2016年10月5日水曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:なんとかとハサミはユーティライゼーション


                                                                                                                             
 朝起きて、ごはんを食べ、電車に乗って・・・・・

 とルーティーンばかりのドラマがあったら退屈すぎて見る気にもなれない(笑)。

 突発的な事件や出来事が発生するのでドラマは面白くなるのだ・・・・

 <ひとりごと>



システム論的には外的な変化を中に取り込む

  備忘録として書いておく。

なんとかとハサミは使いよう》心理療法家のミルトン・エリクソンは、一見不都合に見えるクライアントの振る舞い、認識、感情・・・まわりの出来事などをクライアントのゴール達成のために使った。いや、使い倒した。そこには一見、バカな振る舞い、バカな認識、バカな感情・・・・が含まれるのだが、案外これは認識や行動の変化のためには強力な資源・資質(リソース)となるということだ。バカと決めつけるバカな認識こそバカということなのかもしれないが・・・

 事例は、エリクソン自身の手によるAmerican Journal of Clinical Hypnosisに寄稿された「Further Clinical Techniques of Hypnosis: Utilization Techniques」[1]に詳しい。

日常生活でユーティライゼーションを使う》ユーティライゼーションという技法、あるいはアプローチは別に心理療法家の専売特許というわけではなく日常生活でも案外有効だ。

 自分にとって一見不都合な出来事が起こった時、あるいは嫌な気持ちに気づいた時、自分が変な振る舞いをしていると感じた時、変なことを考えているのではと思った時、ユーティライゼーションを使ってみることだ。人は、嫌な出来事が起こった時どうしてもそれに直情的に反応し振る舞ってしまう。それが将来とり得る選択肢を狭くしているようにも思えてくる。追いつめられてような時にも、色々な選択肢に気づく技法がユーティライゼーションと言うこともできる。もちろん、ある程度のゴールは意識する必要があるだろう。が、一見不都合な出来事からもっと大きなゴールに気づくことはできる。

 電車が事故で遅れた時、客先へ急がなければならないというのが一応のゴールだとする。ここでいつもと異なる経路や交通手段を開拓する機会だと考えてみる。あるいは、一々客先へ行かなくても仕事が出来る方法を考える機会と捉える・・・・・焦る気持ちを抑えるためにマインドフルネスの練習をしてみる・・・・と様々だ。結局、一見不都合な出来事は案外「そもそも、目的ってなんだっけ?」と気づく機会にはなるという具合だ。

ユーティライゼーションの4ステップ》ネットにエリクソニアンのスティーブン・ギリガンのユーティライゼーションのやり方の4ステップ[2]というのが落ちていた。ステップ自体は難しくないのだが、自分の不都合な出来事を前にしてこれがきちんとできるのか?と考えると結構練習が必要のように思える。

翻訳は適当+関西風(笑)。


  1. “That’s interesting” 
  2. “Something is trying to wake up (or heal)”
  3. “I’m sure that makes sense” 
  4. “Welcome”
      1. それ、おもろいやん。
   2. なんが目覚めようとしている。
   3.  そのことに意味があるって確信しているよ。
   4.  よう、来てくれた。

 
 構図としては、一見不都合な出来事などを受け入れる練習になっている。そして、それをきっかけに自分はどのような能力が発揮できるのか?いい機会だと考え。そして、どんな不都合な出来事にも意味があり、そしてその出来事のよいところを見るようなリフレーミングの形式になっているという具合だ。

具体的な行動を促すフォーマット

 エリクソンは自分がキリストだと言っている男に、それを認め、大工道具をわたし社会性を取り戻させ正気に戻るように促した。これもある意味ユーティライゼーションだ。エリクソン国際会議の資料の中でこれを定式化している人がいた。[3]それは以下だ。



If X is Y and Y is W, then X can do what W can do(“Because you are Jesus and Jesus was a carpenter, then you can do woodworking.”)

もし、XがY、YがW、ならばXはWができることができる。

(あなたは、キリストならばキリストは大工である、ならばあなたは木工作業ができる)。

 
結局、ユーティライゼーションは行動に落として実行してこそ意味ある、ということが分かってくる。

大きな意味で治療的ダブルバインド》ダブルバインドには大まかに言って2種類ある。これはこのあたりで書いた。[4] ベイトソンらの統合失調的なダブルバインドと、エリクソンの治療的ダブルバインドだ。治療的ダブルバインドは、AをとってもBをとってもどちらもうまくいくというのがこの形式だった。

 もちろん、ユーティライゼーションは大きな意味での治療的ダブルバインドを身に付けるということだ。つまり、①普通にやっていれば普通に成功します。②不都合な出来事が起こってもユーティライゼーションをつかって成功します。③どっちに転んでもあなたは成功します、どっちで成功したいですか?(笑)

 その意味では、高い視点でユーティライゼーションを見てみるのも面白い。もちろん、普段から実践できなければいけないのだろうが(笑)。

(つづく)

文献
[1]http://www.asch.net/portals/0/journallibrary/articles/ajch-51/51-4/ericksonclinical51-4.pdf
[2]http://www.green-field.at/hypnokongress/downloads/NACHLESE_Gilligan_UtilizationPrinciple_EN.pdf
[3]http://www.ericksoncongress.com/download/Douglas%20Flemons/Douglas%20Flemons-WS1.pdf
[4]Consider everything you say and do an experiment, the results of which will allow you to discover what to do next.

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