2017年2月10日金曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 41日目


                                                                                                                            
 エリクソンの技法は認知や知覚にどのように働きかけるのか?だけなので、

 被験者からすると、精神論は無用の長物に思えてくる(笑)。

 <ひとりごと>



はじめに

  備忘録として書いておく。


 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1]を読んでいる。読み方のルールはここ。それで、41日目の進捗などを書いておきたい。

 今日の要点は、サプライズ技法とマイ・フレンド・ジョン技法ということになる。このあたりは色々言われているけれども、オリジナルはこの論文。多分、普段言われていることは尾ひれがついてなんか違うものになっている可能性はある。


マイ・フレンド・ジョン技法+サプライズ技法
 
 今日は、「The “Surprise” and “My-Friend-John”Techniques of Hypnosis」から。

 論文の日付は 1964年の4月、ある医学会の前に行われるミーティングでプレゼンテーションを行った時のこと。多分、プレゼンテーションはこんな感じ。で、プレゼンテーションが終わってデモということになった。ここで、エリクソンはトランス誘導のデモを行う。被験者は以下。

  • 被験者A 若い女性
  • 被験者B 若い女性
  • 被験者C 45歳の内科医
 被験者Aは、催眠にかけられる人を見たこともないし、かけられたこともない。が、かかりたいと思っている。被験者Bは同じように見たこともないし、かけられたこともない。で、自分にはかからないと思っている。被験者Cは、他の医師や歯科医師が30時間ほどためしたがかからなかったといっている。自分ではたまに患者に催眠を使う。観察は得意。

 で、エリクソンが3人をステージの上に呼んで、A、B、Cを呼んで催眠誘導のデモをする。座る順は、エリクソン、A、B、C。Cは椅子を少し斜めにして冷静に観察してと言われる。で、のっけからAさんに指示するようにしてB、C。Cに指示するようにしてA、Bにも間接暗示を使う。それで、聴衆にも、腕浮遊、凝視、コイン法などの説明をする。エリクソンは、Aを被験者にするので、Bはそれを愉しみながら見ておくように、Cには医者らしくクリティカルに観察して報告するように指示する。

 そして、マイ・フレンド・ジョン技法の説明を行いながら、既にトランス誘導に入っている。これは架空の友人ジョンを想定して、エリクソンが彼に語りかける形式になる。被験者はジョンの動きや気持ちを想定してその動作に追従するような形式を取る。

 で、上でも言ったように既に誘導が始まっている。ここで、サプライズ法というのを取る。Aに対してエリクソンは床のシミを指差し、そこに何が居る?のような質問を行う。Aは、そこに座ったスコティッシュ・テリアが居ると幻覚を報告する。一方、Bは何も見えないという話をする。それで、CがAには催眠現象が報告されると冷静に報告するが、見えているのはスコティッシュ・テリアではなく、コリーだという報告がなされる。催眠にかからないと言っていたCがかかっているというのは一つのオチ。

 で、Aの催眠現象を引き出しながら、催眠状態のCをステージでいじりはじめる。また、いつの間にかBにも催眠現象が観察される。こういう感じになる。

 また、もう一人、歯科医の奥さんがステージに上がりこの実験に協力する・・・・・この奥さんの旦那は歯科医で催眠をつかっているが、自分にはかかった試しがないと報告する・・・・

 おおまかにいうとこんな内容の話。

 抵抗を示しているクライアントにはマイ・フレンド・ジョン技法によるトランス誘導が有効だとエリクソンは書いている。要は、間接技法、間接暗示ということになる。


 何れにしても医学学会に合わせて、教育水準の高い人たちに対して公明正大にこの技法をデモしたというのがミソなのだろう。ただし、間接技法を駆使しているので、おそらく言語学者でもない限りはエリクソンの間接暗示は聞き逃してしまうようにも思える。

 
2月10日の進捗、328ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 12.4%) 

Volume 1  : The Nature of Hypnosis and Suggestion

The “Surprise” and “My-Friend-John”Techniques of Hypnosis: Minimal Cues and Natural Field Experimentation Milton H. Erickson Reprinted with permission from The American Journal of Clinical Hypnosis, April, 1964, 6, 293-307.


(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html

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