2016年8月1日月曜日

コーチング、ファシリテーションにおける3つのレベルの質問


                                                                                                                             
 質問というのは案外深い。

 困った時は、まず認識論的な質問から始めることだ。

 <ひとりごと>



認識と意味と方法論!

  ミルトン・エリクソンから派生するブリーフセラピーなどを学ぶと、セラピストからクライアントにする質問は敢えてわけると主に3つに分けられるように思う。

 もちろん、<オープン・クエスチョン>とか<クローズド・クエスチョン>とかそういった低レベルの話をしているのではない。

 結論からいうと、①認識論的な質問、②存在論的な質問、③方法論的な質問の3つの質問だ。[1] 

 ①の認識論的な質問は、ベイトソン的にその物事をどの五感を使ってどのようなプロセスで認識しているのか?という質問だ。[2]

 例えば、「鈴木さんがあなたを嫌っているというのはどのようにしてわかるのか?」というような他愛もない質問だ。しかし、そのことをどのようなプロセスで認識して主観的な事実としているのか?と尋ねることは、普段どのように事実認識、つまり一次情報を処理しているのか?という認識プロセスの観点からは重要だ。まず、<事実認識>が上手くなる。また、自分がどのようなプロセスで事実認識しているのか?を<メタ認知>できるようになる。結果、<外在化>が上手くなる。余談だが、一般意味論の前提では「地図はそれが示す土地と同じではない」「地図はすべての土地を表していない」と関係が深い。[3]

 ②の存在論的な質問は、その物事、あるいは論考や推論からどのように意味をつくっているのか?という質問だ。哲学的な質問でもあるし、人工知能の場合は意味を認識する回路の開発と関係がある(例:Semantic Web のオントロジー)。

 例えば、「鈴木さんがあたなを嫌っていることはどんな意味があるのか?」とか「どんな不都合があるのか?」という具合だ。意味はいくつもの経験から一般化された枠組みと関係がある。今経験していることと、過去の経験からつくられた枠組みとが無意識に比較されて意味がつくられる。もちろん、意味を変えるためには、短期療法、家族療法の方法論であるリフレーミングなどを使う必要がある。[4]

 ③の方法論的な質問は、認識を変え行動を起こすためには、具体的にどのようにするのか?という質問だ。

 例えば、「鈴木さんがあなたを嫌っていることで職場で不都合を受けているとしたら、具体的に何をどうするのか?」といった質問だ。もちろん、それが具体的に機能するのか?については認識論的質問をする必要があるだろうし、それをやることが意味があるのか?については存在論的質問をする必要があるだろう。ソリューション・フォーカスト・アプローチではコーピング・・クエスチョンということになる。

 さらに言うと、ミルトン・エリクソンの場合は、こういったことを間接的なプローチで聞いていることだ。[5]   言葉のアヤだが「それって何か意味があるのですか?」と直接聞くと行間に「おれは全く意味があるとは思えないのだけれど!」というようなメタ・メッセージを伝えてしまうという恐れがあるからでもある。

 もちろん、上で述べた3種類の質問は、戦略のフレームワークに載せて使う必要がある。[6] もちろんここで目的が明示され、明示されたことの裏返しとして抵抗が生じる。

  ここで抵抗を減じるなり回避するには、ラポールをとる方法やここで書いたセラピストのスタンスや焦点の当て方が参考になるだろう。

 何れにせよ、単に質問すればよいというものでもないのだが、「その質問が機能したというのはどこで分かるのだろうか?」と困った時は、まず認識論的な質問をしてみるのがよいのだろう。逆に「それはどんな意味があるのか?」の認識論的な質問は、かなり親しくならないと難しい気もするのだ。


(つづく)

文献
[1]http://www.idi.ntnu.no/grupper/su/publ/html/totland/ch032.htm
[2]http://ori-japan.blogspot.jp/2012/01/blog-post_14.html
[3]http://ori-japan.blogspot.jp/2012/01/blog-post_14.html
[4]http://ori-japan.blogspot.jp/2015/12/2015.html
[5]http://ori-japan.blogspot.jp/2013/03/blog-post_12.html

記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com
https://www.facebook.com/okirakusoken

0 件のコメント:

コメントを投稿