2017年4月26日水曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 116日目


                                                                                                                            
 コーチングの質問で「何の制約もなかったら、どうする?」があるが、

 エリクソンにかかると、間接暗示で、この制約自体を忘れさせるような

 技法を使うことができるということなのだよなぁ(笑)。

 <ひとりごと>



はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 116日目について書いておきたい。


様々な健忘、記憶喪失

 「Varieties of Hypnotic Amnesia (1974)」の続きから。著者はミルトン・エリクソンとアーネストロッシ。内容は、種々の健忘、記憶の喪失について。

   要は、クライアントの状況を利用して起こされるエリクソンのある意味「創造的」な健忘について書かれているのがここでの要点。実験室での標準的な手順に基づいた再現性を重んじるアプローチとは方向が違うということだ。

 細かいトランスクリプトは掲載されていないので、エリクソンとジェイ・ヘイリー、それとMRIのジョン・ウィークランドが書いた論文を探してみたいところだ。自分持ちのがあったはず(笑)。

 さて、論文は、心理療法への応用というところで終わっているが、これについて少し書いておく。

 研究室での「Posthypnotic Amnesia」についてかなり研究されているところがある。しかし、結局ここでの要点は何かというと、クライアントのトランス状態とトランスが覚めた時の状態を健忘の現象をどのように利用してブリッジングし元々の問題に対処するのか?が課題ということになる。つまり、トランス状態にして健忘を誘発し、トランスから覚めた時に、何が良くなっているのか?という考察だ。

 コーチングで「何も制約がなければどうしたいか?」のように尋ねる質問がある。おそらくこれはエリクソンが元になっている。制約は当然過去の経験から構築されている。一時的にでもこれを忘れることができれば、普段とは違う考えや振る舞いができるようになるはずだ。エリクソンはこれをトランス状態+間接暗示でクライアントの意識しないところで生み出す。そしてこれを利用する。どの事例もおおよそこんな感じだ。

 余談だが、UCバークレーのサイトに「Hypnosis , Memory , Amnesia」というのがあったが、1990年代後半の研究なので比較的新しい研究なのだろう。パラパラ読んでみた。

・・・・・・・・・・・

随考

 さて、このあたりを読むと、後にエリクソン派生の心理療法の技法が色々あるが、これはこのあたりをモデル化したのだなとか、あれはこのあたりをモデル化したのだなとかが分かって面白い。

    あまり大きな声では言えないが例えば、NLPのタイムラインなんかもそうだろう。出来はよくないが(笑)。エリクソンは技法として、時間を退行、前進させて、時間歪曲(Time Distortion)、健忘(Amnesia)、幻覚(Hallucination)、感覚消失(Anesthesia)、解離(Dissociation)など催眠現象を誘発し、トランス状態で発見した資源を上手にトランス状態から覚めたところにブリッジングする技法を非常に緻密に駆使しているのがNLPとの違いだ。

 結局、このあたりの現象をきちんとユーディライズできるのがエリクソンであって、単に床に書かれた線の上を歩いても普通のイメージトレーニングにしかならないことを考えると、これは大きな違いなのだろう。だからNLPを普通に使ってもあまり大きな変化は起こらない。

 もちろん、タイムラインも理解の助けくらいにはなるのだろうが、現象を起こしてそれを課題に対してきちんとユーディライズできていないとすれば、しょぼい技法のままであるのには変わりないようには思うのだ(笑)。
 

4月26日の進捗、922ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 34.8%)

Volume III
HYPNOTIC   INVESTIGATION OF   PSYCHODYNAMIC PROCESSES

Varieties of Hypnotic Amnesia
Milton H. Erickson and Ernest L. Rossi Reprinted with permission fromThe American Journal of Clinical Hypnosis, April, 1974, Vol. 16, No. 4.


(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html

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