2017年4月16日日曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 106日目


                                                                                                                            
 結局、意識って

 観察するもの、観察されるものの相互の関係性から生じているのかねぇ?

 まぁ、世界が立ち上がってくるとも言う(笑)。

 <ひとりごと>



はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 106日目について書いておきたい。

観察するものと、観察されるもの
 
 「Experience of Interviewing in the Presence of Observers(1966)」。

 エリクソンの功績は非常にオープンに自分の技法をビデオやオーディオに記録させたり、あるいは治療時の観察者を受け入れたというところなのかもしれない。これにより現在でもエリクソンのデモンストレーションを視聴することができる。

 また、観察のお作法も後にMRIミラノ派で体系化されることになる。

   しかし、クライアント-セラピストの系と同じところにマジックミラーなどを使わずにそこに観察者がいれば、当然、関係に影響を与えることになる。後にコミュニケーションの公理として体系化されることになるが、観察者として立っているだけでも「コミュニケーションしないでいるわけにはいかない」というわけだ。つまり、観察するものと、観察されるものは相互に影響を与えていることになる。これは、セラピストがクライアントを観察しているならば、クライアントもセラピストを観察していることになる。

 こんな感じで観察者を受け入れる時にどのようなことに注意していたのか?エリクソンのエッセーのような文章だ。

 個人的に非常に重要だと思ったのは以下。




To begin, my first procedure was to make a visual and auditory survey of the interview situation. I wanted to know what my patient could see and hear and how a shift of his gaze or a change of his position would change the object content of his visual field. I was also interested in the various sounds, probable, possible, and inclusive of street noises, that could intrude upon the situation.


 
 要は、クライアントが何に視点をあわせ、どのような音に反応していることから始めるというような記述だ。系の中に観察者が居る話とは直接は関係ないが、エリクソンがどこからクライアントの観察をはじめていたか?を知るには非常に参考になるだろう。

 もちろん、ジロジロと見る行為事態がクライアントに何らかの影響を及ぼしていることにもなるだろうから、これも「コミュニケーションしないでいるわけにはいかない」という原則がここにも成り立つことにはなる(笑)。
 
 ・・・・・・・・・・
    随考

       今日で第二巻の「Hypnotic Alteration of Sensory, Perceptual and Psychophysiological Processes」に目を通し終わった。

     「ここでのテーマは何だったのか?」と振り返ってみる。

     端的には、催眠によって導かれたトランス状態によって、五感による知覚や生理現象がどのように変容するのか?ということがここでのテーマだった。

     人が認識の枠組みをつくったり、既存の認識の枠組みに照らして反応や行動を行う場合に、最初に情報の入り口になるのが五感ということになる。もちろん、五感から入る情報がすべて意識に上がっているわけではないのだろうが。

     それで、単純な情報処理のモデル、例えば「推論のはしご」のようなものを仮定して人の認識や行動に変化をもたらすことを考えると、その入り口は五感の情報処理ということになる。だから認識や行動を変化させるには、その入り口の情報処理プロセスを変化させる、というのは案外論理的な話だ。

     もちろん、ここに第二次サイバネティクスとしてオートポイエーシスのような枠組みを当てて、神経系は閉鎖系の過程のもとに別の枠組みをあてるとまた別のものが見えてくるのも確かだ。人間はコンピュータのような無生物ではない、命もあれば、人と人との関わりの中で生きている生き物だということにもなる。

     そう考えると、単純に神経系の話として生物学的サイバネティクスで見るのか?社会科学的なサイバネティクスとして人と人との関係性までみるのかは人によって違ってくるのだろうが、もうすこし多面的に物事を考える必要がありそうだ、というのが分かってくる第二巻でもあるわけだ。
     

    4月16日の進捗、844ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 31.9%) 

    Volume 2 : HYPNOTIC ALTERATION   OF SENSORY, PERCEPTUAL    AND PSYCHOPHYSIOLOGICAL   PROCESSES

    Basic Psychological Problems in Hypnotic Research
    Milton H. Erickson Reprinted with permission from G. Estabrooks (Ed.), Hypnosis: Current Problems. New York: Harper & Row, 1962, 207-223. 

    Experience of Interviewing in the Presence of Observers
     Milton H. Erickson Reprinted with permission from L. A. Gottschalk and A. H. Auerback, Methods of Research in Psychotherapy. New York: Appleton-Century-Crofts, 1966, pp. 61-63. 



    (つづく)

    文献
    [1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


    記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com
    https://www.facebook.com/Okirakusoken-236949276723679

    ――

    0 件のコメント:

    コメントを投稿