2016年10月7日金曜日

家族療法の系譜:コミュニケーションの基礎理論(その2)


                                                                                                                             
 ネットワークエンジニアは障害の時、プロコトルアナライザーで機器間のコミュニケーションのシーケンスを見ることから始める。

 家族療法家は障害の時、「MRIのコミュニケーションの公理」で家族の構成員の間のコミュニケーションのシーケンスを見ることから始める。

 理屈が同じなのは、両方ともサイバネティクスをベースにしているから(笑)。

 <ひとりごと>



《空》の関係性?

  備忘録として書いておく。

  昨日の記事の続き。

 《相互作用の類型》昨日は、人と人とのコミュニケーションのやりとりに①シンメトリカル、②コンプリメンタリー、③パラレルの3つがあることを書いた。この続きから始めたい。


The three categories are non-overlapping,indicating that while the same behavior of an individual may fit in to any one of three,the response and the initial behavior become an interactional exchange that is either symmetrical,complementary,or parallel. An interaction can not fit into two categories simultaneously.

3つのカテゴリーはオーバラップはしておらず独立である。これは、個々人の同じ振る舞いが3つのカテゴリーどれかに適合するだろうことを示しており、(コミュニケーションの)反応および初期動作が一セットの相互作用のやりとりとなり、①シンメトリカル、②コンプリメンタリー、あるいは③パラレル、の何れかとなる。一セットのやりとりは2つ以上のカテゴリーに同時に適合することはない。

These three classes or categories of communication are measureable and can be used to identify differences between families prone to conflict and stress and those families that are more effective at coping and integrating positive family functions.

これらの3つのコミュニケーションのクラスもしくはカテゴリーは計測可能であり、家族が対立やストレス引き起こしやすい傾向にあるのか、あるいはこれらの家族が効果的に対立やストレスに対処し、より肯定的に家族の機能を統合しているのか?の違いを同定するために利用可能である。

Furthermore, most conflictual communicational patterns in marriage and family will be marked by high frequency of symmetrical and/or complementary behavior. Consequently , a therapist will likely be engaged in developing interventions that are designed to modify complementary and symmetrical interaction toward and increased variation resulting in parallel communication.

さらに、夫婦や家族の中での最も対立的なコミュニケーションのパターンは、①シンメトリーもしくは②コンプリメンタリーの何れかの一方が高頻度で発生する場合、あるいは①シンメトリーおよび②コンプリメンタリーの両方が高頻度で発生する場合だと示されるだろう。結果、セラピストは、①コンプリメンタリー、および②シンメトリカルなやりとりに対して、バリエーションを増加してパラレルコミュニケーションに帰着する方法を目指してやりとりを修正するための介入を設計することに関与することになるだろう。

 
 《パラレルは上位の論理階型》 さて、仏教に《空》という概念がある。集合論的に説明すると、「ある」という概念、「ない」という概念が同時に存在するという概念になる。つまり、「ある」かつ「ない」を包含するのが《空》という概念。

 で、ここで説明した①シンメトリカル、②コンプリメンタリー、および③パラレルという概念もグレゴリー・ベイトソンからの挑戦のようにも思えてくる。米国NCBIのサイトを参照すると[1]とパラレルの関係は、シンメトリカルあるいはコンプリメンタリーより高い論理階型に存在すると書かれている。また、①シンメトリカル、②コンプリメンタリー、および③パラレルは別の個別のクラスあるいはカテゴリーと定義されている。つまり、③パラレルは「ある」かつ「ない」と同じように、①シンメトリカル、および②コンプリメンタリーの2つを同時に含むが論理階型はとしては上位にある《空》の関係性を見つけろ、といっていることになる(笑)。単に足して2で割る<ツンデレ>のじゃだめだ、ということだ。

 そう考えるとこれ自体が禅問答になっているところでもあるのが、③パラレルの関係=《空》だと考える、セラピストは夫婦や家族がこういった関係になるように介入しろといっているような気もするが、これはこれでベイトソンが出した問としてはありな感じがしているわけだ。やっぱりベイトソンとMRIの人たちは逐一言っていることが深い。
 
(つづく)

文献
[1]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/872912

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