2016年7月24日日曜日

家族療法の教科書


                                                                                                                             
 心理学と言うと、個人に着目して、性格判断や占いのようなことだと思いがちだ。

 使えないコーチングのタイプ分けなど、この最たるものだろう。もちろん、すべてのコーチングが使えない、と言っているわけではない。

 一方、家族療法は、家族をひとつのシステムとみて、個人と個人、個人とシステムの関わりの中で何か問題が起きていたり、課題があると見立て、<関係性>に介入する。

 これは、人類学者でサイバネティストのグレゴリー・ベイトソンの言った「The pattern which connects .」(結ばれあうパターン)そのものだ。システムを生き物だと見て、色々なことを<関係性>に還元して観察し介入するのはそもそもセンスがよい。


 <ひとりごと>



組織のチェンジ・マネジメント?そうだ家族療法を学ぼう

   個人的に多くのビジネス上のプロジェクトに従事してきた。現在の多くのプロジェクトの前提は、一人ひとりが優秀で、ピラミッド型の組織をつくり、コマンド&コントロールの命令形態で<組織を動かす>といったピラミッド建設の時代から変わっていない非常にオールドファッションドなやり方が未だに行われているところがある。

 ただ、こういうやり方は<変化>に弱い。理由は、ウィリアム・ロス・アシュビーの「最小多様度の法則」[1] を引くまでもなく、組織を堅固にすればなんとかなると思っているからだ。内部に外部より多様性を持っていないと外的変化には対応できない。やはり自律的に学習する組織にならなければ変化には対応することが難しい。これはサイバネティクス理論が明らかにしていることだ。

 某銀行の超大型プロジェクトが破綻しそうだ、というニュースに接すると、「さもありなん」という確信が強くなる。ルールを厳密に決めてピラミッド型の組織でコマンド&コントロールを厳密にやっているようでも、不測の事態が連発すると、自律的に解決できずに組織がスタックするという状態はどこにでも起こる。一般的に、困難なところで柔軟性を欠きコマンド&コントロールを厳密化すると、心身の調子を崩す人も多くなる。

 別の事例もある、定型業務をこなす流通業、仕組みが古臭い上に人が足りない、個々人は益々忙しくなる、人が辞める、個々人は益々忙しくなる、人が辞める、会社自体がブラック企業化する。でも、個人で優秀でも大きな流れを変えるのは困難だ。

 もちろん、組織が変わるためには、安直にルールを変えるということも考えられるが、本当はプロジェクトや実務を通して組織自体が学習することで変わる必要がある。もちろん、現状が悪い意味で<学習しない組織>になっていることも考えられるのだが、この場合はかなりマイナスからのスタートになる。プロジェクトを通したチェンジ・マネジメントの話については[2]で書いた。理論的な背景は、パロアルトのMRIの家族療法、短期戦略療法知見が使われている。

 結論を急ごう、組織のマネジメントでは家族療法の知識はやはり必須だ。役に立つ、というは話ではなく、知らないとリクスが増大する。

 さて、家族療法と言えば、個人的には、1985年にミルトン・H・エリクソン財団の後援で実施された< Evolution of Psychotherapy>[3] の心理療法の各流派は現在どのように生成発展、あるいは衰退しているのか?が気になる。それで、「TEXT BOOK OF Family and Couple Therapy」[4] をゲット。乱読し始めたところだ。時間が少しでもあれば乱読して、色々やってみる。これが自分のスタイルだから今更変えようはない(笑)。
  




内容は、家族療法を、1)理論と技法、2)アセスメント、見立て、3)子供、大人の家族療法、4)婚姻に関する心理療法、5)異なる症状に対しての家族療法、6)家族療法の研究成果、といった形式で、理論、技法、応用と説明していることになる。伏線としてのシステム理論は、第一世代としてのベルタランフィの一般システム理論、第二世代としてのウィナーのサイバネティクス、第三世代としてのベイトソンのシステム理論となっている。また、グレゴリー・ベイトソンとミルトン・エリクソンは本書でも家族療法に最も影響与えている人物として、主役級の扱いとなっている。

 その意味で、個人的な自己認識は<エリクソニアンの皮を被ったベイトソニアン>なので非常に興味のあるところだ。もちろん、心理学大学院を出ているわけではないので、病理には深入りせずに、単なるマネジメント・コンサルタントの立場から、システムとしての組織に対してどのような介入ができるのか?という視点で<酒のつまみ>として読み進めている次第だ(笑)。

(つづく)

文献
[1]https://en.wikipedia.org/wiki/Variety_(cybernetics)#The_Law_of_Requisite_Variety
[2]http://ori-japan.blogspot.jp/2013/12/blog-post_7.html
[3]http://ori-japan.blogspot.jp/2016/07/blog-post_4.html
[4]https://www.amazon.com/Textbook-Family-Couples-Therapy-Applications/dp/0880485183/

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