2017年6月8日木曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 159日目


                                                                                                                            
 
   Twitter の悪口の返しも、売り言葉に買い言葉を避け、

  間接表現にして面白おかしく返すことを考えるだけでも、

 案外和む(笑)。

   <ひとりごと>




はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 159日目について書いておきたい。

催眠あるいは催眠下の調査による症状-機能の決定

「The Hypnotic and Hypnotherapeutic Investigation and Determination of Symptom Function (1953)」から。著者は、ミルトン・エリクソンとハロルド・ローゼン。

 簡単に言うと、感情的な病を抱えた患者について、治療的な催眠下の環境に置くことで「症状-機能」を素早く決定することができる、ということについて書かれてる。

 要は、どのような場面でその症状が明示されるのか?催眠を使ってその状況をシミュレーションとして再現することでその症状を見立てていたということになる。これも催眠の一つの効用ということなのだろう。細かい事例がいくつか書いてあるが、ここでは書かない。

・・・・・・・・・・・・・ 
 

随考

―― 慢性疼痛に関する催眠誘導と暗示――

 ネットに「Additional Inductions and Suggestions that May Be Helpful for Individuals with Chronic Pain」というタイトルのオックスフォード大学出版の本のプレビューが落ちていたので読んでみた。「慢性の疼痛に対しての催眠誘導と暗示」について書かれている著作だが、催眠誘導のトランスクリプトが掲載されているのでイメージがつきやすい。

 誘導の内容はカウントダウン/アップ誘導など非常にオーソドックスなものが掲載されている。その意味、ヤプコの比較表で言うと、真ん中の学術系の人が使う標準的なアプローチに基づいているということになるだろう。要は、属人性を排して誰がやっても同じように出来る、ということが重要視されるということだ。

 更に言うと、表右側にあるエリクソニアン・アプローチはやはりクライアントの抵抗でも何でも即興的に利用する Jazz 的なアプローチということができるだろう。誰彼にできるわけではないが、自由度は大きい。この違いは面白い。もちろん、こういった標準的なアプローチにせよ、エリクソニアン・アプローチにせよ催眠誘導に成功したからといって、適切な介入がないと効果がないということではあるが・・・・

―― 間接暗示と催眠誘導を即興的に行うには? ――

 少し、本質的なことを考えてみる。

 ブリーフセラピー・カンファレンスのサイトにエリクソニアンのジェフリー・ザイクの「Hypnotic Language 」というスライドがリンクされていたので読んでみた。エリクソニアン・アプローチの特徴は間接的な示唆、あるいは間接暗示ということだ。催眠誘導においてもこういったパターンが使われる。エリクソニアンの即興的アプローチは、ある意味、相手の反応なり言動をいったん受け止め間接的表現に置き換えて返すという具合になる。これは「売り言葉に買い言葉」とは真逆のアプローチでもある。

 これは、極端にいうと「お前を愛している〜」という代わりに「今日は、月がきれいですねぇ」というような夏目漱石的なアプローチを指す(笑)。ただし、間接的なのでウザくない、それにこういったメッセージは無意識に直接届くという仮説の元に成り立っている。要は、意識の抵抗を回避するということだ。

 このスライドでいくつか間接暗示の用例が示されている。具体的には以下だ、

  1. トゥルーイズム
  2. 埋込み命令
  3. 引用
  4. Yesセット
  5. 前提
  6. 解離の表現
  7. 二重解離の表現
  8. 因果関係の含み
 もちろん、これは、催眠というようなコンテクストだけで有効というわけではない。会社でも日常生活の場面でも自分の言いたいことをズケズケ直接言う代わりに一旦間接表現に置き換えて表現することもできる、という具合だ。ザイクのエリクソニアン・ダイアモンドのフレームワークで言う「ギフトラッピング」という概念だ。こうすることで一見押しは弱いように見えるが、抵抗を受けにくいので案外主張がそれとなく通るようにはなるものだ。

 また、自分の気持ちが高ぶっている時でも怒っている時でも、一旦冷静になって間接的な表現を考えてみることの効用は大きい。要は、感情で狭くなっている視野をもう一度大きくしてよりシステム思考的に物事を考える状態に戻ることができるという具合だ。また、「売り言葉に買い言葉」とはならないので、シンメトリカルな関係がエスカレーションすることもない。こう考えると、催眠というのを一旦脇に置いて、世の中の不平不満でも間接的に表現してみるのもシステム思考の点からも面白い練習にはなるということだ。

6月8日の進捗、1252ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 47.3%)


Volume IV
INOVATIVE HYPNOTHRAPY

The Hypnotic and Hypnotherapeutic Investigation and Determination of Symptom Function Milton H. Erickson and Harold Rosen
Read in part (a) at the 107th annual meeting of the American Psychiatric Association. Los Angeles, California, May 4-8, 1953; and in part (b) at the Conference of Directors of Mental Hygiene Clinics of the State of New York, Pilgrim State Hospital, Brentwood, Long Island, N.Y., June 2, 1953. Quoted here from the Journal of Clinical and Experimental Hypnosis, 1954, 2, 201-219. Copyrighted by The Society for Clinical and Experimental Hypnosis, 1954.





お知らせ:

ミルトン・エリクソンの本質を突き詰めたから分かったことがあります。

 組織のパラドクスを解消し、組織の認識、行動の変化を支援する、
「変化・創発ファシリテーション」のオンデマンド、オンサイト講座を開始いたします。

詳細は、こちらから。


(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

https://www.facebook.com/Okirakusoken-236949276723679


――

0 件のコメント:

コメントを投稿