2016年7月1日金曜日

ミルトン・エリクソン派心理療法の仮定と情緒的雰囲気


                                                                                                                             
     ミルトン・エリクソンのコトバは深い・・・・・

 <ひとりごと>



結局変えられるのは<関係性>だけ?

  心理療法家ミルトン・エリクソンはビデオの中で言っている。

http://ori-japan.blogspot.jp/2016/06/blog-post_56.html

 (エリクソン)「さて、催眠それ自体が何かをするということはありません。しかし、催眠はうまくいくための好ましい(情緒的)雰囲気をあなたに与えてくれます。

 エリクソンが言っている<雰囲気> Climate とは何かという疑問が起こる。

  Googleに聞くと、イヴ・リップチックの論文の中に以下ような記述が見つかる[1]。個人的にはリップチックと聞くと、<家族療法>と<オートポイエーシス>しか思い浮かばないのだが、彼女の論文を読むととてもよいことが書いてある。


心理療法が適用される情緒的雰囲気
セラピストのスタンス
・裁かない
・受容する
・期待する
・安心させる
・対立しない
・理解しようと努める
クライエントのスタンス
・未知の恐怖
・裁かれる恐怖
・希望が持てない
・やる方ない
・自己、他人への怒り、不安、猜疑
セラピストの焦点
・クライアントの見ている状況
・現在と将来
・否定的なことに対する例外
・よいこと、強み
・<あれもこれも>[2]
クライエントの焦点
・自分だけの視点、世界観
・過去
・否定的な問題
・ミスと弱み
・<これか、あれか>

 Climate とは、要は、セラピスト/クライアントのスタンスと焦点のことだ。もっと言うとセラピストとクライアントの<関係性>の話ということになる。最初に両者間にラポールを築くも重要だろう。

 で、単純化すると、クライアントが自分のスタンスと焦点について<今以外のスタンス、今以外の焦点>があると気づく支援から始めるのが、エリクソン派心理療法の要諦ということになる。

 もちろん、エリクソンはこの関係性を変えるスパイスとして<催眠状態>を活用していることもあるのだが、これは単なる手段であって目的ではない、ということも理解できるだろう。

 さて、不親切なことでもあり、親切でもあるのだが、ミルトン・エリクソンは自身では体系を残していない。だから、エリクソンのフレームワークは弟子たちがそれぞれ独自につくったものだ。この点は頭に入れておくことが必要だ。

それで、リップチックがエリクソンから学んだことは以下だ。



ミルトン・エリクソン派のセラピストの仮定(イヴ・リップチック女史の視点から)


  1. ひとり一人のクライアントは唯一無二の存在である。
  2. ひとり一人のクライアントは強みと自助努力のための資源(リソース)を生まれつき持っている。
  3. セラピストはクライアントを変えることはできない:唯一変えられるのはクライアントとどのように協力するかの関係だけ。
  4. すべての人は、情緒的安定を得ようと努力している。
  5. 感情・情動は(事実)認識よりも優位にたつ。(マインドフルネスの有効性を示唆)
  6. 過去は変えられない:今しゃべているコトバ(あるいは枠組み)を変えることだけが未来を変えることができる。
  7. すぐ実行できる解決策の効果はゆっくりやってくる。
  8. 全てがまったくダメだということはない。ダメな中にも事実としてうまくいっていることはある。
  9. 変化はいつも起こっており避けられない:一つの小さな変化が、その後連鎖して起こるより大きな変化を導く。
  10. 最もよい解決策はゆっくりやってくる。
 人はだれでも強みや問題解決、あるいは将来を思い描いて夢を実現するリソースを生まれつき持っている。問題は自分でもそれに気づいていなことだ。

 問題は持っていないことではなく、持っているのに気づいていないことだ。だが、クライアントが教えたり、強要するのではない。結局、クライアント自ら気づかなければ何もならないということだ。セラピストはこれをあくまでも間接的に支援するだけということになる。

(つづく)

文献
[1]http://www.ijsfp.com/index.php/ijsfp/article/download/25/31
[2]http://ori-japan.blogspot.jp/2016/06/blog-post_56.html

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