2015年10月29日木曜日

リーン生産方式とサイバネティクス



 無生物で物理的な問題解決にはTOCを、生き物の論理的な問題解決にはサイバネティクスをベースとした方法論を、それぞれ組み合わせるのもまた一興(笑)。



  なぜその仕事が上手くいったのか?

  普段は暗黙知として実行していることを形式知化しようとするとその人の教養の課題にぶつかります。

  つまり、それを<物語>として語り始めると、赤ちょうちんの下で語られる、再現性のない単なる<武勇伝>となってしまうわけです。

  しかし、人の思考や行動を形式知化するのは結構難しいことです。反対に<物語>として記述しないのであれば、どのような方法があるのでしょうか?

  一つは、TOC (Theory of Constraints)のように、日本の製造業の生産プロセスの卓越性に対して、主にニュートン系のモノの動きを観察し<物理学>の知見でもって、普段なんとなくやっている暗黙知的なところを形式知化するということが考えられるでしょう。

 しかし、TOCの場合は、人の思考や行動に焦点があたった場合に、ニュートン系なやり方を直接当てはめるにはなんとなく違和感がある。また、人や組織の認識の変化というところに使うにはちょっと抵抗がある、ということになるように想います。

  一方、リーン生産方式はどうなのか?

 こちらは同じ日本の製造業、特にトヨタ自動車の生産プロセスの卓越性に対して、MITのノーバート・ウィナーが体系化したサイバネティクス、この発展形である第二次サイバネティクスをマネジメントに応用し、マネジメント・コンサルタントである英国人のスタッフォード・ビーアの体系化した<マネジメント・サイバネティクス>で取り出しているのが<リーン生産方式>となっているわけです。[1]

 第二次サイバネティクスについては、心理療法家のミルトン・エリクソンの暗黙知的な技法を短期療法として形式知化する際に、人類学者のグレゴリー・ベイトソンらが持ち込んだ手法でもあり、実はリーン生産方式と人や組織の認識に変化をもたらす短期療法は方法論にはオーバーラップしているところが多い、と個人的には考えています。

 それで、会社で上手くいった人や組織の認識や振る舞いを形式知化する際に使うのがサイバネティクスといことになるわけですが、せっかくの成功事例を単なる赤ちょうちんの下で語る<武勇伝>にしないという意味でも、学んでみる価値はあるのだと思うわけです。

 もちろん、暗黙知的に実験的な試みをやっていって、小さな失敗を何度もやってその中から、将来、形式知化される成功の種を見つけることがこの前提とはなるのでしょうが・・・・


文献


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