2016年11月2日水曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:周辺視野で追え


                                                                                                                             
 目を見て話せ・・・・・

 これって、なんかトンチンカンなことを言っているような気がする(笑)。

 <ひとりごと>



周辺視野で追え

  備忘録として書いておく。

 《周辺視野で追え

 人と話す時は目を見て話せ。

とかつまらないことを言う輩が多い。例えば、「就職の面接の時、面接官の目を見ろ」とか「コーチングの時、クライアントの目を見ろ」とか、そういう下らない主張だ(笑)。

で、そうとは限らないことを説明したい。

エリクソニアンのジェフリー・ザイクの著作に面白いことが書いてある。[1]

心理療法家のミルトン・エリクソンがクライアントと話す時にどこを見ていたか?

その答えは非常に示唆的だ。で、以下。


While he told stories, Erickson consistently kept track of the behavioral responses of his patients. Erickson often did not look directly at his patients when he told his stories. However ,he did keep track of his patients' behavioral responses by watching them in his well-developed peripheral vision.

物語を語る時、エリクソンは、常に患者の振る舞いの反応を追い続けた。エリクソンは、彼の物語を語る時、直接患者を見ないこともあった。しかし、それでもエリクソンは患者の振る舞いの反応をよく訓練された周辺視野で追い続けた。
 

 エリクソンはどうやって物事を見ていたか?

 答えは周辺視野を使っていた。

 この視線の使い方は宮本武蔵の「兵法の目付け」[2]で書いたが、これとほとんど同じやり方。なので、武道とかやっている人にはお馴染みの視線の使い方ということになるだろう。

 意識を介さず、無意識で最適の反応をする。あるいは、意識という名の偏見に邪魔されずにもっと大きなパターンを見る。このための周辺視野というわけだ。もちろん、鍛錬によって得た何かが無意識に蓄積されていないと、反応は、単なるスッカラカンということなのかもしれないが(笑)。

 また、今だとマインドフルネス瞑想ということなのだろうが、座禅を組む時も、一般的には少しだけ目を開くような形式だろうが、同様に普通より中心視野を緩めて周辺視野で見るやり方になる。[3]

 だから、冒頭の疑問からすると、相手の目をまじまじと見つめる、というやり方はあまり良いやり方ではないことになる。

 さて、ザイクがエリクソニアンだから、なのかも知れないが、アメリカ人のような脳天気な人たちでも、分かっている人はちゃんと分かっているのだ、というところも面白いところだ(笑)。

周辺視野の開発はどうするのか?

 で、実際にこれをどのように練習するのか?

 一つは、エリクソンの奥さんのエリザベス・ムーア・エリクソン、通称ベティ・エリクソンの自己催眠の練習[4]でモノを見る時に、中心視野と周辺視野のバランスをとって見てみることだ。

 今は、宮本武蔵の生きていた時代と違う。いきなり斬りつけられる、というのはおそらく宝くじにあたる1/250万より少ない(笑)。

 いつでもどこでも安全な場所を見つけて練習できる。本当は、危機を意識を介さずに察知して反応する練習なので、危険があってもこれを避ける練習でもある。「君子危うきに近寄らず」「金持ちけんかせず」は重要な人生訓かもしれないが、もっと積極的に危険を避ける能力を発揮する練習でもある。

 さて、この練習で得られることは何か?

 エリクソニアン・ダブルバインド風に書くと以下になるだろう、

  • 成功すれば、セラピストとして
    • 見立てが上手くなる
    • 意表をついた「混乱法」を素で使えるようになる
    • ミルトン・エリクソンに少しだけ近づける
  • もし、失敗しても、一般人として
    • 面接していて、無意識に自分のよいところを出せる
    • 歩きスマホでも周囲の危険を察知できる
    • マインドフルネスになれる

 もちろん、周辺視野で見ることを練習することで、「君子危うきに近寄らず」でも「取れるリスクは積極的に取れ」という見切りが出来るようになれるのが得られる最大のものかもしれないが(笑)。



(つづく)

文献
[1]https://books.google.co.jp/books?id=Kby2XJE8zoUC&pg=PA5
[2]http://ori-japan.blogspot.jp/2011/11/blog-post_10.html
[3]http://www.wildmind.org/applied/stress/meditation-for-the-very-very-busy
[4]http://ori-japan.blogspot.jp/2012/03/10_13.html

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