2016年6月15日水曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:ユーティライゼーションとメタファー


                                                                                                                              
 心理療法家のミルトン・エリクソンが活用した<メタファー>、現在は、<認知言語学>などの認知科学の枠組みがあるので、怪しくない形式で学問として取り組むことができる。

 さらに言うと、同様な条件下で同じことをすれば、ある程度の再現性が担保できるということでもある。もっとも、再現性もメタファー的で抽象度がより巨視的で固定されていなのが玉に瑕ではあるのだが(笑)。

     で、エリクソンの使ったメタファーは解決や変化のために使えるものは何でも使う<ユーティライゼーション>と結構関係がある。

 まじめに英語の学術論文を読んでみると、日本ではおなじみ<笑点>の謎かけをやりながらアブダクティブなロジックを駆使して、今の思い込みを超えて、問題に対する新しい反応や面白そうな解決方法を探しているのが<ユーティライゼーション>だと理解できる(笑)。

 <ひとりごと>



ユーティライゼーションとかけて謎かけととく、そのこころは?

  
  心理療法家のミルトン・エリクソンから派生した心理療法が今どのようになっているのか?

 一番手っ取り早く調べる方法は、学術団体「The American Society of Clinical Hypnosis」から出ている「American Journal of Clinical Hypnosis」を読んでみることだ。

 で、「善は急げ!」ネットに転がっていた「Men are Grass: Bateson ,Erickson , Utilization and Metaphor」を読んでみた。[1]もちろん、何が善なのかはよくわからないのだが・・・・(笑)。

   メタファー(隠喩)はアブダクションでもある。単純化すると2つ(以上)の要素の間にその要素の構造が同じようだという<関係性>を無意識に見出すロジックだ。ベイトソンは「男とかけて草ととく、そのこころは?」と謎かけをしたのだけれど、誰でも自分の無意識に沈んでいる世界観を浮かび上がらせるが如く、男と草の間に同一の構造を見出す。もちろん、認識主体の世界観が反映されるため、何か絶対の答えが出てくるわけではない。その人なりの世界観を反映した構造に構造を重ねた<関係性>が浮かび上がるということだ。

 上の論文ではメタファーの以下のような側面が強調されている。
 

1. メタファーは意識的な瞑想をしないでも<つながり>をたしかなものとする。
2. このような<つながり>は構造に構造をマッピングした形式でメタファーによりつくられる。
3. 直喩やアナロジーとは反対に、メタファー(隠喩)は違いではなく同一の関係をつくりだす。
4. 2つの物事が同一の構造やパターンだとみなすことは、2つが同じカテゴリーに所属するものだとみなすことより重要なことである。
5. <ユーティライゼーション>はメタファーの同一とみなす性質により、2つ以上の経験の捉え方をつなげるやり方におおいに依存している。

 
 メタファーは即興的で、より大きな関係性に気づくために使うということだ。

例えば、アナロジーは<釘>と<ネジ>との関係性というようなある意味直喩的な感じになるのだが、メタファーの場合は、<釘>と<焼肉定食>の関係性や同じ構造であるのは何か?と考えることで、より<おおきなパターン>や<よりメタな世界>の関係性を探求することができるということでもある。

http://ori-japan.blogspot.jp/2012/07/blog-post_17.html

 もちろん、唯一の正解はないのだけれど、道を歩きながら、気になった2つの物事の関係性について考えてみると、面白いアイディアや新しいやり方が浮かんでくることも多い。

 「黒柴犬とかけて、ペットボトルととく。 そのこころは?」とか。

「電車の遅延とかけて、ゆっくり流れる雲ととく。そのこころは?」とか、

とやってみる。

人によって答えは色々あるのだけれど、これを考えるだけだったら何も博士号を持っている必要も、うんこな自己啓発に高額なお金をつぎ込む必要も、スピリチュアルにかぶれる必要もない(笑)。

そして、答えにヒントを得て何かやってみることだ。何か面白い気づきがあるだろうし、運がよければミルトン・エリクソンの<ユーティライゼーション>に近づくことも可能なのだろう。少なくとも頑固で固定観念に凝り固まったこころの枠組みは柔軟になるだろう(笑)。

(つづく)

文献
[1]http://www.asch.net/portals/0/journallibrary/articles/ajch-50/50-3/roffman50-3.pdf

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