは演繹法的なトップダウンで、全体の目的→プロジェクトの目的→結果、と考える方法と、帰納的なボトムアップで結果→プロジェクトの目的→全体の目的と考える方法を何度か行き来する必要があるかもしれません。

 で、以下は説明の順番としてはボトムアップ的に・・・・・・

a. 結果

 結果の対として、
 現状→根っこが枯れているところがあるようだ(原因仮説)、がありました。

 じゃぁ、理想型は→すべての根っこが力強く大地に張り出しているところを想像する。これが結果になるという具合です、もちろん比喩ですけれど。で、このあたりは、③の問題分析/現状分析でたてた原因仮説を参考にするとよいでしょう。

(もちろん、いつも単純に原因仮説をひっくり返せば良いとはならず、場合によっては現在の枠組みの外に出てリフレーミングをしないと結果が得られない場合があるのが悩ましいところなのですけれども。例えば、値段が高い→売れない、じゃあ、値段を下げる→売れる、とはならないようなケース。もっと言うと、人や生き物の認識や行動が関連しているケースです。)


 それで、ここで結果をどのようにに実現するのか?の具体的な方法やプロセスを考えることは一端保留しておきます。余談ですが、根っこのメタファーでも分かるようにこの部分は直接見たり聞いたりできないことが多いので、実際には、システム思考の大きなパターンの中で、現象を通じて、介入方法→結果→現象の「結ばれあうパターン」から結果を推測することになると思います。具体的には、何かする→根っこが力強くはり出す→葉っぱが繁る/木の皮が再生する、というような具合。もちろん、「力強く」は主観的な解釈の話なのであくまでもおまけ・・・

b. プロジェクトの目的

 これは、現象として見えるところを取り扱います、まずは、現状の現象をひっくり返す形式でひとまず考えてみます。

 現状→ほとんど葉っぱが繁っていない。木の皮が剥げかかっている。じゃぁ、これをひっくり返して、プロジェクトの目的を→葉っぱが青々と茂っている。木の皮が生き生きしている、という具合。

 で、当面プロジェクトはこれが目的となります。

c. 全体の目的

 さらに、プロジェクトの目的を達成することで得られる理想型の(波及)効果を考えます。

 例えば、木に綺麗な花が咲いている。とか、美味しい実がなっているという具合。もちろん、それがリンゴなのかミカンなのかは分かりませんけれども、プロジェクトの目的より一段抽象度の高い目的なりゴールなりをイメージしましょう。コンサルタントなら「So What ?」 の質問をマイルス・デイヴィスの同名の曲をかけながら繰り返してみるのもよいでしょう(笑)。

 で、図の右側の理想型で、(結果)根が力強くはり出している→(現象)葉っぱが青々と茂っている、木の皮が生き生きしている→(全体の目的)綺麗な花が咲いている、という「結ばれあうパターン」が見えてきます。

 もちろん、ここでのポイントは、現状からの積み上げで未来の理想系を考えない。そして、そのためには、具体的にどのようなやり方、あるいはプロセス、介入方法でそれを達成するのか?それは一端保留しておくということになります。

 もちろん、この目的の設定は、多少なりとも「志を立てる」というところがありますので、あくまでも理想は理想として現状の延長ではない、でも非現実でもない、少し高めのところに設定すると良いでしょう。それで、成果物としては、結果→プロジェクトの目的→全体の目的をコトバで書いても良いでしょうし、ロジック・ツリーで整理してもよいでしょうし、多少ゆるゆるなのか好みならばマインドマップでまとめてもよいでしょう。

 で、余談ですが、以下のリンクでゴール設定のガイドラインについて短期療法の一派であるソリューション・フォーカスト・アプローチの例を引いて書いています。


 これを読むと色々気づきがあります。例えば、上の例でいくと自分は木ではないので、あくまでも自分の行動として木に何をしてあげられるか?という視点でゴールは、自分のコントロールできる具体的な行動の範囲考える必要があることも分かってきます。もっと言うと、あなたは木が再生し、花をつける環境を整えるために何がしかの環境を整える作業をするだけ、ということになります。

 また、木は生き物なので、単純にレンガを詰むとか、コンクリートを流し込むというような主体の行動が原因となって直線的な結果が生まれるところだけでは終わらないわけです。

 つまり、自分の行動が直線的な因果関係で即結果につながるというわけではない。だから、このあたりはベルタランフィの一般システム論ではなくて、もう少し円環的な因果関係やオートポイエーシス論のようなシステム論になってくるでしょう。

 その意味では、対象とするのが生物なのか?あるいは無生物なのか?では随分違いがあることも分かってきます。もっと言うと、レンガを積んで何か建物をつくるというゴールと、部下を優秀な営業に育てるという、前者が無生物で、後者が生物の場合は、そのベースになる発想が違ってくるという具合です。その意味では人類学者のグレゴリー・ベイトソンがグノーシス派の哲学を引用して前者をプレローマ、後者をクレアトゥーラと区別した理由がなんとく分かってくるわけです。

 さて、今日のまとめとして、今回は、④目的分析を通して、過去の延長ではない理想型をイメージしてみました。

 で、次から現状→理想にどのように橋をかけるのか?具体的な方法について考えてみましょう。
 
(つづく)
文献

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