2017年3月15日水曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 74日目


                                                                                                                            
    コトバが神経に現象するのは不思議でただ面白い。

 この時代だとコージブスキーの『科学と正気(1933)』の取組くらい。

 全編読んだけれど、面白かった。もちろん、現在は奇書扱いだけど(笑)。

 <ひとりごと>



はじめに

 備忘録として、

 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 74日目について書いておきたい。

瞳孔反射の制御

 一本目は、「Acquired Control of Pupillary Responses(1964)」から。著者は、ミルトン・エリクソン。

 眼科で治療中の8歳の女の子の検証からの論考。斜視の治療から片方の目にアイパッチをしている。この女の子を被験者にいくつかの検証を行う。

 要点は、瞳孔反射は制御可能か?エリクソンがトランス状態で行った検証では可能だった。こんな話。
 
 論文に誤字を見つけた。エリクソンも人の子だ、という感じが微笑ましい(笑)。


催眠による聴覚障害の研究

二本目は、「A Study of Clinical and Experimental Findings on Hypnotic Deafness: I. Clinical Experimentation and Findings  (1938)」。著者はミルトン・エリクソン。

 このあたりはポリティカル・コレクトネスに関することで Deafというコトバが1938年、つまり欧州から第二次大戦が始まる直前の状況でどのような意味を持っていたのか?から始まるのかもしれない。個人的には耳がほとんど聞こえない状態、という理解だ。

 この論文の趣旨はこうだ。催眠の現象の一つとして耳がほどんど聞こえない状態になることは知られていた。しかし、具体的に病気などで耳が聞こえない人と催眠で一時的に耳が聞こえない状態になった人とではどのような違いがあるのか?といった研究はほどんどなされてこなかった。そこで、エリクソンはもう少し体系だってこの研究をしました、というのがここでの趣旨となる。

 使われている技法は、この表で書いたが学術的に標準的なアプローチが使われている。被験者の母数は70名。この人たちに夢遊病的なトランス入れるように訓練を行う。そして、実際にこういったトランス状態が開発できたのが30名、さらにこれを10名のグループA、B、Cに分けて予め用意された暗示を与え、耳の聞こえない状態に導き、そして検証を開始する・・・・というのがここでのプロットとなる。

 
・・・・・・・・・
随考

 元々、物事を深く考えるほうではないけれど、ベイトソンの影響か?最近は物事の原理原則に立ち戻ることも少しだけ増えた気がする。

 例えば、仕事でも日常でもよいが「制御(Control)」という概念がある。難しく考える必要はないが普通に日常会話でも使う概念だ。例えば、「あのピッチャーはコントロールがいい」「部屋の温度が快適にコントロールされている」「プロジェクトが適切にコントロールされていない」など。

 しかし、「コントロールって何?」と考えると少し戸惑う。普通の答えは「制御されているってことだよ」となるだろう。もちろん、「制御って何?」と聞かれると色々な答えが返ってくるだろう。例えば、「自分たちの意思や行動でなんとかすること」とか。

 ただし、実務的なレベルだと「具体的にどうしたよいのか?」を考えたい。

 ネットには、コントールのやり方が3つ示されている。この前提として、コントロールをプロセスで考えており、その場所で3つに分けている。具体的には以下だ。

  • 入り口で行う (Go/ Not Go)
  • 中間で行う(サイバネティック・コントール)
  • 出口で行う (事後コントール)

 逆に言うと、プロセスを意識したコントロールとなると、泣いても笑ってもこの3つでモレなくダブリなくとなる。

 例えば、ピッチャーだと入り口、つまり球を離すところのコントロールということになる。逆に言えば、一旦手を離れたらコントロールは効かない。

 中間で行うコントロールは中々難しい、例えば、状況を逐一モニターしていてこの情報で制御を行うような場合だ。航空機の高度などはこういったやり方になるだろう。

 出口で行うやり方の例としては、米国のビジネスのやり方があるだろう、悪名高きUberなどだと一旦白タクまがいの行為でサービスを広める、問題があれば、事後規制すればよいじゃないかという考え方になる。

 もちろん、ミルトン・エリクソンの技法で「Control」と出て来る。ここで、技法をプロセスで考えて、そしてどの方法で何をコントロールしているのか?と考えると、技法が立体的に見えてきてこれはこれで面白いところではあるし・・・プロジェクト・マネジメントで言うコントロールももう少し深いレベルで腑に落ちるようには思えるのだが・・・

3月15日の進捗、592ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 22.4%) 

Volume 2 : HYPNOTIC ALTERATION   OF SENSORY, PERCEPTUAL    AND PSYCHOPHYSIOLOGICAL   PROCESSES

Acquired Control of Pupillary Responses Milton H. Erickson Reprinted with permission from The American Journal of Clinical Hypnosis, January, 1965, 7, 207-208. 

A Study of Clinical and Experimental Findings on Hypnotic Deafness: I. Clinical Experimentation and Findings Milton H. Erickson Reprinted with permission from The Journal of General Psychology 1938, 19, 127-150. 




(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


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