2016年7月4日月曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:エリクソンの去った後に


                                                                                                    
     1980年に心理療法家のミルトン・エリクソンが亡くなる。

 1985年にエリクソン財団の後援で第一回 Evolution of Psychotherapy が開催。

 当時のスーパースター級の心理療法家がアリゾナ州フェニックスに集まった。

 この会議の意義は、<理論家の時代の終焉>と<実践家の時代の到来>の宣言。

 それと、技法の統合。Jazz のメタファーを借りると「フュージョン」の時代の到来。

 心理療法家ではなくても、こういうのは参考にすることは多い。
      
 <ひとりごと>



エリクソンの去った後に

 心理療法に限らず、 一般の企業でも同じかもしれない。

 「理論やうんちくやイデオロギーはいいから、実際にどうするのか? 何ができるのか?」「ここで有効な手立ては何か?」「それをやってみよう!」

 こういう場面は多々ある。もちろん、脊髄反射的に<現象>にもぐらたたき的に反応するというのではない。<現象>の背景にある大きなループを見てシステムのレバレジポイントに働きかけるシステム論的な発想で物事の解決、変化を目指すということだ。

 もちろん、多くの人が心理療法家になるわけではないが、身の回り起きている問題、課題をシステム論な発想で解決を目指すことは可能だろう。

 

 物事をシステム論に解決すると言えば、心理療法家のミルトン・エリクソンが思い浮かぶのだが、エリクソンは1980年に亡くなってしまう。奇しくもエリクソンと親交を重ねた人類学者グレゴリー・ベイトソンが亡くなったのと同じ年に。

   その5年後の1985年、エリクソンの法事のようなノリで、エリクソン財団の後援で、第一回の Evolution of Psychotherapy が開催される。[1]  この時の後援やワークショップの内容は邦訳されており、個人的にはご近所の公立図書館で読んだ記憶がある。[2] 簡単に言えば、メジャー・リーグのオールスター戦のような様相を呈しており、当時のスーパースター級の心理療法家が勢揃いという感じになっている。

 それで、もっとも重要なのは以下のコンセプトなのだろう。


More importantly, there was the beginning of thinking that it was no longer a matter of either you were a Freudian or an Adlerian or a Jungian, but you maybe could be eclectic, taking what you thought was the best from many different apporaches---beginning to integrate them.

 
 要約すると、これまではフロイト派、ユング派、アドラー派だとか流派の違いばかりを気にしていたけれど、結局、重要なのはこういった理論的なことはより実践的な技法とその統合ではなかろうかと、そしてこれがその始まりだと。

 もちろん、参加者のほとんどの人間が博士号持ちであることを考えると、何か適当に技法をチャンポンすればよいなど夢々思ってはいないのだろが、発想として丁度、Jazz が伝統を把握しつつ Fusion の時代に突入したころとシンクロしていた面白いと思った次第だ。

 さて、現在日本ではちょっとしたアドラーブームが起きているような気がしないでもないが、個人的にはマネジメント・コンサルタントの実務家視点で眺めており、上のコンセプトと同じように、「で、使える技法にはどんなのがあるのか?」のようにメタの視点から少し冷ややかに見ているところでもあるのだ。

 「理論やうんちくは、もうお腹いっぱい」「使える技法が良い技法」

 個人的な嗜好には非常に合致しており、プラグマティックで米国ならではという気はしている。


(つづく)

文献
[1]http://www.blatner.com/adam/psyntbk/historypsychotherapy/hxpsytherapy1.html
[2]http://ori-japan.blogspot.jp/2014/03/211.html

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