2015年12月21日月曜日

2015年をリフレーミングする

                          

 経験自体を変えることは出来ないが、

 その意味は変えることが出来る。

 意味を変えることで色々なことが学べる。対象に対する反応も変わる。

 また、これから実行することのアイディアが浮かんでくる。

 <ひとりごと>



2015年にハマったパターンをリフレーミングして2015年を修了する

    結論から先に言うと、<除夜の鐘>ではないけれど、今年の出来事をリフレーミングして、2015年の出来事を良い意味に変えて1年の区切りをつけるというのがここでの趣旨だ。別に108個の出来事という具合に数にこだわる必要はない。今年、あった嫌な経験、ハマった経験。これをリフレーミングして意味を受け止めながら1年を締めくくるのは非常に重要な気はしているところだ。もっというとリフレーミングは心理療法として治療のためだけに限定していたのではもったない技法でもあるということだ。

 さて、心理療法の技法にリフレーミングというのがある。カリフォルニア州パロアルトの心理療法の研究機関のMRI (Mental Research Institute) でポール・ウオツラウィック、ジョン・ウィークランド、リチャード・フィッシュらが最初に定義したとされる短期療法の技法だ。[1] [2]  MRIは、人類学者のグレゴリー・ベイトソンや家族療法家のヴァージニア・サティアも在籍した歴史のある機関だ。今でもスタンフォード・メディカル・スクールで教えている人たちも在籍している。

 余談だが、パロアルトは、<シリコンバレー>と呼ばれる地域の中核都市の一つである。サンフランシスコからサンノゼを貫く鉄道としてカルトレインがある。パロアルトはサンフランシスコとサンノゼの途中にある。カルトレインのパロアルト駅を下車して、サンノゼ方向に向かって左手へ降りる。スタンフォード大学を背にして、ユニバーシティ・アベニューを300m ほど下り、右折して100mほど歩くと古風なアパート風のMRIがある。7月あたりは紫陽花が咲いていてとても美しいところでもある。個人的には新卒で入社した会社の本社があるところでもあり、出張でよく行った想い出深い場所でもある。



 MRIは短期療法の代名詞のようにも言われるころがある。確かに、心理療法家のミルトン・エリクソンを研究していたチームは有名だ。しかし、この研究機関は精神分析から始まってEMDRのフランシーヌ・シャピロ博士が在籍しているようなところでもあり、ミルトン・エリクソンを継承するエリクソニアンたちは、気を使って、MRIの短期療法を Interactional Therap とか Strategic Therapy とか呼んでいる。前者は、エリクソンを形式知化したコミュニケーションのやり取りに主眼を起き、後者は現実ー理想を埋める戦略に主眼をおいていることになる。

http://ori-japan.blogspot.jp/2015/11/blog-post_29.html

 さて、ウオツラウィックらは彼らはクライアントがどのような物事の見方をしているのか?どのような枠組みで見ているのか?彼らを治療するのはどのようにするのか? 認識論(Epistemology) やコミュニケーションをプロセスに還元して研究していた。それで、物事を見る枠組みを転換する技法がリフレーミングということになる。

 もちろん、リフレーミングが成功した結果、出来事や対象に対する<反応>も変わる。(一次的変化、二次的変化のレベルの違いはあるのだが)。<反応>は、一般意味論が<意味反応(Semantic Reaction)>といっているものだ。枠組みを変えることで、出来事や対象の意味が変わる。結果、それから起こる反応や気持ち(情動、感情)、振る舞いも変わるという理屈だ。もちろん、<反応>は大抵無意識レベルでの習慣のようになっている。そのため、単に意識でロジカル・シンキングやクリティカル・シンキングのようなことをやっても変化はしないのも興味深い点ではあるのだが。

 ここでは細かい技法のプロセスは書かない。が、経験を一旦プロセスに戻して再考してみる。そして、その経験を以下のような枠組みから再考してみるということになる。あくまでも一例だが・・・
 

  • 問題を機会として捉える
  • 弱みを強みとして捉える、あるいは強みとなる状況を探す
  • 直近では不可能なことを未来では可能なことと捉える
  • 距離の遠い可能性を距離の近い可能性と捉える
  • 反対意見、抵抗を中立な何かと捉える
  • 相手の不親切、無理解を理解の欠如と捉える
  • その他・・・

 
 もちろん、リフレーミングは、ポジティブ思考ではない。ネガティブをポジティブと単純な二元論で物事を見ているリフレーミングは大抵失敗する。やる気がいつもよい方向に行くとは限らない。また、やる気のあるバカほど厄介なものはないからだ。バカの定義については以下で書いた(笑)。

http://ori-japan.blogspot.jp/2014/10/blog-post_7.html

 だからある意味、悲観するわけでもなく、楽観するわけでもなく、最後は現実主義者として、現実やそれが起こっている状況を含むシステム自体を見るようにすることが重要だ。もっと、普通はこのシステム自体に自分が含まれるために冷静でいられないというのがそもそもの問題だったりするのだが。もちろん、逆の場合もある、本人は前向きで気持ち良いのだが、やり方がまずいので結果が出ないという場合だ。自己啓発にハマるのは大体このパターンだ(笑)。

http://ori-japan.blogspot.jp/2015/11/blog-post_38.html

 何れにせよ、気持ちよく、結果が出る行動ができるように、認知の枠組みを見直す、これがリフレーミングのゴールのように思えてくる。英語で言うと Congruence がそのねらいだということだ。家族療法家のサティアもこれを重視していた。ポジティブになるのがゴールではない。重要なことは Congruence で、ゴールに対して気持ちや行動が一致しているということだ。

http://ori-japan.blogspot.jp/2014/10/blog-post_11.html

 そのようなわけで、自分を含んだ問題システムに対して<メタの視点>に出てみる。人の振り見て我がふり直せではないが、自分の振り見て我がふり直せ、というようなシステムの外から自分を取り巻く状況を見てみるには<メタの視点>は必須だ。ここで自分がどのような枠組みでそれをやっているのか?枠組みを変えたらどうなるのか?を観察することになる。枠組みを変え、思考プロセスを変え、行動を変え、とシミュレーションしてみることになる。

 もっとも、良いブリーフ・セラピストやコーチがいればクライアントは意識する必要はないのだろうが、ここではそれなしで独力+<メタ認知>でやっているのでこういうことになってくる。自撮りではないが、自分で自分を<メタ認知>だ。紙にマインドマップでも書きながら自分の世界観を<メタ認知>しながらリフレーミングをやってみると良いのだと思う。

 そのようなわけで<除夜の鐘>ではないが、一つ一つの煩悩をシステム思考でニュートラルに観察するリフレーミングをやってみているところだ、人と比べて煩悩はそう多くないと、思ってはいるのだが(笑)。

 前向きになる必要もない。ポジティブになる必要もない。単にシステムの中で自分がどうだったのか?<メタの視点>に出て、ひたすら<メタ認知>するだけだ。

 余談だが、リフレーミングの結果得られる変化にもレベルがある。ウオツラウィックがロス・アシュビーを援用してつくった一次的変化(First-Order Change)と二次的変化(Second-Order Change)だ。以下にも書いたように<変化が変化する>二次的変化には艱難苦難(という少なくともその認識)が必要で、そのジレンマ、ダブルバインドからぬけ出すこと自体が大きな変化を導くと書いた。

http://ori-japan.blogspot.jp/2012/01/blog-post_23.html

 その意味では行き詰まりを感じている方ほど、大きな成果が得られるとも言えなくはない。だが、行き詰まりを感じている時は、目の前の対象ばかり、すぐ近くの対象ばかりが気になり、これを意識すればするほど、行き詰まっていくということにもなる。だから、<メタの視点>でもって自分をシステムの外から外在化してみるというのが一つのポイントになる。もちろん、行き詰った時は自分で<メタの視点>を持つことは難しいのだろう。だから、優秀でプロフェッショナルなブリーフ・セラピストやコーチが支援するという構図がここにあることになる。


 何れにしても年の暮れの区切りとして、翌年を一皮二皮むけた形で迎えるためのリフレーミングは重要なのだろうなと考えている。

そんな、こんなで2015年の年末は過ぎていき・・・・新しい年を迎える準備も進んでいる・・・・・
 
 
(つづく)

 文献

記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com
https://www.facebook.com/okirakusoken

0 件のコメント:

コメントを投稿