2016年9月25日日曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:NLPのエビデンス


                                                                                                                             
 「効くんだって」の都市伝説だけでは、

 「実際に効果があった」の統計で検証している本流からは

 永久に相手にされない(笑)。

 <ひとりごと>



人心理療法としてのNLP?

  備忘録として書いておく。

  もちろん、個人的には心理療法家というわけではない。単に情報を収集しているだけで、特定の技法を推奨するつもりもないことは予めお断りしておく。

NLPのエビデンス》ネットには情報があふれている。いい加減な情報から、統計的に検証されたある程度の確度を持った情報まで様々だ。

 この中で確度をもったほうの情報として、米国NCBIに掲載されていたのでリンクしておく。

 この情報の内容は、カナダ医薬品・医療機器検査機構が2014年に出版した「Neuro-Linguistic Programming for the Treatment of Adults with Post-Traumatic Stress Disorder, General Anxiety Disorder, or Depression: A Review of Clinical Effectiveness and Guidelines」[1]だ。

 簡単に言うと、大人の①PTSD、②不安障害、③鬱の3つの病状について、NLP(神経言語プログラミング)は効果があるのか?の検証、それとセラピストはこの手法について活用するべきか否かのガイドラインがあるか?についての情報が提供されている。

結論の要約》結論は以下のようになっている。要は、検証しようにもなぁ〜にも学術的に書かれた論文がないので検証しようがない。逆にいうとはなっから都市伝説だけでひっぱる作戦なのだろう(笑)。『証拠がないからといって、利かないということではない』は、論理学の「悪魔の証明」であって詐欺のロジックにしかならない(笑)。


There was no clinical evidence identified on NLP for the treatment of adults with PTSD, GAD, or depression. No guidelines on the use of NLP on patients with PTSD or GAD were found. 

NLPの成人に対する、PTSD、不安障害もしくは鬱に対する治療についての臨床的エヴィデンスは同定されていない。PTSD、もしくは不安障害についてのNLP適用のガイドラインも存在しない。

One SIGN guideline on non-pharmacologic treatments for depression reported that no evidence specific to depression and meeting guideline inclusion criteria was identified for NLP. 

鬱病に対する非薬理学的治療上の1つSIGNガイドラインは、NLPに対する鬱病と面接ガイドラインの採用基準に特定の証拠は同定されなかったことを報告した。

Even though NLP has been suggested for a wide variety of psychological conditions, there are limitations in clinical evidence validating its assumptions. 

NLPは多種多様な心理的なの状態改善のために提案されているにもかかわらず、その仮定を検証する臨床的証拠は限られている。

Reviews and dissertations on NLP have agreed that there is little evidence that NLP interventions improve health-related outcomes in patients with speech anxiety, social anxiety, panic disorder, phobia, or PTSD.

NLPを取り上げた論評および学術論文では、NLPの介入がスピーチ不安、社会不安、パニック障害、恐怖症、またはPTSDの患者における健康関連の成果を改善することについて、ほとんど証拠がないことに合意している。

14–19 In summary, given the lack of available evidence, NLP validity in the treatment of PTSD, GAD or depression is difficult to ascertain.

14-19章の要約として、入手可能な臨床的証拠は限られており、NLPのPTSD、不安障害、鬱病の治療に対する有効性は確認困難である。

 
効果を証明するのは大変だ》このあたりの研究ではCBTが先行していることは認識している。それで、ある技法が既存のCBTより効果があると証明するためには①個別の検証(二重盲検などを含む)②先行事例より効果があることを示す③他の人による追試、④メタ分析、みたいな流れで検証し、先行の方法論より効果があると示さないといけない。このあたりは人の命がかかっていることもあるので責任重大だ。で、その意味ではNLPは、はなっから真面目に検証するのを放棄している、ということにもなる。

 これが今後どのように影響するのは不明だが、効果検証がなされていないことは、少なくとも、現在、病院や公共機関や教育の分野ではNLPが用いられていない大きな理由の一つとなっているのは確かだ。そうなると、結局は自己啓発やセラピーもどき、コーチングなどの分野へ押し出されて行かざるを得ないのだが、個人的には覚めた目で生暖かく見守りたいところだ(笑)。

余話として》同じエリクソン派生のソリューション・フォーカスト・アプローチの場合は、一例として「Effectiveness of solution-focused brief therapy: a systematic qualitative review of controlled outcome studies」[2]というのが見つかる。CBTののっている土俵にやっと幕内下位番付で対戦する権利を得たくらいの位置づけなのだろうが、今後には期待したいところだ。個人的には、ゴルゴ13ではないが、プロの使用に足る検証された道具を使いたいというのはある(笑)。

(つづく)

文献
[1]http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK254043/
[2]http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmedhealth/PMH0056400/

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