2016年10月10日月曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:ミラノ派家族療法


                                                                                                                             
 個人的にこういうのは非常に好みだ。

 組織や家族を〈生き物〉として扱う方法論としてマネジメントにも使えるし、

 ベイトソンのシステム論の実装形態の一つだし(笑)。

 <ひとりごと>



A difference that makes a difference ?

  備忘録として書いておく。

ミラノ派家族療法》Wikipedia によれば、ヘイリー&マダネスの家族療法、MRI、ミラノ派、ナルドネの短期戦略療法は、何れもミルトン・エリクソン、ドン・ジャクソンからの派生で分類としては「戦略派家族療法」でくくられる、というようなことが書いてある。[1]  細かい違いはおいておくとして、タクソノミー的には結構近い親戚という認識では間違いないのだろう。

 さて、ミラノ派に関連してカール・トムのエッセーがある。[2] この中で4つの質問の種類について言及されている。①直線的質問、②円環的質問、③戦略的質問、そして④再帰的質問となっている。普通、質問と言えばおおよそ①の直線的質問で前提に直線的な因果関係だけしか考慮されていない。しかし、②は前提として組織を構成する人の間の円環的な因果が考慮されている格好になっている。③は、現状とゴールの差異を明示する質問。④は、思考について思考する自己再帰的な質問となる。で、ミラノ派の道具立てはこの4つの質問となる。

 で、円環的質問については、「Circular Questioning: An Introductory Guide」[3]が関係にまとめられていて分かりやすい。ここでは家族の構成員の①違いを意識してみる、②関係性を記述する、質問が紹介されている。

 もちろん、円環的質問はベイトソンの「A difference that makes a difference.」が情報の定義である、というところから出発しているわけだが、UKの大学の先生が、これは誤解だ[4]と主張しているエッセーも存在しているので併せて読んでおきたいところだ。

 で、円環的質問を使ったもっと体系的インタビューについては、「THE EVOLUTION OF CIRCULAR QUESTIONS: TRAINING FAMILY THERAPISTS」[5]に詳しいが、真面目に読んでいくと、家族から見てセラピストは中立的に見えていないといけない、とか色々おもしろいことが書いてある。

 もちろん、ミラノ派は家族や組織が問題を抱えていても、その家族や組織は資源や復元力を元々から持っており、セラピストは一人ひとりに質問して、違いを明示し、人間関係や外部環境との関係に新しい意味をもたらすことで、システムとしての家族や組織をもっとよい状態にきっかけをつくっているに過ぎないと考えているようなところが面白いところではある。もっと有り体に言えば、一人ひとりが自分のバカを改めてもっと世の中をシステムとして見るような認識論を養うということでもある。

 まぁ、これくらいやってはじめてベイトソンは「可」か「良」くらいの点数をくれたのだろうなぁ、と考えるわけだ(笑)。ベイトソンがNLP(神経言語プログラミング)になぜ「不可」を出したのかを考えると、それはそれで深いところに気づいてくる。

(つづく)

文献
[1]https://en.wikipedia.org/wiki/Strategic_Family_Therapy
[2]http://www.familytherapy.org/documents/Interventive3.PDF
[3]Circular Questioning: An Introductory Guide
[4]http://www.cs.bham.ac.uk/research/projects/cogaff/misc/information-difference.html
[5]http://www.aamft.org/members/familytherapyresources/articles/86_jmft_2_113_128.pdf

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