2015年11月11日水曜日

ミルトン・エリクソンから派生した心理療法を図にしてみた(その2)




 ものごとを<分ける>ことが出来たからといって<分かった>気にはならないというのは、案外重要なことなのかもですねぇ(笑)。        




ミルトン・H・エリクソン財団の国際会議のシラバスに掲載されている、エリクソニアンな方々の流れが書かれた図を眺めているととても面白いと思います。

 エリクソンは、自分の心理療法の体系を文章やフレームワークに形式知化して残していません。つまり、エリクソンの哲学や技法とは何か?と問われると体系だったものを何も残さなかった人だと言えるでしょう。もちろん、このことが誤解や似ても似つかない技法が生まれる要因にもなっているわけですけれど。


 それで、youtube の映像を見ても『他人の技法を使うな、独自の技法を開発せよ』と言っているのが非常に印象的です。



 それでもエリクソンは結果を残した。


 弟子と目される心理療法家は、あらゆる手段を使ってエリクソンの魔法の秘密を解明しようと人生をかける人たちが現れてくる。そういう構図がエリクソンの面白さでもあるわけです。人生を棒に振るような人もいたのかもしれませんが(笑)。


 で、この中で何とか結果を出す弟子達が出てくる、そして色々なアプローチも出てくるというわけです。


 それで、まさに百花繚乱、色々なプローチが出てくるのは以下の通りです。[1]



で、個人的な独断と偏見をてんこ盛りで少々解説を・・・


ネオ・エリクソニアン:エリクソンの技法を伝統芸能の箸の上げ下ろしを学ぶように、暗黙知を暗黙知として学ぶ必要があると考えるグループ。但し、ほとんどの人が博士号持ち(笑)。


エリクソン・インスティテュート:どこかの家具家さんのようにエリクソンの子供たちが仲間割れして出来たグループ。でも、現在はみんな歳を取って和解し、財団とは結構仲良くやっているグループ。


ベイトソンからのグループ:いわゆるMRIのグループ。但し、MRIは精神分析などもやっているので、ここではMRIとは書いていない。このグループはサイバネティクスを持ち込んで、ゴリゴリの科学的視点でエリクソンを観察して形式知化を試みたグループまた、このグループも、コミュケーションの相互作業に着目したグループと、エリクソンの戦略性(理想ー現状)に着目したグループが出てくる。そして、ジョルジオ・ナルドネ、ウェンデル・レイらの流派、スコット・ミラーらの流派、スティーブ・ド・シェザーらのソリューション・フォーカスと・アプローチへと続く。


人類学グループ:ある意味ベイトソンと同根だけれど、エリクソンの知見を人類学に活かしたグループ。マーガレット・ミードら。


可能性療法:クライアントの可能性に着目したビル・オハンロンの流派。


自己間関係派:これは、独立した一流と見なされるスティーブン・ギリガンの流派


神経言語プログラミング:変形生成文法を持ち込んでエリクソンの言語パターンの分析から始めたグループ。出だしは、好調、但し、暗黒史や裁判沙汰の事件が多い、いつも騒ぎを起こしているお騒がせなグループ。基本自己啓発過激派と穏健派に別れるが、今回参加しているのは穏健派な人たち。


心身派:こころと体は密接に相互作用すると考える、初期の著作でエリクソンがパートナーに選んだアーネスト・ロッシの流派。


 もちろん、技法や各流派を<分ける>ことで分かったような気になる前に、この人達で暗黙的にでも共有されている、理念のようなものは何か?と考えてみるほうが、エリクソンを分かった気になる近道かもしれませんけれども(笑)、



 まぁ、そういったことを考えながら色々やってみるのも面白いのでしょう。

文献

[1]http://www.ericksoncongress.com/

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