2016年11月7日月曜日

ベイトソンとエリクソンの系譜:オープンダイアローグ


                                                                                                                             
 渓谷に湧き出る水源も

 海に流れこむ大河も

 同じ川であることには変わりない。

 <ひとりごと>



川は水源から海へと続く

備忘録として書いておく。

最近、興味があることの一つが「オープンダイアローグ」だ。

Youtubeにこのドキュメンタリーが上がっていたので視聴してみた。





 オープンダイアローグは、フィンランド発の心理療法のひとつだ。ただし、単なる技法だけでは語り尽くせないところがある。

 この技法は、セラピストが複数人でクライアント家族先へ赴く。そして、セラピストがファシリテータとなり、症状を訴えている家族を含め、家族で日本の製造業のワイガヤのような形式で対話を始める。ある意味、これがこの手法の核でもあり、これだけの手法でもある。ネットに上がっている論文を読むと、統計処理されたエビデンスを示して、統合失調症などの病状の回復に実績を上げている、との報告がある。[1]

 個人的に興味を持った理由がある。
 
 もちろん、日本でも話題になりつつある。とか、少し前に話題になったフィンランド式学習方法の発祥の地だから。ということがその理由ではない。やはり、表面上の現象ではない理由がそこにある。

 理由の一つは、オープンダイアローグがミラノ派家族療法[2]の強い影響下にあるからだ。そして個人的にはこの手法を遡って考えている。

  • オープンダイアローグはミラノ派家族療法の影響を受けている
  • ミラノ派家族療法はMRI (Mental Research Institute)の強い影響を受けている
  • MRIは、元々ベイトソンらが心理療法家のミルトン・エリクソンを研究から出発している

 つまり、個人的にはオープンダイアローグは、ベイトソンらが体系化したエリクソンの技法の「変奏」と考えている。だから興味があるということになる。多少名前が違っていても、水源となる泉も、海に流れている大河も結局は同じ川ということになる。もちろん、エリクソンの技法が素で出てくることはない。構成主義的な技法、例えば、第二次サーバネティクスやオートポイエーシスや社会システム論でフィルタリングされているためにより洗練された手法になっている。

 個人的には、エリクソニアン・アプローチもMRIもある程度の深さで分かっていて、かつ使える。当然、円環的質問法でファシリテーションを行うミラノ派家族療法も使える。だから、オープンダイアローグも難なく使える、ということになる。逆にオープンダイアローグを単なるミラノ派家族療法の出張サービス、としか思っていないところがある。だから、何の違和感もない。しかも、個人ではなく、家族や組織に使える技法、つまり、エリクソニアン・アプローチのの家族や組織への応用とも言える。

 逆にありがたいところは、統計ベースで効果検証が行われてるところだろう。もちろん、私は医者ではないので何かの病気を治療しようという企てはない。しかし、プロジェクト・マネジメントや組織のマネジメントにおいて心身の不調を起こさないように、チームを一つの生き物と見て「変化」をマネジメントできる手法と位置づけ、活用を試みているのは間違いない。

 もちろん、病状から回復するということは、組織のメンバーが心を開いて、ベイトソンのいう円環的な因果関係を意識し始めた時、あるいはエリクソンの言う未来の可能性につながりに気づいた時、ということになるのかもしれないが、それをよりシステミックで全体的に行うオープンダイアローグは非常に興味深いと思っている。

 

(つづく)

文献
[1]https://www.power2u.org/downloads/OpenDialogueApproach.pdf
[2]http://ori-japan.blogspot.jp/2016/10/blog-post_10.html

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