2016年9月24日土曜日

家族療法の系譜:実験的家族療法


                                                                                                                             
 「人類の限界に挑戦!」

 そんな時代の実験的家族療法。

 今はコンプライアンスがきつくて、そんな実験は難しい(笑)。

 <ひとりごと>



実験的家族療法

  備忘録として書いておく。

ウィタカーとサティア》心理療法の一派として「家族療法」[1]がある。エビデンス・ベースド・アプローチが取られているのと、現在でも大学などで継続されて研究されている手法の一つだ。個人的には組織マネジメントの理論・技法として平和利用させてもらっている(笑)。家族療法の一流派でウィタカーとサティアにより行われた「実験的家族療法」についてのよくまとまったスライドが公開されていたのでリンクしておく。




実験的家族療法のはじまり》実験的家族療法は、1960年代の人間回帰やヒューマン・ポテンシャル・ムーブメントを背景にし、①ゲシュタルト療法、②サイコドラマ、③エンカウンター・グループなどを背景として登場した心理療法だ。ここで、重要な役割を果たすのがカール・ウィタカー(1912-1995)とヴァージニア・サティア(1916-1988)の2人だ。個人的には観光でサティアが教えていたカリフォルニアのエサレン研究所にも立ち寄ったことはあるのだが、現在は「人間の限界に挑戦」から「癒やしまったり」系に変わったというのを昔ワークショップに参加したことがあるという複数人から聞いた。このようなワークショップは、1960年代「人類を月へ送る」「俺たちに限界はない!」のような少しクレージな時代に、すこし頭のネジの外れた人たちによって「人間の限界に挑戦!」のようなノリで行われていたというのは頭の片隅に入れておく必要があるだろう。

ある意味大雑把》ある意味、この学派の特徴は大雑把だ、家族に存在する根本原因は、「感情の抑圧」にあると考える、相手に対して自分の弱みをさらけ出すことで、相手はあなたに対して慈愛を示す、みたいな考え方だ。で、理論ははっきりしないがエンカウンター的なエクソサイズをグループでやってみる、自分の弱みをさらけ出す、相手はそれを受け止める・・・・。大雑把に言えばこんな感じで、やっていることも大雑把だ。だから、大雑把な人には合っているだろう。大雑把だから自己啓発にも取り入れるのが容易だ(笑)。エンカウンターをやたら大人数でやっているのが、なんたら〜・ロビンズ(笑)。自分の秘密を相手と共有することで、つながりができたような錯覚に陥る。実施の効果より、自分を認めてもらう集団に対して宗教のようにはまっていく性質があるのは要注意だ。

代表的なエクソサイズ》この流派の代表的なエクソサイズは以下のようなものがある。詳細はスライドの説明を参照。

  • 家族スカルプティング
  • 家族パペットインタビュー
  • 動物への回帰
  • 家族アート療法
  • 家族お絵かきガッチャンコ
  • プレイセラピー
  • ロールプレイ
  • ゲシュタルトの技法(エンプティ・チェア)
サティアはサティア・カテゴリーの見立てはやっていたようだが[2]、単に実施する分にはあまり頭を使わないものばかりだ。もちろん、最終的なゴールは楽しむことではなくて、彼らの定義する、自分の副人格であるパート(Parts)同士の調和(Congruence)と家族の調和ということになる。

 この副人格同士の葛藤を調整するエクソサイズとしては「Parts Party 」という名前で知られているが、このあたり[3]と読むと詳しく書いてある。もっとも、簡単いうと単なる弁証法的なアプローチということになる。もちろん、最近はこれをパクったNLP(Neuro-Linguistic Programming)の連中のほうが偉そうにしているので、こちらのほうで知られているのかもしれない。

   何れにしても、大雑把の中にも緻密さを求めるような方向で行かないと単なる自己啓発のクソゲーに陥るように思えてくるのが心配な流派ではある(笑)。

(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2016/07/blog-post_20.html
[2]http://ori-japan.blogspot.jp/2016/06/40.html
[3]http://www.psychotherapy.net/data/uploads/5113e4b6b7d5d.pdf

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