2016年6月20日月曜日

MRI ポール・ウオツラィックのレガシー


                                                                                                                               
 ITの分野なんか特にそうだが、だいたい<リューション>と言われるようなシステムを導入して、深く考えずに今の問題を無理くり解決しようすると、将来、余計大きな<問題>が起こるのだよねぇ(笑)。

 個人的には安直な<ソリューション>ではなく、人と人とのコミュニケーションの力を信じたい。

 <ひとりごと>



コミュニケーションは相互作用

  カリフォルニア州パロアルトにある心理療法の研究機関であるMRIの研究員であり、スタンフォード・メディカル・スクールでも教えていたポール・ウオツラィック(1921-2007) は、オーストリア生まれのためか残存の映像のほとんどがドイツ語だ。もちろん、英語の字幕版もあるのでドイツ語が分からなくても理解するのには困らない。[1]

  MRIの短期療法、あるいは家族療法について、あえて2分法的に考えると、ミルトン・エリクソンを研究したジェイ・ヘイリーのように現状から理想をどのように達成するかという<戦略性>について強調している人たちと、ウオツラィックのように家族や個人間のコミュニケーションの<相互作用>の中での問題解決について強調している人たちに分けられるようにも思えてくる。もちろん、この2つは単純に分けられないのだが敢えて分類すると、ということだ。

   そのため、ウオツラィックらはコミュニケーションの相互作用についてはこだわりがあるように思える。<コミュニケーションの5つの試案的公理>でも有名であり、個人的にも活用しているこの公理もそのこだわりの一つだ。ウオツラィックは構成主義を取るので、コミュニケーションは生き物であり、創発的に生成発展するというような立場だと思われる。その意味、ここからウンベルト・マトゥラーナのオートポイエーシス論にもつながってくる。

 http://ori-japan.blogspot.jp/2011/08/blog-post_08.html

  もちろん、この試案の元になっているベイトソンはニューギニアの<中央集権的ではない>イアトムル族のフィールドワークを通して人間関係のシンメトリカルとコンプリメンタリーな関係を取り出した。が、ここに上下関係が入ってくると、ここにメタ・シンメトリカルとメタ・コンプリメンタリーが入ってくるので結構面倒でもある反面、ほどんどの人間関係を記述できるようにもなる。だから日本の会社における上下関係や同調圧力のような関係も記述することができる。

 さて、個人的には、ウオツラィックを信奉するウオツラキアンと言うには信心が足りないのかもしれないが(笑)。ウオツラィックの公理や理論は好みだ。その理由は、家族という単位だけではなく、企業組織やプロジェクト組織にもこの理論が応用可能で、実際に使ってみると案外使い勝手がよいからだ。

  その証拠にプロジェクトマネジメント普及の非営利団体であるPMIから出されているChange Management の理論はウオツラィックらのコミュニケーション理論に基づいている。

  http://ori-japan.blogspot.jp/2013/12/blog-post_7.html

 日本のプロジェクトマネジメント有識者の中ではまだ普及していないところだが、学んでおいて損はないと思われるところである。

 さて、Youtubeにウオツラィックの映像が転がっていたのだが、コミュニケーションの公理やコミュニケーションの語用論のころを考えながら視聴してみるのもよいのだろう。




(つづく)

文献
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