2016年10月4日火曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:閉塞感を抜ける4つのバインド、ダブルバインド


                                                                                                                             
 (統合失調症的)ダブルバインドには、(治療的)ダブルバインドを当てる。

 お客の提案書に《偽の不条理》を入れて本当に読んでいるか?を

 確認する(爆)。

 <ひとりごと>



カウンター・パラドクスとしての治療的ダブルバインド

  備忘録として書いておく。

悩みとは?》国語辞典を引くとと悩みとは「こころの苦しみ」ということが書かれている。漢字をそのまま解釈しただけのような気もするが・・・。それで、こころの定量化は難しいだろうが、軽いのから、重たいのまで色々あるだろう。一番重たいのはおそらくベイトソンらが定義した(統合失調症的)ダブルバインド[1]の状態で、こっちにいっても、あっちにいっても結果は最悪、でもそこから逃げられない、という閉塞状態のようにも思えてくる。もっとも、《原因仮説》としてのこの理論も、これだけが原因?ということで怪しくなっているようではあるが。

悩みという変性意識》スティーブン・ギリガンのThe Legacy of Milton H. Erickson: Selected Papers of Stephen Gilligan[2]に以下のようなMRIの研究を引いた面白い記事が登場する。


 The ideas that paradoxical injunctions create altered states is rooted in the Bateson groups formulation of the double bind hypothesis(Bateson, Jackson, Haley, & Weakland ,1956; Haley ,1963)

   逆説的な禁止命令が変性意識を生成するというアイディアは、ベイトソングループが定式化したダブルバインド仮説に根ざしている。


  要は、(統合失調症的)ダブルバインドの状態にある場合、悩みという変性意識状態にあるという仮説だ。

カウンターパラドクス》この状態からどのように抜け出せばよいのか?答えは、パラドクスにカウンターパラドクスを当てるということになる。[3] MRIやミラノ派家族療法の研究者たちはそう考えた。で、この人たちが参考にしたひとつはミルトン・エリクソンの(治療的)ダブルバインドということになるだろう。まぁ、悩んだ時の禅問答の有効性を真面目に研究していた、というような構図ではあるのだが・・・・

 で、昨日のエリクソニアンのスティーブン・ランクトンの資料[4]へ続く、と多少強引な展開となる(笑)。で、この資料に4つの代表的なバインド、ダブルバインドの(言語)パターンが示されている。(これで網羅されているわけではない)余談だが、詰将棋のように完全に詰まっている状態から緻密にぬけ出す場合は大体 Double Bind(s) 、どこか逃げ道がある不完全な拘束は Bind(s)と表記されている。

  1. 可能な代案のバインド(Bind of Comparable Alternatives)
  2. 意識/無意識のバインド (Conscious/Unconscious Binds)
  3. 二重乖離のバインド (Double Dissociative Binds)
  4. 偽の不条理 (Pseudo Non-sequitir Binds)
  詳細は、[5]このあたりを参照いただくとして、以下に簡単に説明しておく。

可能な代案のバインド:これはクライアントに2から3の選択肢の中から1つを選んでもらうような形式のバインドとなっている。行動+どちらを選んでも結果は同じという仕立てで使うのがポイントとなる。例、「トランスに入るには、目を開けたままのほうがよいですか?目を閉じたままのほうがよいですか?」「顔のほうに上げてもらうのは、右手?それとも左手?どちらだろうと思っています」 もちろん、後催眠暗示の行動を示唆する形式でも活用できる。この場合は、バインドを崩して最終的に達成されるゴールを示唆するような形式で行う。

意識/無意識のバインド:「あなたの意識は(何かに気づいている)間、あなたの無意識は(ゴールを引き寄せている)かもしれない」という形式で用いる。例、「あなたの無意識があなたをトランスに誘いたいならば、あなたの右腕が上がるでしょう、そうでないならあなたの左腕があがるでしょう」「あなたの意識は適切なトランスのレベルはどういったものか?と思っている間あなたの無意識はあなたの望む深さのトランスを育んでいるでしょう」

二重乖離のバインド:複雑だが以下のフォーマットになる。「あなたの意識はXができる、その間あなたの無意識はYができる。そうでなければ、あなたの無意識はXができる、その間あなたの意識はYをしている」となる。例、「あなたの意識は適切なレベルのトランスはどのようなものか考えているかもしません、その間、あなたの無意識はあなたに必要なトランスのレベルを育んでいるのかもしれません。そうでなければ、あなたの無意識はレベルを決めることができます、その間あなたの意識はトランスをどのように育めばよいのか考えています」

偽の不条理:バインドと似ているが、選択肢が不条理なものになる。「眠る前にお風呂に入りたいですか?それともパジャマを着てお風呂に入りたいですか?」

  よく出来たダブルバインドのパターンは禅問答のようになるのだが、日常生活や仕事の場面で既存の閉塞感を崩すために活用してみるのはありなのだろう。


(つづく)

文献
[1]http://www.psychodyssey.net/wp-content/uploads/2012/05/TOWARD-A-THEORY-OF-SCHIZOPHRENIA-2.pdf
[2]https://www.amazon.co.jp/Legacy-Milton-H-Erickson-Selected/dp/1891944908
[3]https://books.google.co.jp/books?id=mdwUghUcsgQC&pg=PA171&lpg=PA171
[4]http://lankton.com/handouts/suggestion.pdf
[5]https://www.hypnosisalliance.com/articles/Creating%20Hypnotic%20Binds%20-%20Dave%20Mason.pdf

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