2016年10月24日月曜日

ファシリテーションの技術:ミラノ派家族療法を応用する(その12)


                                                                                                                             
 冷静に、システムで起こっている《現象》を二重記述、多重記述してみる。

 差異が差異を生み出し、

 システムの全体的な《関係性のパターン》が分かり始めてくる。
 
 <ひとりごと>



まず、イッシュ−からはじめよう

  備忘録として書いておく。

システム思考の練度》少し前に大手製造業のトレーニング・マネージャと話をした時のことだ。この人が面白いことを言っていた。

「うちは、問題の原因分析をする時、まず個人の責任追及は保留してはじめます」

 つまり、Aさんがミスをして問題が起こったとしても、BさんでもCさんでも同じミスをする可能性がある。だから、これはミスをチェックできないシステムの問題ではないか?と、問題の原因を個人の責任ではなくシステムに求める思考、行動パターンを取る、とのこと。つまり、この会社はシステム思考の練度[1]がかなり高い会社だ、ということになる。

 もちろん、細かいことを言えば、ベイトソンがグノーシス派を引用して、無生物をプレローマ、生物をクレアトゥーラと分けたように、対象とするシステムが無生物なのか?生物なのか?あるいは混在なのか?は分けて考える必要があるだろうが、大まかな考え方として、何らかのシステムを対象として考えるのはよいことだ。

 反対に、いつも責任は個人にある、と考え、うっかり文化が体育会系だったりすると、事実に基づかない精神論に終始し会社はブラック化することになる(笑)。

さて、本題。

現象は問題ではない》心理療法家のミルトン・エリクソン+MRI派生のミラノ派の家族療法で面白いのは、随所に人類学のグレゴリー・ベイトソンの仮説や理論が組み込まれていることだろう。この技法が家族の組織としての課題、問題を質問することろから始めているのも偶然ではない。

 家族に、「今、何が問題、課題なのか?」と尋ねるところから始まる。ただし、ほとんどの人間は普段それほど深いシステム思考をしているわけではない。つまり、ほとんどの人は五感で捉えられるシステムの現れとしての《現象》自体が《問題》と思ってしまう。そして、《現象》に一々反応して、もっと大きなシステムのパターンを観察することに失敗してしまうことになる。だから、その《現象》もずっと繰り返される。いわゆる「モグラ叩き」の状態がこれにあたる。

 逆にいうと、ミラノ派の質問は、家族にもう少し大きなシステムを見てもらって、《現象》に一々反応するのではなく、まずは外在化[2]してもらって、冷静な気持ちで何が問題なのか?家族構成員それぞれの視点から記述するところからはじめよう、ということがこの方法論の面白いところだ。

 もちろん、ねらいは以下だろう、

  •  事実に基づいた、問題、課題についての共通認識をもつ
  •  ただし、大きなシステムの《現象》としての《問題、課題》
  •  これを将来の変化への「踏切台」にする

二重記述、多重記述》ミラノ派の問題を探る円環的質問について工夫されているのは、ベイトソンの「A difference that makes a difference.」に基づいて二重記述、多重記述[3]の質問が家族に投げかけられることになる。

 二重記述、多重記述は、簡単に言えば、立場(自分、相手、メタ視点)や時系列(現在、過去、未来〈仮説〉)を比較して記述してみることだ。

 要は、差異から情報が創発的に生まれることになる。このあたりは、グレゴリー・ベイトソンと長女のメアリー・キャサリン・ベイトソンとの著作「Angels Fear」[4]に書かれていた。余談だが、この著書、個人的には自炊して電子化し EPUBフォーマットでコンピュータに英語で読ませて聴いているので案外楽チンだ。

 さて、具体的な質問は以下になる[5]、 












(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2013/10/blog-post_16.html
[2]http://ori-japan.blogspot.jp/2012/10/blog-post_12.html
[3]https://books.google.co.jp/books?id=7NKbCwAAQBAJ&pg=PA30
[4]https://www.amazon.co.jp/dp/0025076701/
[5]http://www.aamft.org/members/familytherapyresources/articles/86_jmft_2_11

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