2016年8月29日月曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:ポール・ウオツラウィック


                                                                                                                             
 学生の頃、テストの当日だけはちょっとだけドイツ語がわかった時期があった(笑)。

 <ひとりごと>



解決の試みは、問題継続の試みと同じである

   Youtubeに米カリフォルニア州パロアルトにある心理療法の研究機関であるMRI(Mental Research Institute)に在籍したポール・ウオツラウィック(1921-2007) [1]の講義の音声がアップロードされていたので備忘録代わりに少々書いておく。ウオツラウィックはオーストリア=ハンガリー帝国が崩壊した(1918)の少し後に生まれた。後に米国に渡るが、母国語はドイツ語。そのため、英語を話している映像は少ない。つまり、英語を話している映像は希少性があるように思える。

   さて、人類学者でサイバネティストのグレゴリー・ベイトソンが形をつくり、1959年に正式に発足したMRIの研究員たちはミルトン・エリクソンの技法を主に①コミュニケーションのやりとり、相互作用、②戦略性、の2つの側面から研究した。

 心理療法家のミルトン・エリクソンを学習しようと思うと、なぜか理由も理解せずに、<催眠>を学びはじめる人が多い。もちろん、宴会芸として学ぶのなら構わないのだろうが、人の思考や行動の変化を支援し、何らかの問題解決を考えているとしたら、非常にセンスの悪いやり方だ。催眠だけを学んでも人の思考や行動がどう変化するのか?原理原則が分からないからだ。では、どうすれば良いのか?上で書いたように、まずは、サイバネティクスの枠組みを当てて、エリクソンの技法をコミュニケーションや戦略性の視点から観察してみることだ。ウオツラウィックの著作として適切な状況設定と介入があれば催眠状態はなくても変化は起こるとした著作がある。[2]

 さて、Wikipediaのウオツラウィックの項目を読むと、以下のようなことが書かれていて興味深い。
 

Watzlawick believed that people create their own suffering in the very act of trying to fix their emotional problems. 
ウオツラウィックは、感情的(情動的)な問題を治すために試みる様々な行動が、人それぞれの悩みをつくっている、と信じていた。

 
   世の中、「解決の試みが継続する→問題の状態が継続する」という悪循環に陥っていることは多い。その人の主観的な経験の中で、「頑張っても、頑張っても、状況は悪いままだ、あるいは、どんどん悪化する」いうことが起こっている。これを解決するには、問題が起こっているシステムの外に出てメタ視点からそれを眺めてみるしかない。しかし、視点が低いからその悪循環が起きているわけで、それがまた悩ましいというわけだ。

 まず、問題の起こっている時の視点を、システムの外に出すにはどうするのか?というのが一つのテーマとなる。

 さて、Youtubeにウオツラウィックが珍しく英語で講義をしている音声がアップロードされており、MRIで何をやっていたのか?のオーバービューが語られていたのでリンクしておく。


とりあえず、1/9だけ。

 余談だが、クライアントのメタ認知力を高めて、視点を問題の起こっているシステムに出すには?という観点からミルトン・エリクソンの技法を併せて見てみると面白いだろう。[3]

(つづく)

文献
[1]https://en.wikipedia.org/wiki/Paul_Watzlawick
[2]https://www.amazon.com/Art-Change-Strategic-Hypnotherapy-Behavioral/dp/1555424996
[3]http://ori-japan.blogspot.jp/2016/08/195811.html

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