2017年1月5日木曜日

ミルトン・エリクソン論文全種を読む 5日目


                                                                                                                             
 輻輳する物語を読む。

 <ひとりごと>



この物語は誰の枠組みなのだろうか?

  備忘録として書いておく。

 お正月から心理療法家のミルトン・エリクソンの「The Collected Papers of Milton H. Erickson」を読んでいる。この事情は、いくつかの記事で書いた。[1][2]

  ちょこまか読んでいると色々おもしろいことには気づく。

  • 『ブラックジャック』を読む感じで物語として読む

  一つは、あまり堅苦しい感じで読む必要はないということだ。ある意味、手塚治虫の『ブラックジャック』のように事例毎のオムニバス形式で収録されているので、『ブラックジャック』でも読んでいるような感じで読むことができる。

 また、心理療法家の書いた論文というのは登場人物としては歴史などの論文と違って普通の人が出てくる。ただ、ちょっとだけ普通の人と少し違うのは、特殊な状況に置かれて困っているということだ。それで、ここでは『ブラックジャック』ではなくエリクソンが何らか支援するという感じになっている。これがおおよそのプロットとなる。

  • 『巨人の星』を読む感じで技の進化という視点で読む
 ここまでは、1923-24年あたりにエリクソンがウィスコンシン大の大に在籍していた時にクラーク・ハル教授にダメ出しをされながらも学術的催眠を色々試してみて、ハル教授と喧々諤々の議論としている様子がまずある。それで、論文は1960年代に掲載されており、エリクソンが「あの頃はまだまだ若かったなぁ」的に振り返るような視点になっているのが興味深い。

 この構図は、エリクソニアンのマイケル・ヤプコの比較表でも書いたが、学生時代のエリクソンがやっていたのが表の真ん中の学術的催眠の標準的なアプローチ、そしてクライアントと接するうちにどんどん開眼していったのが表の右側のエリクソニアン・アプローチということになる。その意味では吉川英治の『宮本武蔵』の二天一流の開眼や『巨人の星』の大リーグボールの完成ではないけれど、標準的な学術催眠の実験をやっていたエリクソンがどのような過程で独自のアプローチを完成していくのか?という大きな物語が大きな川の流れとして見えてくることになる。


  • 『理系の論文』を読む感じでサイバネティクスの視点で読む

 エリクソンの論文は、理科系論文のようになんらかの方程式、例えば微分方程式を解く必要もない。もちろん、方程式は方程式なりに機能美があるのだが(笑)。

 さて、ベイトソンたちはエリクソンの介入に第二次サイバネティクスを当てて観察したところがある。したがって、まずは、ベイトソンたちがやったようにメタの視点[3]を取って、状況に応じてエリクソンとクライアントのコミュニケーションのやり方に対してサイバネティクスの枠組みを当てて読むことも重要なのだろう。


1月5日の進捗、40ページまで

Volume 1  : The Nature of Hypnosis and Suggestion

Further Experimental Investigation of Hypnosis: Hypnotic and Nonhypnotic Realities Milton H. Erickson Reprinted with permission from The American Journal of Clinical Hypnosis, October, 1967, 10, 87-135.

比較的有名なO嬢のお話。結構長いので途中まで。

 

(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html
[2]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers-4.html
[3]http://ori-japan.blogspot.jp/2016/08/blog-post_11.html

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