2014年10月7日火曜日

「バカ」とは何か?


  
  「バカ」というコトバを中国の故事まで紐解いて考えると案外深遠です。

 もちろん、「バカ」というコトバは良い意味もあれば悪い意味もあります。

 例えば、何かに一心不乱に取り組む人、という意味で使われることもあれば、単純に頭が悪い人、という意味で使われることがあります。

 もちろん、自分とは意見が合わない人のことを罵るために単純にバカと言っている場合もあるでしょう。

 で、ここでは「バカ」とは一体何なのか?

 システム論的に定義するのがここでの試みです(笑)。

 


「バカ」とは何か?

 少し前に「システム思考の練度を測る30の質問」と題してシステム思考の話を書きました。


 ここでは、この30の質問に関するクライテリアから「バカ」について考えてみましょう。もちろん、ここでの「バカ」の意味は、基本的に「読みが浅い人」という意味で使っていますが、システム論的に「バカ」を定義する試みです。

で、バカとは・・・・・・
  1. 結果の出ない行動ばかりを行う「努力」や「気合」や「根性」ばかりが強調され、結果の出ない行動ばかりを行っている。あるいは、結果の出なかった行動のフィードバックから何も学ばない。
  2. 己を知らず、相手も知らない自分の視点だけではなく相手の視点にも立っていない。すべての利害関係者の視点から状況を考えていない。
  3. 見えるものしか見ていない人は、「距離が近い」、あるいは「起こった時間が近い」出来事だけに因果関係や相関関係を見出す。「物理的に距離が離れている」、あるいは「時間的に離れている」出来事にも因果関係、相関関係にまったく注意を払っていない
  4. 出来事のコンテンツだけが気になる出来事がどのように連鎖したのかのプロセスにはまったく注意を払わず、出来事のコンテンツだけに注意を払う。
  5. チームを足し算でしか考えていない機能だけを意識してチーム組を考えている、5人いれば5人分だけの仕事が出来ると考えている。
  6. 大きなパターンを見ない抽象度を引き上げて問題や解決のパターンを見ていない。抽象度の上げ下げが苦手。
  7. 変化の仕組みをつくるのが苦手個人のモチベーションや努力だけに頼っていて、変化しつづける仕組みをつくるのが苦手
  8. 繰り返されるパターンを探さない:一回限り起こる特別なパターンではなく繰り返されるパターンに注目しない。問題の規則性とタイミングが見つからないので、解決の規則性とタイミングも見つからない。
  9. 要素の連鎖を見ない目の前にある問題は一連の要因が連鎖して起こっているとは考えない。
  10. 因果のループがわからないその状況での因果関係に関心がない。
  11. チームの関係性に無頓着チームの機能だけが気になって、その関係性や相互作用に無頓着。チームの相互作用から何も学ばない。
  12. 変化に気づかない:システムやその状況は常に変わり続けている変化に気づかない。時系列的な変化を捉えるのが苦手。
  13. 共通の利益を考えない特定の個人の利益のために動く。お互いの環境がよくなる提案を考えたり、実行したりはしない。
  14. アイディアに固執する最初に出てきたアイディアがベストであると考える。フィードバックを得て修正をしない。
  15. 変化は細部に波及すると考えない提案された変化システム全体に影響を及ぼす可能性があることを考えていない。像の一歩で蟻が潰れることなど気にしない。(もちろん反対に細部から全体に創発的に波及する変化もあることが分からない・・・)
  16. システムの変化とは人の認識と行動の変化であるとは思わない主な成功要因は、担当者自身が変化することであるが、自分は変化しなくても良いと思っている。
  17. 直観で大きなシステムを見ない出来事や現象に脊髄反射で対応している。背景にあるより大きなシステムを洞察する直観が働かない。
  18. スーパーマンに依存している自分は出来る人間だと思っている。しくみをつくってチームで実行する場合のことを考えていない。特定の人の能力に依存する属人的なプロセスで仕事をしている
  19. 大きな志と小さな行動の整合性がとれていない組織のミッションやゴールを留意して日々のタスクとの整合性がとれていない。志は大きいが行動が伴っていない。行動は凄いが志がない、など。
  20. レバレッジ・ポイントを押すという発想がない小さな変化が大きな成果を生む可能性について考えていない。最小限の行動で大きな成果を得るという効率を考えていない。いつも骨折り損のくたびれ儲けとなる。
  21. 変化のプロセス相互作用を考えていないいくつか起こる変化のプロセスも相互作用する、と考えていない。
  22. ベター・プラクティスを探さないそのシステムで最も上手くいっていること、人に注意を向ける。どのように上手くいっているのかを探さない。いつもアラ探しばかりしている
  23. 利害関係の調整が苦手相手の立場に立って立場、地位の違う従業員がその改善によりどのように嬉しがるのかを具体的に考えるのが苦手。
  24. タスクのアサインとコミットメントが中途半端恒久的な変化のためには個々のコミットメントが不可欠であるが、コミットメントが中途半端。あるいはいつもコミットメントをしない。
  25. 過去の枠組みを超えられない過去の経験に囚われ戦略を立て、戦術、オペレーションに落として実行している。
  26. 過去の延長で考えているシステムの問題をいつも過去の出来事の囚われから見ている。
  27. システム全体を変化させられないシステム全体の変化を考えていないので、いつも局所最適ばかり行っている。
  28. 人類学的な知見がない歴史、履歴、文化を考慮していないダイバーシティなんてクソ食らえだと思っている。
  29. 変化の条件も変化とは考えない同じ施策を実行しても、システムの状態によってその結果が異なるなどと夢々考えない。前回うまく行ったので今回も上手くいくという具合に諸条件や前提条件をあまり深く考えていない。
  30. 不確実性は可能性でもあることを知らないリクスを考慮するのと同じように、不確実性とよい意味でのサプライズが伴うことを知らない。リスクや不確実性は悪いことであると一方的に思っている。

 と・・・・・色々書いてきたわけですが、単純に「バカ・・・バカ・・・バ~カ」と言いたい場面でも、一呼吸置いて、「一体バカとは何か?」を考えてみると、案外深いことを考えていないと「バカ」を定義するのも難しいことが分かってくるわけなのですよねぇ(笑)。もちろん、こんなことが分かっていて小賢しいと思われない「バカ」が出来ないといけないのかもしれませんけれどねぇ。


(つづく)
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