2016年10月14日金曜日

ファシリテーションの技術:ミラノ派家族療法を応用する(その4)


                                                                                                                             
 達人は、トンカチで1回叩いただけで何かを直す。

 凡人は、達人の見よう見まねで叩くが、何も起こらない。

 そこではじめて、凡人は、どこをどう叩くのか?

 を見立てている達人の膨大な努力に気づく(笑)。
 
 <ひとりごと>



介入はシステム論的な仮説に基づく

  備忘録として書いておく。

ミラノという土地柄》ミルトン・エリクソン+MRI派生のミラノ派家族療法は家族や組織を対象に実施する心理療法の形態だ。で、ミラノ派の「THE EVOLUTION OF CIRCULAR QUESTIONS: TRAINING FAMILY THERAPISTS」[1]のガイドラインを読んでいた。

 余談だが、一般的に「ミラノ派」と言えば、15世紀末から16世紀前半に栄えた絵画の学派だ。さらに1500年前後にレオナルド・ダ・ヴィンチが活躍した拠点でもある。現在は、イタリアの自動車メーカー「アルファ・ロメオ」の拠点であり、アルファ・ロメオのエンブレムにルネッサンス期にミラノを治めたヴィスコンティ家の紋章が採用されているのは有名な話だ。もちろん現在同社はトリノを拠点にするフィアット社の一部門であり、資本のグローバル化を受けて米国GMのグループ企業となっている。以前、個人的に所有していたランチアもこのグループに属する企業となっている。そんな訳で、「完璧」を是とする日本の職人気質とは少し違った「大人の余裕」を是とする職人気質のイタリア風味も(雨の日は調子が悪い、のような)「可用性」が問題にならないところでは嫌いではない(笑)。

 さて、ミラノ派の家族療法は、人類学者のグレゴリー・ベイトソンらが心理療法家のミルトン・エリクソンを研究した成果がイタリアに渡り進化したような学派であるが、それがルネッサンス期に栄えたミラノだったというのは非常に興味深い。タンポポの種のようにベイトソンらの研究成果は世界中に伝播したはずだが、種が成長し花が咲いた場所の一つがミラノだったということだ。

介入は仮説ベースで

 心理療法家のミルトン・エリクソンの話を始めると、ネットにある「催眠導入すれば、すべてOK」のような情報が非常にスジの悪い誤解だ、ということに気づいてくる。もちろん、そうでないことは、エリクソン自身が「催眠はそれ自体何もしません」[2]といっている話を引用して書いた。

 結局、通常のビジネス上のコンサルティングではないが、きちんと観察し、見立てを行い、仮説を立て、そして介入を実施するということが重要だということだ。ただし、より全体論的なシステム論の仮説をもとに介入を行う必要がある。

 人類学者のグレゴリー・ベイトソンはグノーシス派を引用して、無生物の世界をプレローマ、生物の世界をクレアトゥーラと区別した、つまりここで介入しようとしているシステムは機会論的な機能主義に還元できる無生物ではなく、生き物としての家族や組織ということになる。当然、家族はオートポイエーシスと見る必要があるわけであるが、こういったことを前提に含むミラノ派の無駄な格好良さというのがここにある。まぁ、レオナルド・ダ・ヴィンチを産んだ土地柄が影響しているのかは分からないが。

 で、介入の話になる。







おそらく、通常のビジネスコンサルティングの介入との違いは、ビジネスコンサルティングが直線的な因果関係を前提しているのに対して、ミラノ派は円環的な因果関係を前提にしていること。また、ビジネスコンサルティングは無生物を成果物に何かをつくることが多いが、ミラノ派は生き物としての自己復元力を高めるような方向でつくられていることに気づいてくる。

(つづく)

文献
[1]http://www.aamft.org/members/familytherapyresources/articles/86_jmft_2_11
[2]http://ori-japan.blogspot.jp/2016/07/blog-post_1.html

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