2016年10月20日木曜日

ファシリテーションの技術:ミラノ派家族療法を応用する(その9)


                                                                                                                             
 《情報》ってどうやって認識されるのだろう?

   なんらか比較になるモノサシと比べた時なのだろうなぁ〜(笑)。
 

 <ひとりごと>



違いがつくる違い

  備忘録として書いておく。

違いがつくる違い》10年以上前のことだ。転職支援会社から英国系の金融会社を紹介されたことがあった。転職する気はなかったが、支援会社の外国人の担当者と面接した後、ノコノコと、この英国の会社に面接に行くことになった。要は何事も実践だ。赤坂あたりで、この金融会社の英国人らしきITマネージャと面接した記憶が残っている。英国人と思ったのは、米語ではなく英語を話していたからだ。

 さて、一般的に、金融系では、システムの障害がそのまま金銭的損失につながる。だから、障害復旧についてはかなりシビアだ。障害が直接の原因となって人が死ぬことはないが、命の次の次くらいに大切なお金が失われると人はピリピリしはじめる(笑)。そんなことを前提とした質問だ。

   で、 一つのお題は、こんな感じだ。

英国人「ユーザの一人が端末に情報が表示されないと報告している、どうする?」

おいら「ユーザが障害の第一発見者になるようなシステムは最悪だ。そもそもそんなシステムは組まない」

英国人「いやいや、そうじゃない。障害はもう起きてしまっている」

おいら「じゃぁ、何が障害か具体的に調べる」

英国人「どうやって?」

おいら「まず、ユーザに障害の現象、いつからそうなのか?を聞く」

英国人「うん、それから? 端末は1台だけじゃないよ」

おいら「じゃぁ、他に動いてない端末があるか?範囲を確認する」

英国人「うん、それから?障害は1台だったとすると?」

おいら「物理層から論理層へ向かって正常なのと異常なのを比較する」

・・・・・・・・・

おいら「要は、A difference that makes  a difference なんでしょう?」

英国人「ほほぉー、そのとおりだが(笑)」

・・・・・・・・・・・・

ITと家族療法の相違》 さて、心理療法家の ミルトン・エリクソン+MRI (Mental Research Institute)派生のミラノ派の家族療法がやろうとしているのもこれと同じようなことだ。

  実は、ITシステムのトラブルシュートとミラノ派の家族療法が似ているは実は不思議なことではない。理由はどちらもサイバネティックス[1]、具体的には、ITが第一次サイバネティックス、この家族療法が第二次サイバネティックスを基に組み立てられているからだ。[2][3]ちょっとマニアックな話は、このあたりで書いた。

   例えば、ITシステムでは「プロトコル・アナライザー」を突っ込んでシステムの通信のやり取りを調べる、ミラノ派家族療法では「コミュニケーションの思案的公理」[4]で人と人との言語、非言語のやり取りとその影響を見る。ゴールを現状復帰におくか、理想の追求かの違いはあるが、驚くほど、一致いているのは偶然ではないということだ。

 そう考えると、ITエンジニアやネットワークエンジニアは既に優秀な家族療法家にもなれる素養を備えていると言えるのだが、おおらく普通の「心理学」のように、心を差異や相互作用によって引き起こされるものと見ていない人間には気付かないことなのだろう(笑)。

   逆にITエンジニアやネットワーク・エンジニアを多く抱える企業は、サイバネティックスをベースにしたマネジメントについて考えてみるのもありだろう。どうやったら新しいシステムのアーキテクチャーがつくれるのか?と同じ発想でどうやったら最適な組織を構築できるのか?を考える。

 システムの障害で、プロトコル・アナライザーを突っ込んでトラブルシュートする要領で、人間コミュニケーションを観察し、適切な介入を行う。そう考えると優秀なエンジニアを抱えた企業は人間関係もマネジメントできる潜在能力を持った人間の宝庫ということに気づいてくる。要は、人間に適用できるサイバネティックスな方法論に気づくか気づかないか?だけの差だ。

 さて、この金融会社の面接はこれで終了することにした。理由は、個人的に興味がなかったのと、当時やっていたアーキテクトの仕事をやめてまでサポート中心の仕事をする気は更々なかったからだ。ただ、何事も実践。それなりの学びはあったのは言うまでもない(笑)。

(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2011/08/blog-post_14.html
[2]http://ori-japan.blogspot.jp/2012/06/blog-post_27.html
[3]http://ori-japan.blogspot.jp/2016/08/blog-post_21.html
[4]https://en.wikipedia.org/wiki/Paul_Watzlawick

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