2015年1月21日水曜日

シリコンバレーとエリクソニアン・ダブルバインド

「シリコンバレー」には、たまに出張していたので土地勘はあるほうだ、と個人的には思っている。具体的には、パロアルト、クパチノ、サンノゼ・・・とかだけれど。それで、最近、Googleのエリック・シュミットやジョナサン・ローゼンバーグの本なんかを読んでいて、ふと思いついたことがある。もちろん、昔からうすうすは思っていたのだけれどうまく体系化できていなかった、というのが本当のところ。

  で、簡単に言うと、シリコンバレーの一般的なマネジメント・スタイルは、「エリクソニアン・ダブルバインド」だということ。

もちろん、これを説明するためには、この真逆の概念である「ベイトソニアン・ダブルバインド」から説明する必要があるだろう。

 ベイトソニアン・ダブルバインドとは、統合失調症の原因として考えられた仮説で、端的にいうと「Aをやったらおまえを罰する、Aをやらなくてもお前を罰する、その場から逃げることは許されない」、2人以上の人が存在するコンテクストにおいてコミュニケーションすることで起こる状態ということになる。[1] 

 これをマネジメントのスタイルで表現すると、『新しい試みをすることもNG、かといって、現状と同じことをやってもNG』のような、ある意味手詰まりの状態の会社が知らず知らずにやっているマネジメントがこれにあたるだろう。もちろん、こちらは白馬に乗った救世主でもやってこない限り、大体オワコンになるというようなパターンになるようにも思ってくる。

   一方、エリクソニアン・ダブルバインドの場合は、簡単に言えば「Aをやったらおまえは成功する。Aをやらなくてもお前は成功する。」「Aをやった結果おまえは成功する、Aをやった結果失敗することに成功する・・・」というような形式をとる。[2]

 で、シリコンバレーの文化といってもよいかもしれないけれど、大体エリクソニアン・ダブルバインドのような形式のようになっていることが多いように思う。つまり、「とにかく新しい試みをいくつもやってみることが推奨される。で、失敗するのが普通なので、うまく失敗する、早く失敗する、小さく失敗することを心がける」で、めげずに何回もトライしていつか失敗しなかった普通に成功する、場合によっては大成功する。

 繰り返すと「エリクソニアン・ダブルバインド」というのがこのあたりの会社の文化、ひいては地域の文化として継承されていると確信するわけである。

 もちろん、このパターンはいくつものプロジェクトを並列に動かしているようなことになるので、ヒ―ヒー言いながら、でも不思議と心と体は疲れないということにはなってくるわけだけれども(笑)。

[2]http://www.psychotherapy.com.au/fileadmin/site_files/pdfs/TheDoubleBindTheory.pdf




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