2016年9月22日木曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:セラピストとクラアントとの関係性は?


                                                                                                                             
 コミュニケーションのスキル、

 ミラーリング、ペーシング、マッチング、

 ただし、関係性に介入できないで終わるのは単なるノータリン(笑)。

 <ひとりごと>



セラピストとクライアントの関係性は?

  備忘録として書いておく。

グレゴリー・ベイトソンに学ぶ》別に心理療法をやっているわけでも、やりたいわけでもないが、ベイトソンが処女作「Naven」で観察した人や組織の関係性は①組織のマネジメント、②コーチング、はたまた③個人的な人間関係の構築・維持および縁切り(笑)などに適用可能で、その応用範囲は限りなく広い。だから、これを学んでいる、ということになる。

以前書いた記事の続きだが、エリクソニアンのジェフリー・ザイクの著作にベイトソンを引いたヘイリーを引いた以下の説明がある。[1]ここから話を始めたい。おばぁちゃんと孫の対話だが、へりくだったおばぁちゃんが孫を振り回しているような会話が前段にある。

(訳は適当)


While Grandma presents herself in a clearly one-down role, she is, however,controlling and defining the relationship in much the same way as a one-up person might. Bateson described this position as metacomplementary ( Haley, 1963).

おばぁちゃんは、(孫より)一段下手に出ているにもかかわらず、一段上手に出ている人と同じように関係を決めて制御している。ベイトソンはこの立ち位置を「メタ・コンプリメンタリー(メタ相補)」と表現した(ヘイリー, 1963)。

A metacomplementary bind occurs when a person goes one-down in order to get one-up. It is a bind because these individuals do not experience themselves as one-up.All symptoms are to some extent metacomplementary binds. In traditional psychiatric nomenclature, this process is known as `secondary gain.'

メタ・コンプリメンタリーの拘束は、ある人が一段下手に出て、相手を一段上に押し上げた時におこる。これは拘束である、理由は(一段上に押し上げられた)個々人は、自分では押し上げられたと気がついていないためだ。これは伝統的な精神医学の用語では、このプロセスは「二次利得」として知られている。

 
別に日本だけの専売特許ではない》これは、日本語でいうと謙譲語のような世界だが、身の回りでも思いたることは多い。例えば、一段へりくだって旦那さんを立てているようだが、実は手綱をしっかり握っている奥さん。一段へりくだって社長を立てているようだが、実は仕事の日程と量をしっかり管理して社長を動かしている秘書さん。一段へりくだってお客さんを持ち上げながらも、しっかり自分の要求を通す営業・・・・・など事例にはことかかない。こういった関係は、なまじ喧嘩腰でくるわけではないので面倒臭い関係でもある(笑)。もっと笑うところはベイトソンは相手に要望を聞いてもらうために強権を発動しない一つのやり方としてこんな関係はお見通しだったということだ。また、心理療法家のミルトン・エリクソンは一段へりくだって自分を振り回そうとするクライアントに対して関係を変えることなく上手に対処していた、ということになる。

関係は変化する》ベイトソンはサイバネティクスを持ち込んでこんな関係を取り出したが、この関係にも限度はある。行き過ぎると関係は壊れてしまうことになる。ここでは、関係が壊れるプロセスと壊さないようにするための打ち手はそのうち書くことにする。興味があれば調べてみるとよいだろう。

 《プロのクライアントに振り回されるな》上と同じザイクの著作におなじようにヘイリーを引いた以下の説明がある。[2] ここではクライアントがセラピストから一段へりくだった状態で、いつものようにセラピストを振り回そうとする、というのが前提となっている。セラピストは面倒臭いプロのクライアントに振り回されないようにするにはどうするのか?相手を一段へりくだったままにしておいて拘束を受けないようにするのはどうするのか?がここでのテーマとなる。もちろん、この技法は、一段へりくだって旦那さんを持ち上げながらもしっかり手綱を握っている奥さんとの関係で主導権を少しでも引き戻そうとしている旦那さんにも応用可能だ(笑)。


5) To therapeutically control the relationship: Patients often learn maladaptive, manipulative and self-defeating relationship patterns. Anecdotes are an effective tool that can be used in controlling the relationship so that the patient is kept in a "one-down" complementary position (d., Haley, 1963).

関係を治療的に制御するために:患者はしばしば、不適合や巧みな操作、それに自己破壊的な関係のパターンを学ぶ。逸話は、患者が「一段へりくだった」相補的位置に保持されたままで、関係を制御するのに使用することができる効果的なツールである。

Such a tactic by the therapist can be therapeutic for some patients who are rigid and who have problems being comfortable and effective when in a one-down position. Through the use of anecdotes, they can learn something about being secure although in a one-down position in a relationship.

セラピストによるこのような戦術は一段へりくだった立場で、抱えている問題が効果的で快適だと思っている頑ななクライアントに対して治癒的に作用する。逸話を活用することで、クライアントは一段へりくだった立場にいるにもかかわらず自分の立場が安全であることを学ぶことができる。

Anecdotes can keep a patient "off balance," so he/she cannot use habitual methods to control relationships. Through the use of anecdotes, patients can become secure in the knowledge that there is someone that they cannot manipulate with their symptomatology.

逸話は、患者が不意をつかれた状態にしておくことができる、そのため患者は関係を制御するいつもの方法を使うことができない。逸話を使うことをとおして、患者は彼らの症状を使って彼らを操作する人が居ないということが分かって平静を保つことができる。

 
エリクソンの逸話について、Youtubeを参照すると以下のようなものがみつかる。逸話の内容は、物事を先送りをしていた同僚マックスの話だ。


どのような関係性のもとで話されたか?》 ここでは、話の内容というより、例えば、クライアントがエリクソンより一段へりくだったメタ・コンプリメンタリーな関係にある場合に、何の意図を持ってクライアントに話したのか?を想像力を働かせて考えてみるのも面白いのだろう。何が話されたのかより、どのような関係性のもとでそれが話されたのかを考えることで、色々なものが見えてくるようにも思えるのだが。


参考:心理療法におけるメタファーの活用
http://ori-japan.blogspot.jp/2013/11/blog-post_4.html

(つづく)

文献
[1]http://bscw.rediris.es/pub/bscw.cgi/d4523270/Zeig-Injunctive_communication_relational_dynamics.pdf
[2]https://www.hypnosisalliance.com/articles/Ericksons%20Use%20Of%20Anecdotes%20-%20A%20Teaching%20Seminar%20With%20Milton%20Erickson.pdf

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