2016年7月3日日曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:修羅場を愉しむ力


                                                                                                                             
 ハーバードは、リーダーは育成できると主張している。
 だって、リーダーが生まれつきだと商売あがったりだから(笑)。

 で、修羅場に強い人間は育成できるか?
 答えは、できる。
 こっちはエリクソン派がエビデンスで示していることだ(笑)。

 <ひとりごと>



レジリエンスとは修羅場を愉しむ力?

  少し昔、某省の予算で行う人材育成系のプログラム・マネージメントを2年ほど担当した。[1] その時のコンセプトの一つは「修羅場に強いリーダーを育てる」だった

 今風に言うと、「レジリエンス」の高い人材を育てる、もう少し社会的なことを考えると「レジリエンス」の高いチーム/組織を育てる、ということになるだろう。その時の方法論は、読みが浅いと自動的にジレンマやダブルバインドに入るような「修羅場のシミュレーション」の状況設定を行い、そこからぬけ出す方法を考え目的達成までやり抜くことで自己効力感を高めるようなケーススタディをいくつもやっていただいた。もちろん、かなりロジカルにやっていたので、課題とは関係ない不条理な『地獄の特訓』を行えば良いというのではまったくない。

 これが1日や2日で出来るわけではない。仕事と並行しながら延べ4〜6ヶ月ほどやっていただくことで、体におちた習慣として修羅場に強い人材になっていただこうというコンセプトでもあった。

 受講後、受講生が戻った派遣先企業の上司から、「部下が一皮、二皮も向けた」とご報告いただいたことも多かった。もちろん、全受講者がそうではないが(笑)、一応効果も定量的に検証している。

 それで、「修羅場に強い人、チームをどう育てるのか?」というのは個人的なテーマでもある。

 さて、心理療法家のミルトン・エリクソン亡き後、その財団の理事をやっているジェフリー・ザイクのプレゼンテーションを読んでいた[2]。

 テーマは「レジリエンスを高める」超訳すると、修羅場に強くなる。このスライドの中でレジリエンスの特徴、言い換えれば修羅場に強い人の特性が書かれている。もっと言うと、ストレスの高い修羅場でもこんな特性が発揮できているということだ。

  •  (病気、事件、事故、失敗からの)素早い立ち直り
  •  柔軟性
  •     創造性
  •  自己効力感(エフィカシー)と自制心
  •  支援を求める能力、人脈
  •  強く目的を意識、意味を見出す能力
  •     やり抜く力
  •     肯定的な結果を思い描く力
  •  やり抜いたことを思い出す力
  •  他人に成功したやり方を教える力
  •  適切に自分をまもる力
  •  試行錯誤からの学びを将来に活かせる確信
  •  元氣になる力

 もちろん、ミルトン・エリクソンを継承するエリクソニアンは、レジリエンスを高めるための具体的な技法を持っているのがミソでもある。ここでは細かいことは書かない。でも本質は非常にシンプルだ。[3] もちろん、この中のほんのひとつの<催眠>は単なる手段であって目的ではない。あくまでも目的は、クライアントが自分が修羅場にいて途方にくれていても、クライアント自らなんとかできる、なんとかなる、と考え、クライアント自ら行動していくことを支援することでもある。自立して自走する支援であり、共依存はご法度だ。

 そんなわけで、現在は自分の方法論に占めるエリクソニアン・アプローチの割合は結構高い。次回、けっこう大掛かりな人財育成を行うとしたらエビデンスベースドでのエリクソニアン・アプローチのてんこ盛りになるのは予想に難くない(笑)。

   さて余談だが、自分の従事したこのプロジェクトの結末はというと、専門職大学院が2つできた。で、面白いことにこれとは分野は違って理系になるが、ひとつは心理療法家のミルトン・エリクソンを病的なほど好きな人を大勢輩出している某大学にだ(笑)。その意味では関係ないようで、世の中は色々なところで恐ろしいほど腐れ縁つながっている、ような気がする(笑)。もちろん、縁が腐れてはいけないので<発酵>といったほうが適切なのだろうが。

 何れにしても、世界が壊れていく時代、修羅場を愉しむ力というのは非常に重要だ。これを達成するひとつの技法としてエリクソニアン・アプローチが有効だと、個人的には考えている。
 

(つづく)

文献
[1]http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/113/soukatsu.pdf
[2]http://jeffreyzeig.com/download/sws/resilienceExerciseWithFilmMakerTechniques.pdf
[3]http://ori-japan.blogspot.jp/2016/06/blog-post_10.html

記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com
https://www.facebook.com/okirakusoken

0 件のコメント:

コメントを投稿