2017年6月18日日曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 169日目


                                                                                                                            
 
  まったく違う視座から、同じ事象を見てみよ。

  ベイトソンの二重記述の概念なのだが、

  案外これが深いのだよなぁ〜(笑)。

   <ひとりごと>




はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 169日目について書いておきたい。

催眠療法に採用された催眠現象の経験的知見

「Experiential Knowledge of Hypnotic Phenomena Employed for Hypnotherapy  (1966)」から。著者は、ミルトン・エリクソン。

 この論文もかなり深い話になってくる。書き出しは以下のような感じだ。

・・・・・・
 
 心理的問題の治療のために催眠療法が使用されるが、催眠それ自体に依存することがしばしばある、よく知られているいくつかの構造化された形式の催眠アプローチがすぐに使用される。例えば、エリクソンは次のような多くの症例を見てきた。催眠療法では、多くのセラピストが退行催眠を日常的に使用するものの、クライアントに効果がないことを失望させ、クライアントに催眠について敵意を抱かせることになるような症例である。

 一般的に、催眠現象としての退行、解離、回避などは有効かもしれないが、各クライアント毎の問題は個別の精査と個別のニーズを満たすための治療アプローチの構築を必要とする。

 この必要性を説明するために、満たさなければならない問題の特徴、治療の目的、治療方法が考慮されなければならない。また、問題それ自体を利用し、治療の手順が治療が成功するように工夫されなければならない。治療法の問題は、問題全体の一般的な理解に付随する背景として、治療の文脈のある重要的な側面をクライアントに提示するために最初に議論する必要がある。

 考慮すべきポイントの一つは、治療が最初に試みられた時になんらかの結果を出さなければならないということだ。ここで失敗した場合、次の機会がない可能性がある。つまり、成功するためには一期一会で望む必要があるということだ。エリクソンもクライアントもこの事実を知っていた。

・・・・・・・・・

 このあと事例がひとつ。細かい技法は書かれていないが、読んでいると非常に興味深い論文だ。


随考

―― よくできた質問はとても重要だ――

 「An interactional model of questions as therapeutic interventions」というタイトルの論文がネットに落ちていたので読んでみた。

 内容は、ブリーフ・セラピーの話だ。エリクソン派生のブリーフ・セラピーであるMRIや戦略的家族療法以降の療法は明示的な催眠を使わない。その代わりにクライアントとの対話の中でよく練られた質問をすることで、クライアントの認識の枠組みに働きかけ、思考や行動の変化を支援する、というスタイルになる。つまり、

 質問すること自体が介入になる、ということだ。

 この論文はまさにこの話を扱っている。テーマは、「質問だけで、クライアントの認識や行動の変化が支援できるのか?」ということになり、答えは「できる、質問すること自体が介入だ」、ただし、よく練られた質問を使う必要がある・・・・ということになる。

 もちろん、ここでの質問も、もともとエリクソンが催眠を使ってやっていたことを第二次サイバネティクスをくぐらせて取り出したような形式になっている構図は理解しておく必要があるのだろう。

 ここでは催眠を使うか使わないか?といった瑣末な話をしているわけではない、結局、そういった二項対立の物事を見方を超えた「人の認識や行動の変化を支援する本質がどこにあるのか?」という話をしたいということだ。

  質問-回答が織りなす対話は便利なところも多い。具体的には以下だ、

  • 普通に日常生活でも仕事の場面で普通に使える
  • 催眠などに比べて怪しいところがまったくない
  • よく練られた質問は、認識の枠組みを超えた考えや行動を生み出す支援をする
  • 次元の違うコーチングやファシリテーションができるようになる

 もちろん、個人的には、ベイトソンの二重記述、多重記述にならい、エリクソンの技法と短期療法の技法を必ず二重記述するようにしている。こうすることで、単純な二項対立で物事をみるやり方から、もっと深いところが見えてくるのは間違いないだろう。 
  
6月18日の進捗、1332ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 50.3%)


Volume IV
INOVATIVE HYPNOTHRAPY

Experiential Knowledge of Hypnotic Phenomena Employed for Hypnotherapy Milton H. Erickson Reprinted with permission from The American Journal of Clinical Hypnosis, April, 1966, 8, 299-309.



お知らせ:

ミルトン・エリクソンの本質を突き詰めたから分かったことがあります。

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「変化・創発ファシリテーション」のオンデマンド、オンサイト講座を開始いたします。

詳細は、こちらから。


(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


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