2017年6月22日木曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 173日目


                                                                                                                            
 
  なんか、エリクソンが地球を救う、

  みたいな話にならないこともないなぁ(笑)。

   <ひとりごと>




はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 173日目について書いておきたい。

抵抗を利用した治療的ダブル・バインド

「A Therapeutic Double Bind Utilizing Resistance (1952)」から。著者は、ミルトン・エリクソン。実際には出版されなかった原稿。

    クライアントは、エリクソン関係の様々な著作でおなじみの12歳で178cm 、77kg ある少年のお話。症状はおねしょ。結論からいうと、ここで主に使われたのは、治療的ダブル・バインドの特にタイム・ダブル・バインドということになる。

 現在、少年は優秀な大学生になっており、おねしょも治りエリクソンともずっと良い関係を築いている。

・・・・・

 細かい話はここでは書かない。 

クライアントの個性や考え方を利用する

「Utilizing the Patient’s Own Personality and Ideas: “Doing It His Own Way”(1954)」から。著者は、ミルトン・エリクソン。実際には出版されなかった原稿。

 クライアントは、新婚の22歳の男性。催眠で無謀な運転をやめさてほしいという(妻の)要請を受けて、エリクソンの事務所やってきた。この男性は、催眠に入ることも、疑っているし、自分が運転のスタイルを変える必要があることも疑っている、と言った。

 この男性はいざとなったら車を壊しても自分は無傷で助かるスタントのような運転を身につけているという絶対の自信があった。ただし、運転のスタイルを変える必要性があったのは、妻を乗せてドライブする時にいつまでも無謀な運転をつづけるかということだった・・・・・

 オチは、エリクソンがこの男性の信念を逆手にとって利用するということになるのだが・・・・あまり細かい技法については書かれていない。

・・・・・・・・・・

随考

――イスラエスとパレスチナにおける平和のための逆説的介入 ――

 昔から戦争を煽るのに新聞やラジオをはじめ、多くのプロパガンダが使われてきたような歴史がある。ただし、これを反対に使えば平和(の状態)を促進できるのではないか?との仮定のもと、イスラエルで行われた社会実験の論文がリンクされていたので読んでみた。(この記事の日本語サマリがウォール・ストリート・ジャーナルのここに書いてある。)

 タイトルは、「Paradoxical thinking as a new avenue of intervention to promote peace(2014)」(平和を促進するための新たな介入方法としての逆説的思考)でサマリは以下だ。

 困難な紛争に巻き込まれている社会では、紛争の継続と困難に寄与する強い社会心理的障壁が存在する。イスラエルとパレスチナの紛争の中で行われた独自のフィールドスタディに基づいて、私たちは参加者に紛争の共通倫理に合致する極端なアイデアを表現する長期的逆説的介入キャンペーンを提示することにより、結果は、介入が直観に反しているものの、参加者には特に中道と右派の政治的方向性を持つ参加者の間で紛争に関するより懐柔的な態度を表明することにつながったことを示している。 
 最も重要なのは、2013年のイスラエルの総選挙で参加者の実際の投票パターンに影響を及ぼしたということであった。総選挙の近くで行われた矛盾的な介入に曝された参加者は、紛争への平和的解決を提唱する。これらの効果は、介入後1年後に再評価されたときに介入条件の参加者がより懐柔的な態度を表明したため、長期間続いた。これらの結果に基づいて、我々は逆説的思考の概念に基づく説得の一般的理論に新しい層を提案する。

   実験の概要

 これを読むと、もともと左派の思考を持っている人には有効ではなかったようで、右派左派がどうだということはおいておいても、効果に何らかの前提条件はつく、ということだろう。

 このあたりは、テルアビブ大の学者に加えて、スタンフォードの学者が参加したり、論文にミルトン・エリクソンを研究したMRIのポール・ウオツラィックが引用されていたりと、誤解を恐れずに言えば、巡り巡って「ビリーフ・チェンジ」を支援するミルトン・エリクソン的パラドクス介入の平和利用ということができるだろう。

 何れにしても、ユダヤ人の人たちは構想が大きすぎて、以下に自分がつまらないことを考えていたのか?再認識できるという意味では面白いプロジェクトでもある。
 
6月22日の進捗、1364ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 51.5%)


Volume IV
INOVATIVE HYPNOTHRAPY

A Therapeutic Double Bind Utilizing Resistance
Milton H. Erickson Unpublished manuscript, 1952.

Utilizing the Patient’s Own Personality and Ideas: “Doing It His Own Way” Milton H. Erickson Unpublished manuscript, 1954.





お知らせ:

ミルトン・エリクソンの本質を突き詰めたから分かったことがあります。

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詳細は、こちらから。


(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


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