2017年2月6日月曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 37日目


                                                                                                                            
 あなたの「意識」はもう1つケーキを食べるとデブると抵抗していますが、

 あなたの「無意識」は、もう2つくらいのケーキは別腹で大丈夫と訴えています(笑)。
 
 <ひとりごと>



難事例について

  備忘録として書いておく。


 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1]を読んでいる。読み方のルールはここ。それで、37日目の進捗などを書いておきたい。

 今日は、「An Hypnotic Technique for Resistant Patient」の続き。

 昨日も書いたが、要は、気難しいクライアントへの対処についてまとめられている論文。今で言ったら「モンスター・クライアント」への対処。

 もちろん、この論文は心理療法のコンテクストで書かれているが、その技法は日常や仕事の場面で気難しかったり、逐一抵抗を示している人とのコミュケーションへやクレーム処理への応用も可能だと思われる。

   抵抗についてはこのあたりで書いた。しかし、人間関係の抵抗には、論理的な説得だけでは上手くいかない感情、情動が入ってくるので面倒だ。また、こういったクライアントは他でたらい回しにされてやってくるような状況がある。つまり、他への文句が蓄積した上でやってくる。

《昨日までの復習》

 早速だが、大方針とは以下のようになる:


・クライアントとラポールを築く
・不平、不満を受止める(ここへやってきた理由)
・ゴールを引き出す(結局、どうなっていたら満足なの?)
・どうやったらそのゴールを達成できる
・何か支援することは?


  もちろん、ここで具体的な技法ということになる。例えば以下が出てくる

・許容的アプローチ
・クライアントの言葉を使う
・ペーシング&リーディング
・間接的アプローチ

・意識Conscious - 無意識Unconscious は乖離を示唆するために使う
 立場を分ける→メタ認知を促す、間接的アプローチでもある

 クライアントの教育水準に応じて、意識→言葉、無意識→知覚からのサイン(Yesはうなずく、Noは横にふる)のように使い分ける、「あなたの筋肉の動きは何と言っていますか?」のような感じ。「あなたの意識は今の問題がどのように起きているか理解していないのかもしれませんが、あなたの無意識はそれがどのように起きているのか理解しています」といった感じのパターン。エリクソンの示唆のパターン「あなたの意識はその答えを知りたがっているのかもしれませんが、あなたの無意識はあなたの意識に答えを知らせたくないのかもしれません」←意図的にパラドクスを誘発。

・意識ー無意識のダブルバインドのパターンを使う
 エリクソンはベイトソンの論文は当然読んでいる
 間接的アプローチと治療的ダブルバインドの組み合わせが色々ある

・(ミラクルクエスチョン的に)よい状態になったイメージを想起してもらう
・Implication(含み)を使って話すと抵抗されにくい

《今日の部分》

 上の論文を書き上げたところで、52歳の小難しい成功したビジネスマンがエリクソンの所にやってくる。

 男性は8年くらい前からパニック障害になった。精神分析を主体とした他のクリニックに通ったが効果がなかった。それからパニックを和らげるためにウィスキーのボトルを携帯し飲み始めるようになる。それからエリクソンの著作を読み、藁をもつかむ思いでエリクソンのもとにやってくる。ただし、このビジネスマンは催眠はアルコールより害があるのではないかと思っている。

------  エリクソンは治療を開始 ---------

 3日後にウィスキーのボトルを持って再びくるように言う。

 3日後にエリクソンのもとにやってきた時は、ボトルも忘れているが、今までの反応が起こらなくなってびっくりしながら、この3日間の様子を語り始める・・・・

 とこんな感じ。おそらく意識と無意識の関係性を変えるような治療的ダブルバインドを駆使している感じがする。
 
2月6日の進捗、296ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 11.2%) 

Volume 1  : The Nature of Hypnosis and Suggestion

An Hypnotic Technique for Resistant Patients: the Patient, the Technique, and its Rationale and Field Experiments
Milton H. Erickson Reprinted with permission from The American Journal of Clinical Hypnosis, July. 1964, 7, 8-32.

繰り返し読む価値あり。★★★★★


(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html

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