2016年10月13日木曜日

ファシリテーションの技術:ミラノ派家族療法を応用する(その3)


                                                                                                                             
 三人寄れば文殊の知恵。

 本当は、一発屋的アイディアが欲しいわけではなくて、

 試行錯誤から学びつづける組織が欲しいのだよなぁ(笑)。


 <ひとりごと>



セラピストが鏡になって反射させる360°フィードバックか?

   備忘録として書いておく。

ブレストとは似て非なるもの》ミルトン・エリクソン+MRI派生のミラノ派家族療法は家族や組織を対象に実施する心理療法の形態だ。で、ミラノ派の「THE EVOLUTION OF CIRCULAR QUESTIONS: TRAINING FAMILY THERAPISTS」[1]のガイドラインを読んでいた。

一次情報と二次情報》情報には一次情報と二次情報がある、と言われる。一次情報とは自分がその現場で見聞きし、実際に経験した情報、二次情報とは誰か他の人から聞いたり文字として読んだ情報だ。で、一般的には一次情報は二次情報より取得に手間がかかるが、二次情報より数段上の価値がある情報とされる。

 確かに、時間が無限にあれば、自分で現場に出向き、そして実際に経験してみるほうがよいだろう。行ってもあまり意味がなかった、という経験の中にも何らか価値のあることが見つかるはずだ。しかし、物理的な制約も大きいし、どこにでも行くと言うわけにもいかない。例えば、家族といった小さな組織にしたって、お父さんが仕事に行ってい見聞きして経験していることと、子供が学校に行って見聞きしていることをそれぞれ実際に自分で経験してみるというのはかなり制約があることだろう。つまり、案外簡単なことでも一次情報取得のために経験することは難しいのだ。

地図は土地かもしれない》ただし、人はコトバでコミュニケーションを行うことができる。もちろん、コトバは知覚や認知を混乱させる原因になることは一般意味論を引用して書いた。[2] しかし、コトバのコミュニケーションを通して自分の目や耳や体の拡張し現場においたと想像してみることは可能なはずだ。お父さんはクラスの何人かの子供から話を聞けば学校で起こっていることを把握することはそう難しくないはずだ。仕事の場面でも正確に書かれた報告書はこういった要件を満たしているだろう。その意味、二次情報にしても、事実認識、そして解釈を色々な人と共有するのは非常に有効なはずだ。その意味、空中戦で地に足がつかないアイディアをぶつけあうブレストとはモードが違うはずだ。

 こういったことを家族でやろうというのがミラノ派の家族療法の「円環的質問」ということになる。実際には、セラピストが中立的に行う「円環的質問」を通して、自分や他のメンバーに新しい視点を持ち込み、世界観を拡張し、結果、問題の解決を試みてみようという意図で使われることになる。余談だが、セラピストは本当は現場で一次情報を観察するところから始めたほうがよいのだろうが、この場合は家族の構成員からもらった二次情報を上手く他の構成員と共有することでこれを達成しようとしているのが、この手法の面白いところだと思うわけだ。

 で、具体的には以下な感じになる。




 このあたりで関連のことを書いたが、ミラノ派が前提としているのは、クライアントとなる家族の「関係性」を観察し、「関係性」に間接的に介入する手法を持っていることだ。その意味、ある意味局所最適的に個々人のタイプ分けのようなことは一切行わず、セラピストは中立の視点をとってまったく中立に家族の構成員を平等に扱う点だろう。組織を扱う場合、これが全てではないがひとつの答えであることには違いないのだろう。


 3.〈質問自体が間接的な介入〉というところを読むと、この手法の出発点でもある人類学のグレゴリー・ベイトソンの視点から見た心理療法家のミルトン・エリクソンがクライアントの抵抗に上手く対処していたのか?考える必要があるだろう。エリクソンの技法はどうしても戦略的だ、そのため抵抗が生まれるこの話はこのあたりで書いた。そしてエリクソンは間接暗示を上手くつかった。もちろん、ミラノ派のやり方はクライアントとなる家族に指示や命令を行うのでなく、質問して自ら気づいてもらうというのが抵抗を抑えるやり方になる。




 余談だが、ちょっと気になってネットに転がっていた「THE KEY ELEMENTS OF DIALOGIC PRACTICE IN OPEN DIALOGUE: FIDELITY CRITERIA」[3]というエッセーを読んでいたのだけれど、ミラノ派派生の円環的質問はオープンダイアローグに取り入れられているのだなぁと、どうりでデジャヴだなと思った次第(笑)。

(つづく)

文献
[1]http://www.aamft.org/members/familytherapyresources/articles/86_jmft_2_11
[2]http://ori-japan.blogspot.jp/2011/09/blog-post.html
[3]https://www.umassmed.edu/globalassets/psychiatry/open-dialogue/keyelementsv1.109022014.pdf

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