2017年4月21日金曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 111日目


                                                                                                                            
 そのあたりで言っている催眠って

 100年以上前の知識なんだよなぁ〜(笑)。 

 もっとも催眠自体に何も不思議な力はないというのが現在の共通認識なのだが。

 <ひとりごと>



はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 111日目について書いておきたい。

記憶の喪失の調査

 「The Investigation of a Specific Amnesia(1933)」の続きから。で著者はミルトン・エリクソン。特定の記憶の喪失に関する調査。

 日常、記憶の喪失、健忘の問題は至るところで起きている。これについて精神分析学派の人たちが抑圧というメカニズムを考え出し、フロイトは自由連想、催眠、自動書記、水晶の凝視、夢の中の活動・・・などの技法を考えだした。

 ただし、こういった技法にも実際使ってみると問題は多い・・・・・と検証しているのがここでの趣旨。

 細かいことは書かない。

 比喩として、本来Jazzのような即興演奏のスタイルを持っているエリクソンが初期に楽譜どおりにクラシックを弾いているような姿を見るとこれはこれで面白い。

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トラウマを催眠で回復できるのか?
 
 二本目は、「Development of Apparent Unconsciousness During Hypnotic Reliving of a Traumatic Experience(1937)」。著者はミルトン・エリクソン。

 エリクソンの少し古い論文。統合失調症的な反応を示すクライアントの回復に対して催眠がどのように影響を与えたのかを調査するプロジェクトの報告書。

 これは医学的な範囲となりるためあまり細かい話はかかない。

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    随考

     先日、英文学者で保守の論客である渡部昇一先生が亡くなった。謹んで哀悼の意を捧げたい。

     最近読んだ先生の著作は「東条英機 歴史の証言」だ。東京裁判の証言記録について書かれているが、エビデンスとしての記録を読みながら、現在の枠組みにとらわれず、「当時の社会背景はどうだったのか?」など、多面的に歴史について考えるのは非常に面白い試みだ。

     また、先生は大島淳一のペンネームでジョセフ・マーフィーのシリーズの翻訳本を出されていることでも有名だ。

     ここで、このシリーズの「眠りながら成功する --- 自己暗示と潜在意識の活用」を読み返してみた。手元の著作は英語版が1963年に出版された「The Power of your Subconscious mind 」 日本語版が初版昭和1968年から版を重ねた1988年の56版ということになる。

     まず気づくのは重版が現在とは桁違いだ。ネットもなく情報が限られて時代でもあり、本が売れた時代だったということだろう。

     また、内容を読んで思うのは本書がいわゆる「古典催眠」の影響を色濃く受けていることだ。

     実際に、フランツ・アントン・メスメル、ジェームズ・エスデール、ジェームズ・ブレイドの名前が登場し実際にやっていたことが紹介される。もっというと、本書の内容に間違いがあると指摘したわけではないが、非常に古い知識を元にしていることだろう。具体的には Internet Archive にある「Hypnotism and Hypnotic Suggestion (1900)」のような知識に基づいて書かれていることになる。

     これは時代でいったら日本は明治時代で八幡製鉄所が開設されたり、日英同盟が結ばれたりしたという時代だ。もっとも、上の著作のデジタル版アーカイブは2010年にハーヴァード・メディカル・スクールから寄贈されたものなので20世紀初めはこういったことに大真面目に取り組んでいたということなのだろう。

     現在、マーフィー本に書いてあることは、「自己成就予言」など社会心理学で理論化されていることと、「プラセボ効果」と見られる治癒の可能性低い病気の治癒がごっちゃに書いてあるので、どうしてもオカルトチックな雰囲気になっているのは否めないところがある。もちろん、個人的には「ここは心理療法の技法などで普通にできる」「ここはオカルト」と区別をつけて読んでいるところはあるのでその意味では面白い著作だ。

     さて、「眠りながら成功する」を読みながら、思ったのは、これを古典催眠版ではなく、エリクソニアン・アプローチでやったらどうなのだろうか?ということだ。もちろん、オカルトはなし。エビデンス・ベースド・アプローチと文献の引用と実践という格好になるのだろうが、少なくとも理論的な背景は100年は新しくなるに違いない、と思っている。

       「眠りながら成功する ---ミルトン・エリクソンに学ぶ 間接的自己暗示と無意識の活用」はそのうち機会をつくって取り組んでみたいと考えているところだが、わらしべ長者的にいかに現状の偶発的な出来事に反応していくのか?コミュニケーションの動的やり取りがエリクソニアン・アプローチの本質の一つであるので、早速、今日から「わら」をもって道を歩くところから始めたいところだ。


    4月21日の進捗、884ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 33.4%)

    Volume III
    HYPNOTIC   INVESTIGATION OF   PSYCHODYNAMIC PROCESSES

    The Investigation of a Specific Amnesia Milton H. Erickson Reprinted with permission fromThe British Journal of Medical Psychology, 1933, Vol. XIII, Part II.

    Development of Apparent Unconsciousness During Hypnotic Reliving of a Traumatic Experience
    Milton H. Erickson Reprinted with permission from the Archives of Neurology and Psychiatry, December 1937, Vol. 38, pp. 1282-1288.


    (つづく)

    文献
    [1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html

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