2017年4月20日木曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 110日目


                                                                                                                            
     エリクソンの論文を読むと、

 世界史、日本史もちょっと違うことが見えてくるなぁ(笑)。

 <ひとりごと>



はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 110日目について書いておきたい。

学会での講演録
 
   一本目は、「The Basis of Hypnosis: Panel Discussion on Hypnosis (1959)」から。ミルトン・エリクソンがワシントン州ロングビューで実施された医学会での講演後のパネルディスカッションの書き起こし。

 時代は1959年、エリクソンは、58歳頃、ここから100kmほど北のシアトルに行けば、後にマイクロソフトを創業する4歳のビル・ゲイツに会えるかも、というような時代だ。

 結論から言うと、医師たちに向かって「臨床催眠」の有用性を説くというのがここでの趣旨だ。要は、クライアントの既存の枠組みにとらわれない素の反応を引き出し、学習を支援するために催眠が使える、という話だ。

 まず、エリクソンは心理が身体に作用する例として、元兵士が大学の階段で転んで足首を複雑骨折しても3週間ほど平気で、足くびからジャラジャラと音がするので病院に行ってレントゲンを取ったら複雑骨折していた例から話をはじめる。これは、感覚消失の事例だが、催眠を使えば同じようなことができるという具合だ。もちろん、ここで症状をほったらかすように推奨しているわけではない。

 学習
  人は学習できる
  学習したことを身体の他に転用できる
   右手で文字を書ける
   左手で書けるように練習できる
   足で文字を書けるように練習できる

 無意識
  人は無意識で学んでいる

 トランス誘導
  だれでもトランス誘導できる(トランスの定義を変えたので)

 筋肉の緊張を高めることができる

 時間に対する感覚を変えられる

 観念運動

 観念知覚

 後催眠暗示

 退行催眠

 自動催眠(これは難しいので応用コースで話すと語っている)

 記憶の喪失

具体的な技法については語られていないがざっとこんな内容だ。

少し前だが、エリクソンの講演の雰囲気をつかむにはここで書いた記事が参考になるだろう。



記憶の喪失の調査

 二本目は、「The Investigation of a Specific Amnesia」。で著者はミルトン・エリクソン。特定の記憶の喪失に関する調査のさわり。

・・・・・・・・・・・

    随考

     人類学者のグレゴリー・ベイトソンがミルトン・エリクソンにニューギニアの原住民の風習にトランス状態が取り入れられていることを問い合わせたことが「ミルトン・エリクソン書簡集」に取り上げられていた。

     最近、世界史や日本史の著作を読む時、個人的にこの影響を色濃く受けていることに気づく。

     例えば、卑弥呼が呪術を使っていたと「魏志倭人伝」書かれているがおそらくエリクソンのような技法で集団催眠を身につけていたのだろう、とか。

     和氣清麻呂が宇佐神宮でご神託を受けたのも、おそらく催眠の幻聴を使ったのだろうな、とか。

     米比戦争では、モロ族の反乱というのが起こるが、米軍がライフルで撃ってもゾンビのように襲いかかってくる背景には催眠の感覚喪失を使っていたのでないか、とか。

     太平天国の乱でも、ご神託を受ける時に幻聴を使い、闘う時は感覚喪失を使っていたのだろうな、とか。

       もちろん、こういう推定がトンデモ論ベースではなく、学術的に検証された方法で推定できるところが嬉しいところなのだろう。よく、「歴史の陰に女あり」と言うけれど、これを拡張して「歴史の陰に女と催眠あり」として推論するとまた別のものが見えてきて面白いところではある。

     余談だが「野戦病院でヒトラーに何があったのか」は、催眠療法の後、ヒトラーの人格が変わったことが示唆され、エリクソン&ロッシの文献が引かれているが、エリクソン&ロッシは催眠で人格が変わることを主張していないのでちょっと変だな、とは読んでいて違和感があったところだ(笑)。


    4月20日の進捗、876ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 33.1%)

    Volume III
    HYPNOTIC   INVESTIGATION OF   PSYCHODYNAMIC PROCESSES

    The Basis of Hypnosis: Panel Discussion on Hypnosis
    Milton H. Erickson Transcribed from a presentation before the Annual Meeting of the Washington Academy of General Practice, Longview, Washington, May 13, 1959. Reprinted with permission fromNorthwest Medicine, October, 1959.

    The Investigation of a Specific Amnesia Milton H. Erickson Reprinted with permission fromThe British Journal of Medical Psychology, 1933, Vol. XIII, Part II.





    (つづく)

    文献
    [1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html

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