2016年8月6日土曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:SFBTのエビデンス


                                                                                                                             
 藁にもすがる思い

 こんな時だからこそエビデンス・ベースド・アプローチが必要だ。
    
 <ひとりごと>



ミッション・クリティカルな分野だから道具にはこだわる

  最近の心理療法のトレンドとして「効果は統計に基づいて検証されていなければならない」というのがある。要は、「エビデンス・ベースド・アプローチ」とか「エビデンス・ベースド・プラクティス」と言われるような統計的証拠に基づいたやり方だ。[1]

 これに関連して、個人的にはベイトソン大好き人間でもあるので、複雑なシステムを観察する時は二重あるいは多重記述すべし、というのを心に留めている。簡単に言うと、①自分で試して、②相手に試して、③いくつかの事例をメタ分析しなさい、というようなやり方だ。[2]   これで、その手法がある条件で、誰が試しても、誰に試しても人によらず有効化どうか?を統計的に検証することができる。

  それで、ネットに転がっていた「Systematic review of Solution Focused Brief Therapy (SFBT) with children and families」というタイトルのドキュメントを読んだ。[3] 

 簡単にいうと、心理療法家のミルトン・エリクソンやMRI(Mental Research Institute)派生のSFBT (Solution Focused Brief Therapy)を家族関係、特に子供の虐待などにつかって効果があったかどうかをエビデンス・ベースドで検証している。
 
 興味深い点はいくつかある。

  • 英国教育省が重たい腰を上げていること。
  • 手法としてSFBTが使われていること。
  • SFBTが個人ではなくて家族療法として使われていること。
  • 効果がエビデンス・ベースドで検証されていること。

 それで、このレポートがまとめられた背景には英国で2007年に発生した「ベイビーP」と言われている幼児が両親に虐待されて亡くなったという痛ましい事件が背景にあると書かれている。[4]

 つまり、ここで子供と家族と書かれているが、ある意味、親が子供を虐待しているような家庭になんとかSFBTのような手法でカウンセリングなりを行い子供の虐待を止めてもらおうというのがこの伏線にあり、お役所や地域コミュニケーションとして何が出来るのか?というかなりシリアスなレポートでもある。

 もちろん、藁にもすがる状況だから、いい加減な方法論でも大丈夫、というわけにはいかない。また、現場で有効に機能するできるだけシンプルな方法でなければならない。シンプルで効果のある手法が求められる。やはりミッション・クリティカルだからこそきちんとした統計に基づく効果検証が必要だということでもある。

 レポートは2011年くらいのものだが、最近、英国はEUからの離脱を決め、英連邦王国がこれから解体の方向に向かっていくことが予想される。そういった社会システムを反映した家族の崩壊、ということがあるのかもしれない。難民の流入に悩まされ、治安の悪化ということがあるようにも思われる。


 それで、統計を見る限りでは、家族の問題を解決するのに有効だという結果も見られるので、このあたりの報告については引き続き注視していきたいところだ。詳細はレポートを・・・

 まとめは、きちんとしたエビデンス・ベースドでエリクソン派生の方法論が検証されて、かつそれなりに役に立ちそうだというのを読むと、ちょっとは嬉しい気分になってくる。 


(つづく)

文献
[1]https://en.wikipedia.org/wiki/Evidence-based_practice
[2]https://en.wikipedia.org/wiki/Meta-analysis
[3]https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/184113/DFE-RR179.pdf
[4]https://en.wikipedia.org/wiki/Death_of_Baby_P

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