2017年6月28日水曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 179日目


                                                                                                                            
 
  相手が自分と同じものを見ていると考えるのは、

  そもそも、大間違いのもとだ、という話かもなぁ(笑)。

   <ひとりごと>




はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 179日目について書いておきたい。

組織的な脳損傷に対する催眠を志向した心理療法

「Hypnotically Oriented Psychotherapy in Organic Brain Damage  (1963)」。著者はミルトン・エリクソン。

 25ページの比較的長い論文。簡単に言うと、こんな内容だ。物理的に脳を損傷したクライアントに心理療法的な知見は役に立つのか? なかなか深いテーマだ。最初に出て来るのは38歳の女性、家族旅行から帰ってくる途中で頭痛を発症。原因は動脈瘤が破れていること。もちろん、これが催眠で治るといったバカなことを言っているわけではない。当然、外科手術を行う。問題はその後の話だ。

 おそらくこの時代 fMRIやCTスキャンなどの機材は大病院にすら置かれていない時代だろう。したがって、脳の物理的な損傷にともない、どのような機能が麻痺しており、どのような機能は正常なのか?を見立てる必要がある。エリクソンの場合は、まず、この見立てとしてクライアントを催眠誘導し、これを見立てる支援をするところから始めるという具合だ。

 ・・・・・・・・

 このような感じでこの話が始まる。



随考

――エリクソンには「紫」が「深い青」に見えていた――
 

There is a common myth that Erickson could see only the color purple as a result of a rare type of color blindness. According to Betty Erickson , this was not true.Milton had a common type of red-green blindness called "dichromatopsia." Purple become his favorite color , but he probably percievied is as a kind of darkened blue. Betty suggests that he chose purple early on because at that time it was rarely used for garments - and Milton thoroughly enjoyed being diffrenct. Eventually purple become his own personal trademark.


 ミルトン・エリクソンはまれなタイプの色盲の結果として紫色だけを見ることができるという共通の神話があります。 ベティ・エリクソン(妻のエリザベス・ムーア・エリクソン)によると、これは真実ではありませんでした。

 エリクソンには、「二色性色盲」と呼ばれる一般的なタイプの赤緑色盲がありました。 紫は彼の好きな色になりましたが、おそらく彼は一種の深い青色として見ていました。 ベティは、当時は衣服にはあまり使用されていなかったため、早期に紫色を選んだことを示唆しています。エリクソンは徹底的に楽しんでいました。 やがて紫色は彼自身の個人的な商標になります。



 要は、エリクソンは色盲だったが、典型的な赤緑の二色の色覚異常だったという話だ。エリクソンは紫色を好んだが、エリクソンからは紫は深い青に見えていた。

 この話はなかなか示唆的だ。例えば、「あなたは、○○と思っていますね」という推測はまったくあてにならない、という具合だ。エリクソンの場合は知覚レベルで他の人と違うが、普通の人でも解釈レベルになると一人ひとりは違う受け取り方をしている。

 これから推測されることは、エリクソンは他の人からは紫に見えている、「深い青」を好んだということになる。

 相手は五感で知覚できるレベルですでにあなたと違うものを見えている可能性も否定できない。そういった示唆と考えると案外おもしろい。

6月28日の進捗、1412ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 53.3%)


Volume IV
INOVATIVE HYPNOTHRAPY

Hypnotically Oriented Psychotherapy in Organic Brain Damage
Milton H. Erickson Reprinted with permission fromThe American Journal of Clinical Hypnosis, October, 1963, 6, 92-112. This article was published simultaneously in translation in Ceskoslovenská Psychologie, Prague, Czechoslovakia.




お知らせ:

ミルトン・エリクソンの本質を突き詰めたから分かったことがあります。

 組織のパラドクスを解消し、組織の認識、行動の変化を支援する、
「変化・創発ファシリテーション」のオンデマンド、オンサイト講座を開始いたします。

詳細は、こちらから。


(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

https://www.facebook.com/Okirakusoken-236949276723679


――

0 件のコメント:

コメントを投稿