2017年3月25日土曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 84日目


                                                                                                                            
 一般的に、部分と全体を分けると、対立構造が発生するように思われる。

 いわゆる「総論賛成、各論反対」のような構図で、ここが出発的になる。

 しかし、恣意的に部分と全体が収まるところに収まるわけではない(笑)。

 <ひとりごと>



はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 84日目について書いておきたい。


催眠による記憶喪失の研究
 「Hypnotic Investigation of Psychosomatic Phenomena: The Development of Aphasialike Reactions from Hypnotically Induced Amnesias Experimental Observations and a Detailed Case Report (1943)」の続きから。

サマリーは以下の3点、


1. Cases are described, one in detail, in which amnesia for a specific thought or class of thoughts was induced by hypnosis. 

複数の事例のうち、一つの事例で、特定の思考(メンバーとしての思考)もしくは特定のクラスの思考についての記憶喪失が催眠により引き起こされたことが詳細に記されている。

2. In all of the cases amnesia was also developed for certain collateral thoughts. This had not been suggested by the hypnotist. 

すべての事例において、記憶喪失はさらに付随するある種の思考を引き起こしている。これは催眠士によって暗示、示唆されてものではない。

3. A neural interpretation of these observations is given. The nature and functions of what is thought of as the neurointellectual system are further described in the light of these observations.

これらの観察に神経学的解釈が与えられている。神経知性システムとして、何が考えられているのかの本質と機能は、これらの観察に照らしてさらに記されている。


 
 少し古い論文だが、被験者の神経系はセラピストのコントロール下にあるわけでもないと示唆さている記述が興味深い。花に水をやったり、日当たりのよい場所に移すことはできるが、別に花の成長をあなたが(サイバネティクス的に)コントロールしているわけではないのだろうから。  
 
随考
 
 このあたりで興味が湧く疑問が、「特定の記憶だけを忘れさせることができるか?」だ。

 もちろん、ここでは特定といった時に、集合論的に、特定の経験としての「経験のメンバー」とそれが一般化された「経験のクラス」を考えている。変な喩えだが、特定のブルドックに追っかけられた経験が一つのメンバーで、それが抽象化されて、何回か犬においかけられた経験というのが経験のクラスということになる。

 もちろん、記憶も内容としての「コンテンツ」と記憶のインデックスである「メタ記憶」のようなところがあるだろう。また、その記憶をつくりだす「プロセス」というのもあるだろう。

 勝手に推論するが、嫌な思い出である「コンテンツ」を消すことができても、何か局所的な感じはする。結局、それを作り出す「プロセス」が変わっていなければ、いずれ同じような状況で同じ出来事が起これば嫌な思い出として経験された記憶をつくりだすことになると思われるからだ。
 
 そう考えると、嫌な思い出でがつくられても、これを学びに変え、別の意味付けを行い、学びとして無意識に統合していくようなプロセスを活性化することのほうが重要ではないか?と思ってくる。ある意味、これがリフレーミングなのだろう。

 嫌なところだけ、切り捨てればよい、というのはシステム論的にはあまりよろしくない。

 何れにしても、「Ericksonian Approaches second edition」の中に Amensia (記憶の喪失)を起こすトランスクリプトが含まれいたので集合論的な視点で確認しておきたい。
 
 
3月25日の進捗、670ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 25.3%) 

Volume 2 : HYPNOTIC ALTERATION   OF SENSORY, PERCEPTUAL    AND PSYCHOPHYSIOLOGICAL   PROCESSES

Hypnotic Investigation of Psychosomatic Phenomena: The Development of Aphasialike Reactions from Hypnotically Induced Amnesias Experimental Observations and a Detailed Case Report 
Milton H. Erickson and Richard M. Brickner Reprinted with permission from Psychosomatic Medicine, January, 1943, 5, 59-66. 




(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


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