2017年3月13日月曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 72日目


                                                                                                                            
 世の中には、絶対の0も絶対の100もない、

 普通は、何かの前提条件がついた上での確率。

 前提を考えずに0か100で判断するのは単なるアホ(笑)。

 <ひとりごと>



はじめに

 備忘録として、

 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 72日目について書いておきたい。

催眠の反社会的利用実験に対する考察

「Observations Concerning Alterations in Hypnosis of Visual Perceptions (1962)」から。ミルトン・エリクソンの妻、エリザベス・ムーア・エリクソンが1962年に The American Society of Clinical Hypnosis の学会誌である The American Journal of Clinical Hypnosis に寄稿されたエッセー。

  1939年に発表されたハロルド・ローランド博士の有名な論文がある。催眠を反社会的に利用できるかどうかの実験だ。実験は2つある。

 一つは被験者を催眠状態におく、見えないガラスの箱に入れられたガラガラヘビがゴームホースであるという暗示をかける。ホースをつかむように指示される。これで被験者がガラガラヘビを掴もうとするのかを調べる。もちろん、被験者の安全は見えないガラスの箱で保護されている。

 もう一つは、被験者を催眠状態におく、ガラスで保護されている実験者の顔に酸をかけろと暗示される。被験者が実験者の顔をめがけて酸をかけるのかどうか調べる。

 以上の実験を42人の催眠状態にない被験者に試すが誰も指示に従わない。しかし、第一の実験場合は、4人に3人がガラガラヘビを触ろうし、第二の実験は2人のうち2人がこれに従った。(母数が42でないのは論文どおり)

 これが金科玉条のようになって「催眠は反社会的、催眠はやっぱり危ない」という結論に導かれることがある。「これって本当?」これがエリザベス・エリクソンの論考の出発的になっている。 

 エリザベス・エリクソンがニューヨークの街を歩いていた時に、ショーウィンドウの中に透明の箱を見つける。よく見ている、ホコリがついていたりして、催眠状態になっても、これが見えるのではないか?という仮説を立てる。自己催眠状態になってもガラスがあることは分かる。つまり、ローランドの実験で、被験者はガラスが見えていて指示を実行したのではないか?という疑念が湧いてくる・・・・というのがこのエッセーのプロットとなる。

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随考

 個人的にも科学哲学者のカール・ポパーには少なからず影響を受けているところがある。要は、反証されない理論は科学ではない、ということだ。悪意があるわけではないが、重箱のスミを突くように真摯にその実験なり理論の不備を探してみる。大勢の人がこの反証を見つけられていない理論なり実験なりはとりあえず仮説として正しいとしよう。こういう態度で望むのは重要なことだ。

 その意味では、このエッセーでミルトン・エリクソンの妻であるエリザベス・エリクソンはローランドの実験についての反証可能性を探して実験したことになる。もちろん、こういった反証可能性を突き詰めていくことで理論やその実験結果はより真実に近づくということになるのだろう。

 余談だが、ミルトン・エリクソンもエリザベス・エリクソンもすげーロジカルだよなぁ(笑)。


3月13日の進捗、576ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 21.8%) 

Volume 2 : HYPNOTIC ALTERATION   OF SENSORY, PERCEPTUAL    AND PSYCHOPHYSIOLOGICAL   PROCESSES

The Development of an Acute Limited Obsessional Hysterical State in a Normal Hypnotic Subject 
Milton H. Erickson Read in part at the 4th annual meeting of the Society for Clinical and Experimental Hypnosis, New York Academy of Sciences, Sept. 26, 1953; and in part at the 1 stAnnual meeting of the Southern Calif. Psychiatric Society, Los Angeles, Calif., Nov. 14, 1953; reprinted with permission fromThe Journal of Clinical & Experimental Hypnosis, January, 1954, 2, 27-41. 

Observations Concerning Alterations in Hypnosis of Visual Perceptions Elizabeth M Erickson Reprinted with permission from The American Journal of Clinical Hypnosis, October, 1962, 5, 131-134. 



(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


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