2016年8月13日土曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:オリンピックとメンタル・トレーニング


                                                                                                                             
 目的によって、手段は違う(笑)。

 まず、その目的を達成するために、その手段が有効なのか?

 を検証することは重要なことだ。

 <ひとりごと>



エリクソンが何をやっていたのかは今でも謎だ!

   現在、リオ・オリンピックが行われていて、連日選手たちの奮闘が報告されている。純粋に競技観戦を楽しむのも一興だが、選手たちが物理的な練習の他にどのようなメンタル・トレーニングを実施しているのか?に思いを馳せるとより面白く観戦を楽しめるように思える。

 まず、個人的に思い出すのが1970年代のオリンピックで、心理療法家のミルトン・エリクソンが米国オリンピック代表のライフル射撃の選手たちに、命中率の向上を主な目的として、メンタル・トレーニングを実施した、という記事だ。[1]

 この時は米国代表が初めてソ連代表を破って金メダルを取った。

   「エリクソンは凄い!」と、ここで頭の悪そうな主張をするつもりはない(笑)。

 メンタル・トレーニングと結果にどれだけの因果関係や相関関係があるのか?をきちんと検証した論文がないので、本当のところ<効果>の真偽は不明だからだ。「ライフル競技で、高い成績を上げるクリティカル・サクセス・ファクターは何か?」[2] 「それは生まれつきなのか?」「練習で身につけられるのか?」とか、「試合での集中力と試合での因果関係は?」とか。考え始めるときりがない。

   一般的に、スポーツに関するメンタル・トレーニングは「勝てば官軍」で、トレーニングと結果の間の因果や相関がきちんと分析されない傾向にあるので注意が必要だ。

 エリクソンの思想と技法を継承するエリクソニアンのジェフリー・ザイクが「物理的な練習をしないでメダリストになった人間はいない」と書いているのも一興だ。[3] メンタル・トレーニングは結局、物理的な練習を補完するものでしかない。

 さて、Wikipedia に Sports Hypnosis という項目がある。[4] 学術論文もリンクされていて結構本格的だ。要は、スポーツ関係のメンタル・トレーニングに臨床催眠を使おうということなのだが、ある意味目的が明確になっている。催眠を取り入れる目的は以下だ、

  • 選手の目的(意識)の強化
  • 不安の解消
  • リラックスした状態をつくる
  • ストレスへのマネジメント力強化
  • 集中力の向上
  • 恐怖心の低減
  • 投げやりな状態の低減
  • 身体の痛みのコントロール
  • モチベーションの向上
  • 身体感覚の敏感さの向上
  
 一般的に、試合前に不安を感じないで、練習も試合もやる気満々で、自分やチームの勝利を疑わず、試合中、恐怖を感じないで、投げやりにもならず、ひたすら目標に向かって集中しているのが良い、と思われている。本当にここに因果や相関があるのか?と言われると個人的に統計的に検証したことはないので実のところは不明だ。

 もちろん、競技は運不運もあり未来の勝利は確率的にしか表すことができない。ただし、上の目的に沿ってうまく検証すれば多少はわかってくることもあるように思う。

 もっとも、結論はチクセントミハイが言うフローな状態や、ゾーンと呼ばれる心身状態に入る手段があればとりあえずよい、というようにも思えてくる(笑)。[5] もちろん、心理的にフロー・スケールが高い状態で一番物理的なパフォーマンスが出ているのは本当か?という疑問はあるが。少なくとも、フロー・スケールが高い状態では本人が気持よくプレイできているということには違いないのだろう(笑)。で、エリクソン的な催眠がフローに入る手助けになると・・・。[6]


(つづく)

文献
[1]https://books.google.co.jp/books?id=NzgVCwAAQBAJ&pg=PA409&lpg=PA409&dq=milton+erickson+olympic+Rifle&source=bl
[2]https://www.usashooting.org/library/Instructional/Rifle/jan_feb_2010_rifle.pdf
[3]https://books.google.co.jp/books?id=qet_AAAAQBAJ&pg=PA460
[4]https://en.wikipedia.org/wiki/Sports_hypnosis
[5]https://en.wikipedia.org/wiki/Flow_(psychology)
[6]http://www.zoneofexcellence.ca/Journal/Issue06/Hypnosis.pdf

記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com
https://www.facebook.com/okirakusoken

0 件のコメント:

コメントを投稿