2016年8月14日日曜日

リフレーミングを機能させるためには?


                                                                                                                             
 ある言葉を別の言葉に置き換えるだけではリフレーミングになんかなるわけないじゃん(笑)。

 <ひとりごと>



リフレーミングは結構深い

  物事を<動的プロセス>か<関係性>に還元して見てしまう、個人的な癖だ。それで、この見方で、短期療法・家族療法で使われる技法の一つであるリフレーミングについて思考を巡らせていた。[1][2] 余談だが、最初にリフレーミングと命名したのはMRIのポール・ウオツラウィックらだと言われている。

 人は、自分のいくつかの経験から<枠組み>をつくる。要は、「○○した時は、いつも☓☓となる」という類のものだ。もちろん、ある人は幾つかの事実から推論して論理的に<枠組み>をつくる。また、ある人は誤認したことから<枠組み>をつくる。後者は思い込みとか言われるものだ。何か出来事が起こると、それをこの枠組みに照らして、反応が起こる、具体的には、情動が沸き起こったり、何か不作為な行動をしたり。一般意味論ではこのことを<意味反応:Semantic Reactions>[3]と定義している。ほとんどの場合、この反応は無意識に起こる。だから、気合や根性だけでは如何とも対処し難いところがある。

   もちろん、この情動や行動が不都合な場合、それを変えるためには、<枠組み>の転換が必要となる。これを行う技法がリフレーミングということになる。で、振り出しに戻ると、個人的にはリフレーミングの<動的プロセス>と<関係性>が気になる。ある言葉を別の言葉に置き換えるだけの偽リフレーミングが機能しない本当の理由がわかるからだ。

 短期療法・家族療法とは多少毛色が違うがCBT派生の弁証法的行動療法(DBT)ついて書かれた「Relational Engagement and Borderline Personality Disorder」[4]を読んでみた。

   興味深いことが書かれている。
 

In eff ect,  cognitive  restructuring  uses  a  positive  feedback  loop  to  promote  change.  Another  cognitive  restructuring  technique  is  examining  thoughts  logically,  and  reviewing  the  rationale  and  effectiveness of behaviors (Brown, 2006). 

事実上、認知の再構築では変化を促すためにポジティブ・フィードバック・ループを使う。別の認知の再構築の技法は、思考を論理的に調べ、論理的根拠と振る舞いの効果を評価することである。


  余談だが、アルバート・エリスが一般意味論の創始者であるアルフレッド・コージブスキー・メモリアル公演で行った、「General Semantics and Rational-Emotive Therapy」[5]は結構お気に入りなので、かなり乱暴だが REBTもCBTも個人的には一般意味論をメガネをかけて見ているところがある。
 
  さて、ここでは、「Cognitive restructuring = reframing」と読み替えている。で個人的には、前者がCBTやクリティカル・シンキング的な対処で後者が短期療法・家族療法的な対処だと考えている。で、興味があるのは前者の(サイバネティクス)のポジティブ・フィードバック・ループを使うということだ。要は何かの目標に対して偏差が広がる方向でループを回す必要がある。ちなみに、クリティカル・シンキングは飽きるくらいやったのと、対人で使う場合、論理的な人しか通用しないのが玉に瑕なところはある(笑)。

 で、話を戻して「ポジティブ」という言葉が誤解を受けるなら、システム思考でいう<自己強化型ループ>で認知-行動のプロセスを回すということになる。短期療法が言っている「うまくいっていることがあるなら、それをもっとやれ(DO MORE)」[6]といういうことの意味が腑に落ちてくる。SFBTの例外探しも、スケーリングもサイバネティクス的にはポジティブ・フィードバック・ループで回さなければならないということだ。

    疑問が出てくる。ここに、どんなサイバネティクスのモデルを持ち込むか?ということだ。結論からいうと、「学習する組織」のトリプル・ループ・ラーニングのモデルだ。[7[これによって、リフレーミングは個人から組織まで適用可能になる。ベイトソンの学習理論[8]やアージリスの「推論のハシゴ」とも親和性がよいと思われる。

 


 トリプル・ループ・ラーニングの詳細はここらへんで書いたのでここでは説明しない。

    結論を急ごう、リフレーミングはどのように機能するのか?

 ひとつは、現状にただ反応するだけではなく、自分や組織が仮定(Assumptions)していること、あるいは、その文脈(Context) や状況をメタ認知しながら、<現場>にいって<現物>を触って<現実>を直視しながら、そこから、<いつもと違っている、起こって欲しい例外>がどのような<プロセス>や<関係性>で起きているのか?を観察し、行動(Actions)として<DO MORE>の試行錯誤を繰り返すことで、現在の枠組みから飛び出して、新しい枠組みが獲得され新しい行動が行われる、ことになる。

 こうやって考えると、「たかがリフレーミング、されどリフレーミング」。案外、深いことだところに行き着く。
 

(つづく)

文献
[1]http://changingminds.org/techniques/general/reframing.htm
[2]https://en.wikipedia.org/wiki/Cognitive_reframing
[3]http://communication.ucsd.edu/_files/Berman%20-%20Advanced%20General%20Semantics%20Workbook%20Part%202.pdf
[4]http://www.jemh.ca/issues/v8/documents/JEMH_Vol8_Article_RelationalEngagementandBorderlinePersonalityDisorder.pdf
[5]http://www.generalsemantics.org/wp-content/uploads/2011/04/gsb-58-ellis.pdf
[6]http://ori-japan.blogspot.jp/2014/07/blog-post_7.html
[7]https://en.wikipedia.org/wiki/Learning_organization
[8]http://epubs.surrey.ac.uk/1198/1/fulltext.pdf

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