2017年7月13日木曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 194日目


                                                                                                                            
 
  催眠と瞑想は、

  似ている、そして、似ていない(笑)。


   <ひとりごと>




はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 194日目について書いておきたい。

催眠状態における自己探求

「Self-Exploration in the Hypnotic State  (1955)」著者はミルトン・エリクソン。

 エリクソンが自身でたてた6つの仮説を検証しているような格好になっている。もちろん、エリクソンが経験的にたてた仮説なので現在の認知科学とは違っている可能性がある。内容は以下、

1. 無意識によるモチベーションと欲求は認識されないが明らか。
2.意識と無意識の記憶は分かれている。
3.トラウマ的経験の認知的な要素とその働きは分離できる可能性がある。
4.無意識の記憶を意識の記憶に転換するプロセスがある。
5.人格に基づくたった一回の出来事で起こるトラウマt的経験は、その人の実験的な人生に統合することで完全に変化させることができる。
6.タスクを実行する中で微細な多くの手がかりは、非常に重要な情報を含んでいる。

 この仮説を検証するべく催眠を使い検証を実施する。

ハンドシェイク・インダクションに続くトランスにおける自己探求

「Self-Exploration in Trance Following a Surprise Handshake Induction  (1952-1954)」著者はミルトン・エリクソン。実際には発表されなかった原稿。

 エリクソン自信がハンドシェイク・インダクションを活用した心理療法について書かれている。クライアントは、被験者である長男を不慮の事故で無くした医療従事者とある。長男の死をきっかけに催眠もうまく決まらず、自身もウツになった人物の心理療法について書かれている。この人物がエリクソンのもとにやってくる。

・・・・・・・

 オチから書くが、詳細は1976年にアーネスト・ロッシと共著の論文があるので、そっちを参照してね、だ。(英語の)三部作のどれかに入っていたと思ったが、今日現在で三部作のうち二作は邦訳されているので、ここで確認できるはずだ。

 注意点は、ハンドシェイク・インダクションは、ある意味、宴会芸のような技として見世物として活用されることがあるが、そうではないということだ。結局、トランス誘導は最初に見立てをするか、見立てをした後に見立て時の催眠現象に当てる別の催眠現象を引き出すために行われる。このあたり、やこのあたりで書いた。つまり、ハンドシェイク・インダクションは催眠現象を引き出す入り口でしかなく、ここで引き出された催眠現象をどのように利用するのかのほうが重要だということになる。
 
随考

 ―― 瞑想と催眠状態の科学――

 ネットに「The Science of Meditation and the State of Hypnosis  ,2003 (瞑想と催眠状態の科学)」というタイトルの(仏教)瞑想と(自己)催眠の関連性について考察された The American Journal of Clinical Hypnosis の論文が落ちていた。なかなか興味深い。

 もちろん、仏教瞑想にも色々な種類があるし、催眠にも色々な種類がある、それらを十把一からげにして語ることは少々乱暴だ。しかし、この論文を書いている米国人からすれば、仏教瞑想と自己催眠の相違と差異を手がかりにして相互理解を深めようとしている試みだろう。これは、認知科学と仏教の共通点を探ったフランシコ・ヴァレラの『身体化された心』に影響を受けている感じがしないでもない。

 さて、内容のサマリーは以下だ、

 仏教瞑想には、集中とマインドフルネスの側面がある、この関係が催眠との関係において議論される。マインドフルネスの訓練は、催眠に対する主観的な反応の調査を促す。集中の訓練は、催眠と同じように現象学的にも神経学的に変性意識状態に導く。催眠と瞑想における類似と相違は、次の質問によって光が当てられる。(1)催眠は変性意識状態を含むのか。(2)催眠誘導は被暗示性を高めるのか。ここでは、催眠のモデルはイマジネーションと期待の膨らみと同様に変性意識状態を含むべきであると結論付けられた。

 特に興味深いのは、サマタ瞑想が4つの段階として語られれているところだ。

第一段階:オブジェクトに注意を向ける
第二段階:思考を手放す
第三段階:喜び、熱意、至福を手放す
第四段階:幸福、安心、痛みを手放す

 面白いのは、幸福や安心という感情ですら煩悩なので瞑想中は手放すということだ。このあたりは中々深い話になってくる。また、自己催眠を使ってもある程度までは同じようなことは可能だろう。

 
7月13日の進捗、1530ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 57.8%)


Volume IV
INOVATIVE HYPNOTHRAPY

Self-Exploration in the Hypnotic State Milton H. Erickson Quoted from the Journal of Clinical and Experimental Hypnosis, 1955, 3, 49-57. Copyright by the Society of Clinical and Experimental Hypnosis, 1955.

Self-Exploration in Trance Following a Surprise Handshake Induction Milton H. Erickson Unpublished manuscript, 1952-1954. A detailed analysis of the dynamics of the handshake induction is provided in Erickson, Rossi, & Rossi, 1976.


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(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


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