2016年10月11日火曜日

ファシリテーションの技術:ミラノ派家族療法を応用する(その1)


                                                                                                                             
 ファシリテーションで最も重要なことは<中立性>。

 カリスマ性とか卓越性とかより重要なことだ(笑)。

 <ひとりごと>



〈中立性〉は重要だ

  備忘録として書いておく。

企業研修等に応用可》ミルトン・エリクソン+MRI派生のミラノ派家族療法は家族や組織を対象に実施する心理療法の形態だ。で、ミラノ派の「THE EVOLUTION OF CIRCULAR QUESTIONS: TRAINING FAMILY THERAPISTS」[1]のガイドラインを読んでいて、大学院を修了して就職し、研修後、右も左も分かっていない時に、対顧客で糞マニアックな技術系の企業研修をやらされた時のことを思い出した。そう嫌でもなかったので、それから5年もそういう仕事に従事することになった(笑)。

 経験上、自分が暗黙的にやっていたことをまとめてくれているという意味で、ミラノ派家族療法のファシリテーション手法は、心理療法だけではなく、企業や団体における特定のグループから意見を引き出したり、問題を定義したり、問題の解決策を考える時に活用できる方法だと確信できる。

 この方法論が「よく考えられている」と思うのは、ガイドラインの中の以下のような記述を読んだ時だ。ここでは、セラピストをファシリテーター、家族をどこかの企業の部署のメンバーと読み替えていただいてもよい。
 


抵抗を回避する》ここでは、『問題に対する認識』(各メンバーが問題だ、課題だと考えていること)、あるいは、『関係性』(各メンバー間、あるいはその他利害関係者や出来事との)、『パタン化された反応』(他のメンバーや出来事などに対する問題に関係する反応)を収集することがはじめのねらいとなる。

 しかし、まず重要なのはそれぞれのメンバーから抵抗を受けないことだ。できるだけよそ行きではない普段の状態にセラピストがすぅ~と入っていく。これには中立性というのが重要ポイントとなる。もちろん、抵抗を逆手にとる方法[2]もある。が、ここではまず中立な立場になろうということだ。

役割は中立な何か》もちろん、ファシリテーターが専門家ぶって何らかの知識をぺらぺら披露することでも、何か説教じみた話を始めることでもない。ましてや、家族の特定のメンバーと仲良くなって別のメンバーを攻撃しはじめるということでもない。余談だが、逆に過度に期待をもってもらわないほうがよいところもある。何か奇跡が起こるわけでもない。

平等に発言してもらう》さて、一般的に、グループのファシリテーションを行うと、一見積極的に発言し始める人、声の大きい人・・・こういう人が目立ちはじめる。もちろん、こういう人だけ相手にしているのであれば別にファシリテーターは必要ない。こういった人だけではなく、寡黙な人、ただうなずいているだけの人、こういった人も巻き込んで、同じように発言してもらう機会をつくるという意味でファシリテーターの役割は重要だ。

 話にくいこと、など休息時間に個人的に質問してくる人もいる。こういったことも許可を得て、他のメンバーに共有するか、ご自身で話してもらうようにお願いすることが必要となる。

 まずは、ファシリテーターは中立的な立場を取る。そして、送りバントのように地味な技をコツコツくりだす。グループの風通しはよくなってくるし、少しづつ何かが変わり始める。
観察、施策構築のためのメタの視点》追記:支援メンバーの解釈が案外ポイントだ、このあたりで書いたけれど、通常ミラノ派の支援メンバーはワンウェイ・マジックミラーの後ろにいて<メタの視点>でセラピストに何か示唆を与えることになっている。また、その後ろにさらに<メタのメタ視点>で見ている専門家を配置するというのが正式な形式だ。その意味、ミラノ派がMRIを継承して、いかに中立な視点が大切か?を認識していた証左でもあるのだろう。一般的な企業のファシリテーションとしてもやはりこういった純粋な中立な視点を持つ努力というのは大切だ。

(つづく)

文献
[1]http://www.aamft.org/members/familytherapyresources/articles/86_jmft_2_11
[2]http://ori-japan.blogspot.jp/2016/07/blog-post_14.html

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